クロスバイクを3x8速から2x11速化しました。
正確には10速化した後に11速のギアが販売されたので11速化しています。
より軽快な走りや性能アップを求めてクロスバイクの10速化・11速化を考える人はきっと多いと思いますが、グリップの交換やホイールの交換などに比べると難易度が高く、かなり大掛かりなカスタマイズが必要になります。
もちろん10速化・11速化はサイクルショップに相談すれば、いろいろと相談に乗ってくれて、最適なパーツで組み込みもしてくれると思いますから、普通の人にとって10速化・11速化は、カスタマイズの難易度よりも、コストの方が重要な問題になるかもしれません。
しかし、どうせクロスバイクを10速化・11速化するのであれば、個人的には自力でカスタマイズにチャレンジしてみても良いのではと思います。
僕自身クロスバイクを10速化・11速化したのは始めての経験でしたし、順調に作業できたわけでもありません。それどころか作業のやり直しやパーツの買い直しまで含めていろいろな失敗がありました。
しかしながら、どうにかこうにか自力で10速化・11速化することができ、作業を終えた後には、自転車を弄ることへの恐怖心がなくなっていることに気が付きました。
コンポーネントの載せ替えができるようになれば(少なくとも構造的には)自転車のことが8割くらいは理解できるようになるので、例えば何かのトラブルに見舞われたとしても、臆すること無く対応できるようになるので、興味があれば是非チャレンジして欲しいのが10速化・11速化でもあります。
もちろん、不慣れな作業では失敗や上手く行かないこと、躓いてしまうこともあるかと思います。
そこで、この記事では、僕自身がが躓いたクロスバイクの10速化・11速化の際の作業のポイントなどについて解説しています。
クロスバイクの10速化・11速化に関する記事一覧
クロスバイクの10速化・11速化の作業はマニュアルと複数のメンテナンスブックを参照しながら進める
マニュアルとメンテナンスブックの参照が基本
クロスバイクの10速化・11速化には、パーツの付け外しやディレーラーなどの調整など、様々な作業が必要になります。
10速化・11速化の作業内容については、根気よくインターネットを探せば見つけられる可能性もありますが、なかなか必要な情報が見つけられなかったり、個人が適当に作業した様子をザックリまとめただけだったりで、正確さについて怪しい情報が多くなってしまいます。
メンテナンスのプロなどであれば、いい加減な情報はすぐに気がつくことができますが、始めて作業をおこなうような素人には正誤の判断ができません。
自転車のブログを書いている僕が言うのも変な話ですが、ブログなどの情報を信じて作業をした結果、大失敗ということも十分考えられますので、不慣れな作業ほどインターネットではなく、きちんとしたメンテナンスブックなどを参照する必要があります。
そもそも、何から始めれば良いのかさえ分からない状態だと思うので、インターネットで情報を探すのは実際問題で不可能と思えます。
その問題を解決してくれるのがメンテナンスブックで、メンテナンスブック無しでは、自力での10速化・11速化はまず無理でしょう。
メンテナンスブックは複数あるのが望ましい
基本的にはマニュアルとメンテナンスブックを参照しながら作業することになります。可能であれば、メンテナンスブックは2〜3冊を購入することをおすすめします。
複数のメンテナンスブックを見比べることで、足りない情報を補えたり、理解が難しい部分の理解ができるなどのメリットがあります。
僕はシマノのパーツに特化したメンテナンスブックをメインにして作業しました。下記の本はシマノのマニュアルをベースに写真解説しているので、マニュアルと合わせて参照すると非常に理解しやすくなります。
ただ、あくまでロードバイク用のコンポーネントになるので、クロスバイクのパーツだとシフトレバーやブレーキなどの解説でつまづくことになるので、クロスバイクに特化したメンテナンスブックが他に用意できると作業がスムーズに行えるようになります。
これ、買って本当に良かったです。
クロスバイクの10速化・11速化のような、コンポーネントを全て交換するようなカスタマイズの場合、このメンテナンスブックは必須です。
実際問題でこのメンテナンスブックが無ければ、僕のような素人がクロスバイクを10速化・11速化するのは無理だったと思います。
この本に関する詳しいブックレビューは下記の記事でまとめているのでご確認ください。
クロスバイクの10速化(11速化)に取り掛かる前の心構え
全ての流れを予習してから作業に入る
パーツ、工具、メンテナンスブックが揃ったらすぐにでも作業に取り掛かりたいところですが、いきなり作業に取り掛かると大きな失敗をしやすくなります。
必ず、全ての作業内容を書き出して、それぞれの簡単な手順などについて、一度は予習をすることをおすすめします。そうすることで、全体の効率的な作業の流れや順序などが理解しやすくなり、無駄な作業を省くことができます。
僕はこの作業を怠ったがために、せっかく組み付けたパーツを一旦取り外すなどの無駄な作業を何度かしてしまいましたし、作業の途中で足りない工具に気が付き、中途半端な状態で作業を中断してしまわないといけないような状態になってしまいました。
● 手順(作業の順番)
● 使用する工具とパーツ
このあたりをメンテナンスブックを参照しながら、一度おさらいしておくと、作業の確実性と効率がかなり上がります。
作業の前に写真を撮影しておく
クロスバイクのパーツの取付の際の最大のお手本になるのは、最初に自転車屋さんで組み付けられていた状態です。
パーツの取付け角度や、ワイヤーの通す位置、ワイヤーの残す長さ、アウターケーブルの長さなど、あらゆる作業のお手本は、自転車屋さんで整備された状態を参考にすることです。
そこで大切なのは、作業をおこなまえには、かならず角度を買えて、いろいろな方向から作業する部分のパーツを写真で撮影して記録しておくことです。
そうすることで、作業に行き詰まった際には参照できますし、最悪の場合は元の状態に戻すことができます。
この写真があるかないかで、作業の効率は全く変わると言っても過言ではありません。作業の前には必ず写真で記録するようにしてください。
失敗でやり直しは当たり前と思うこと
クロスバイクのコンポーネントの交換を素人がやろうとすると、その方法はおろかパーツや工具でさえも一体何が必要なのかわからないことから始まります。毎日のように自転車を整備している自転車屋さんとは全く違います。
工具一つにしても、もその取扱い方法や、パーツの取付け方なども知らない事だらけです。
なので、ほんの些細な作業でもすぐに躓いてしまうと思った方が良いでしょう。けして大げさではなく、一つひとつの作業で躓いてしまうので、なかなかスムーズには作業ができません。
時にはある程度作業を進めたところで作業が間違っていることに気がついてやり直す必要があったり、最悪の場合はパーツを壊してしまい、買い直しなんてこともあるかもしれません。
実際に僕はそういう失敗を何度もしてしまいました。
そんなトラブルや失敗も覚悟の上で、むしろその苦難の道を楽しむくらいの気持ちで作業を開始した方が良いと思います。そうでないときっと途中で投げ出して諦めてしまい、恥をしのんで自転車屋さんに持込むことになるでしょう。
なんとしてもやり遂げるという気持ちが必要
問題が連続して発生したり、ミスを何度も重ねたりして、余計な出費が重なったりすると「最初から自転車屋さんにお願いしておけばよかった」と心が折れて後悔してしまいます。
つまり何があっても完遂するぞという強い意志がなければ途中で投げ出してしまう可能性が非常に高いのです。
僕の場合で言えば、クランクの交換で作業ミスが重なってしまいパーツを買い換えるなど出費も増えました。心はポッキリと折れて泣きそうになりました。敗北を噛み締め、恥をしのんで自転車屋さんに持ち込もうかと何度も思いました。
クランクの交換は、自転車初心者にとっては非常にハードルが高い改造カスタマイズです。けして適当に作業をして出来るものであはありません。
「自転車の構造に詳しくなって全て自分でメンテナンスできるようになりたい」と考えているような人や「改造カスタマイズも自転車の醍醐味と思ってどんな苦難も楽しめる人」以外は素直に自転車屋さんにお願いするのが正解だと思います。
しかしながら冒頭でも述べたようにクロスバイクやロードバイクの構造は非常に単純です。しっかりと予習して焦らず慌てず作業すれば素人でもなんとかできるはずです。
コンポーネントの交換は確かに大掛かりで大変な作業になりますが「なんとしても自分で最後までやり抜く」「時間を掛けてでも完遂する」という気持ちで臨めば、必ず完遂できるはずです。
自分でパーツを組み付けた自転車に乗った時の感動や達成感はまた一味違ったものですから、コンポーネントの交換にチャレンジするだけの価値はあるんじゃないかと思います。
実際問題で、僕自身がこの大きな壁を乗り越えることによって自転車に対しての恐怖心と言いますか、未知の部分に触る恐さのようなものはなくなりましたし、愛車への思い入れも強くなりました。
かなり苦戦はしましたし、自転車屋さんに頼めば無駄にするお金も少なかったと思いますが、それでも自分でチャレンジして良かったと思っています。
焦らず確実に作業する
コンポーネントを交換する改造カスタマイズはそれなりに大掛かりで工数の多い作業ではありますが、一つひとつの作業で分けて考えれば難易度の高い作業はあまりありません。
もちろん不慣れな作業ばかりになるので大変な思いはするでしょうが、特別な技術が必要なわけではないので一つひとつの作業を丁寧に行っていけば誰にでもできるものだと思います。
とは言いつつも、不慣れな作業は神経を張り詰めているので消耗しますし長丁場になります。
ぶっ続けで作業を行うと、次第に集中力を欠くようになります。
「一気に作業を終了させたい」という気持ちは解りますが、集中力を欠くと何でもない作業で有り得ないミスをしてしまうなどで、逆に余計な時間が掛かることにもなります。
自転車屋さんなど作業に慣れた人が10分程度でできる作業も、素人だと1時間必要なんてのは当たり前です。
疲れたら必ず休む
そこで重要なのは、コンポーネントの交換作業はパズルでも組立てるかのうような気持ちで慌てずノンビリと、数日かけて少しずつ交換するくらいの気持ちで作業した方が、失敗も少なく、楽しみながら作業できると思います。
疲れたら休む。これが作業を行う上で最も大切なことになります。
僕の場合は二日間にかけて作業を行いました。作業時間はトータルで6〜8時間程度でした。
後から思えば「1日1パーツしか作業をしない」と決めて、ゆっくりと作業をしても良かったなと思います。そうすればもう少し丁寧に慎重に作業を進められて失敗も少なかったかなと思います。
しつこいようですが、集中力を欠くと思わぬミスを連発するようになります。急いで作業していてもミスがあれば作業をやり直さなくてはいけなくなり、結局は時間掛かってしまうものです。
急がば回れで、慌てず、急がず、1つ1つを確実に作業することを心掛けて臨んだ方が良いでしょう。
改造カスタマイズがメインの目的でない人は自転車屋さんにお願いしよう
インターネットで探せば安くパーツが購入できるので、自転車屋さんにお願いせずに自分でパーツを購入する人も増えているようです。それと同時に、自分で取り付けられず自転車屋さんに泣きつく人も増えているという話を聞きます。
以前はパーツの持ち込みに関しては嫌な顔をするお店も多かったようです。これはお店が儲からないという理由がメインというわけではなく、持ち込まれたパーツに何か不具合があった場合、ショップとして責任を取れないなどの問題があるからだと思われます。実際問題で組み付けた自転車で何かあれば、作業をした自転車屋さんの責任になってしまします。
しかし「取付けだけやってほしい」という相談も多くなっていることから最近は割と寛容になってきていると聞いた事があります。
それでもやっぱりパーツの持ち込みはあまり歓迎されるものではないでしょうし、パーツ持込の場合は別料金が加算されて工賃が高めになるのが普通です。
なので、自分で作業ををしようと思って始めたものの、すぐに途中で諦めるくらいなら最初からお店に依頼した方がずっとハッピーになれます。
クロスバイクの10速化・11速化に必要なパーツ
クロスバイクを10速化・11速化するためにはフレームに装備されている多くのパーツを交換する必要があります。
10速化・11速化で交換が必要なパーツ
● クランクセット
● フロントディレーラー
● リアディレーラー
● シフトレバー
● 10速・11速チェーン
● スプロケット
● ボトムブラケット
これらのパーツを全て含めてコンポーネントセットなどと呼んだりします。これらのパーツはグレードによって、互換性があるものと、互換性がないものがあるので、パーツの選択の際には互換性のあるパーツを選択する必要があります。
シマノのパーツを例にすると、10速以上は下記の4グレード。
● DURA-ACE 11速
● ULTEGRA 11速
● 105 11速
● Tiagra 10速
上から順にグレードが高くなりますが、クロスバイクにDURA-ACEやULTEGRAは、価格的にもスペック的にもあまり現実的ではないコンポーネントになるので、11速なら105、10速ならTiagraを候補に考えるのが良いと思います。
もちろん予算が許すようであれば上位グレードを選択するのも良いかもしれませんが、クロスバイクのフレームの性能が追いついてこないので勿体なさは少なからずあります。
グレードの違いによる完成車価格の違い
参考までに、各グレードのコンポーネントが搭載されている完成車の価格帯の目安は下記の通りです。
● Tiagra:12万円〜20万円
● 105:18万円〜25万円
● ULTEGRA:25万円〜60万円
● DURA-ACE:40万円〜100万円
シマノのコンポーネントについての詳しい情報は下記のリンクにまとめていますので参考にしてください。
自転車のパーツ自体がそれほど多くありませんが、バリエーションが多くて選択で悩むポイントになります。
例えば、Tiagaraの場合、フロントのギアは2枚か3枚を選べます。フロント3枚だと使用できるギアのパターンが増えるのでより多段なメリットがありますが、一般的なロードバイクなどではフロントは2枚が主流で、実際問題でフロント3枚は必要ないので2枚を選択した方が良かったりします。
ディレーラーの大きさや、スプロケットの歯数なども、何を選択するかで自転車の性格が変わるものなので、パーツ選びはなるべく熟考して決める必要があります。
また、実際僕が購入したパーツや、それぞれのパーツを選択した理由などを下記の記事でまとめていますので参考になると思います。
パーツの買い間違いに注意する
自転車のパーツは似たようなパーツが沢山あるので、何を選ぶのかの判断に迷います。
それぞれに互換性があれば良いのですが、なかなか都合が良いようにはいきません。見た目や品番が似ているにも関わらず互換性の無いパーツがいくつかあります。
しかも、間違えて購入した場合、購入した時点ではすぐに気が付くことができず、作業の途中でどうやってもうまくいかなかった結果、よくよく調べてみると互換性が無いことに気づいたりするのです。
残念ながら、購入してから日にちが経ってしまったり、パッケージを開封してしまうと返品もできなくなるので、使えないパーツで無駄な出費を増やしてしまうことになりますから、購入間違いが無いようににしっかり確認しておくことが重要です。
例えば、フロントギアのシフトレバーには2速用と3速用があります。これはTiagraなどにはフロント2速と3速があり、それぞれに対応したシフトレバーを使用する必要があるからです。
しかし、シフトレバーのカタログ写真の見た目ではほとんど違いがありませんし、品番も末尾が違うくらいでほとんど同じなので、知識がないうちは何を選択して良いのか分からずに間違ったパーツを購入してしまいやすいのです。
見た目ではなく品番と互換表で確認する
買い間違いを防ぐための策としては、購入前に必要なパーツをリスト化してシマノの互換表で確認するなどが良いでしょう。互換表はネットでも見つけられますし、シマノのパーツに特化したメンテナンスブックであれば、互換表が付属されていると思います。
ただし、ネットで情報を拾っている場合は、記事が古くて現在のラインナップとは異なっている場合があります。日付を確認せずに記事を参考にしてパーツを選ぶと間違った選択をしてしまうことにもなるので注意が必要です。
間違いやすいパーツ
下記は選択ミスをしやすい代表的なパーツです。購入前はしっかりとチェックしてください。
● フロントシフトレバー(2速か3速がありますが2速を選択します。)
● フロントディレイラー(取付け部品パーツ(バンド)の有無があります。ESCAPEシリーズは有を選択します。)
● リアディレーラー 使用するスプロケットの歯数によって使用するリアディレーラーが異なります。28T以上のスプロケットを使用する場合は注意が必要です。● クランクセット(致命的なミスにはなりませんが種類がいくつかあります。ノーマルクランクやコンパクトクランクと呼ばれるものがありギアの歯数が違います。クランクの長さも違いますから自分の体型にあったサイズを選びましょう)
クランクセットの違いについては下記の記事で解説しています。
クロスバイクの10速化・11速化で必要な工具
専用工具が必要
クロスバイクを10速化・11速化するためのパーツを買い揃えたら実作業に入るわけですが、工具がなければ作業ができません。
ドライバーや六角レンチなど、自転車の日頃のメンテナンスに必要な工具はもちろんですが、コンポーネントの載せ換えには専用工具が必要になります。
専用工具いろいろ
● コッタレス抜き
● クランク取付工具
● アダプター戻し工具
● BBユニット取付工具
● フリーホイールリムーバー
● ロックリング締め付け工具
例えば、上記の専用工具が必要になりますが、自転車の整備に関わらなければ、おそらく一生目にすることもないような工具がいくつも必要になります。
何を揃えれば良いか分からない人は自転車専用の工具セットを購入すれば、これらの工具は一通り揃えられると思います。
トルク管理も重要
その他、クロスバイクやロードバイクのメンテナンスやカスタマイズの際に非常に重要なポイントになるのが、決められた締め付けトルク(締め付ける程度)を守ることです。各パーツで違った値が指定されているのでトルクレンチも必要になります。
工具はバラで購入した方が良い
自転車整備に必要な工具は工具セットを購入すると一通り揃いますが、個人的な経験からすると工具セットには不必要な工具も多く入っていますし、グレードも選べないので、必要な工具をその都度別々に購入するのが良いと思います。
僕は最初安い工具セットを購入しましたが、安い工具セットはそれなりの品質ですし、セットの中の工具の一つが壊れてしまって歯抜け状態になってしまいました。結局は必要な工具をその都度、必要な程度に応じて厳選して購入するのが良いという結論になりました。
ご参考までに、安物が多いですが、僕が当時買い揃えた工具について下記の記事で紹介しています。
もちろんメーカーにこだわったりしてPBやWeraなどの一流メーカーなどにするともっと数倍は必要になります。
しかしながら、工具については、自転車以外でも使うことがありますし、一生モノとも言えるので、男子の必須道具として工具ぐらいはしっかりとしたメーカーのものを揃えておいても良いのではないかと思います。
信頼できるメーカーの工具は精度が高いだけでなく、使いやすかったり、所有する喜びもありますから、それだけの価値はあると思います。
"https://escape.poo.tokyo/all-about-bicycle-tools/bicycle-maintenance-tool/
10速化・11速化は自分で作業しても安く済まない
自分で自転車の改造カスタマイズ、メンテナンスをすることのメリットの一つに「自分でやってしまえばお店に払う作業工賃が節約できる」という点があります。
お店に頼むと、コンポーネント一式交換の工賃は10,000円〜20,000円くらいが相場と聞きます。
さらにパーツの持ち込みを許可していないお店も多く、基本的にすべてのパーツはお店で揃えなくてはいけないので、パーツ代もインターネットの激安パーツ屋さんと比べると高くなります。
つまり自転車屋さんで作業をお願いすれば自分で作業を行うのと比べてトータルでは20,000円〜以上は高くなると思っておいて間違いないでしょう。
例えば、シマノのロード用コンポーネントの105のパーツ(総額6万円〜8万円程度)をインターネットで安く買うのとお店で買うのとでは、パーツ代だけでも1万円以上は差が出そうです。
安く済ませられるとは限らない
しかしながら、自分で作業を行えば工賃を節約できて安く改造カスタマイズできるかと言えばそういうわけでもありません。
マニュアル本の購入や、一度しか使わないような工具類も必要ですし、失敗したり間違えて買ってしまったパーツの買い直しも全部自己責任で負担することになります。
それらを考えると、お店に頼んだ場合でも差額分は相殺されるくらいは必要になってきます。しかも組み付けと調整には素人とプロとの差があるので、その後の調子や調整にも差が出て当然です。
なので「単にチューンナップした自転車に乗りたいだけ」であれば、自分で苦労して改造カスタマイズする必要はなく、自分がやりたい改造カスタマイズをお店に伝えて作業を丸投げした方がハッピーになれるでしょう。
逆に「今後も自転車に乗り続けて簡単なメンテナンスくらいは自分でやってみたい」と考えているのであれば、自分で作業してみるのも良いと思います。というかむしろオススメです。
工具は財産としてその後も活用出来ますし、自分で作業する事により自転車のことをよく理解出来るようになるので、その後の自転車ライフは大きく違ってくるはずです。
ミスをしてパーツを破損した場合
シマノ製品はパーツ内部の部品を壊しても部品単位で注文できる
Photo via:http://si.shimano.com/
シマノ製品のパーツは個々の部品(スモールパーツ)での注文が可能なので、もしも作業ミスなどで壊してしまっても壊れた部品だけ取り寄せれば良いのです安心です。
例えば、クランクセットはチェーンリングや左右のクランクなどいろいろな部品で構成されるわけですが、それらのパーツをそれぞれ個別で注文することができるのです。
つまり丸ごと買うよりは安く済むというわけで、作業ミスでパーツを壊してしまったときにも非常に助かりました。
とは言いつつも余分な出費ですし時間もロスしてしまうので、集中力が持続しなくなれば適度な休憩を挟みつつ作業をするのが良いでしょう。
クロスバイクを8速から10速化・11速化してみるのまとめ
クロスバイクのコンポーネントを8速から10速化・11速化するための準備や心構えやのポイントをまとめてみました。
スポーツバイクのコンポーネントの交換は難しそうに思えますが、実際にやってみると自転車の構造は想像以上にシンプルで作業自体も単純で驚くと思います。
なので、少々間違っても。作業をやり直せば良いだけなので、失敗を恐れずに作業すればなんとかなるはずです。特に自転車に詳しくななりたい人はチャレンジする価値があると思います。
実際問題で僕は多くの失敗をして時間とお金を無駄にしましたしその時は「お店に頼めば良かった」と後悔もしました。
しかし、曲がりなりにも自分自身で作業を完遂してみると、作業に取りかかる前と後では自転車の仕組みについての理解の度合いは全く変わりましたし、自転車に対する未知の恐さや不安のほとんどが無くなりました。
とは言いつつも、初めての作業や慣れない作業は全ての作業において力加減や程度が分からないので慎重になり過ぎたりして必要以上に神経を使うので、非常に疲れる作業になると思います。作業自体というよりもその緊張感が一番しんどいかもしれません。僕自身も精神的にかなり疲れました。
逆を言うと、初めての作業の不安や緊張を一度経験してしまえばそれ以降の作業のハードルは一気に下がって気軽なものになると思います。マニュアルやメンテナンスブックをきちんと読み、集中して1つ1つの作業を慌てず行なえば誰にでも出来る作業ですからなおさらです。
最後に、作業を失敗しないための最大のポイントは一気に作業をしようとは思わず、1つの作業ごとに休憩を取るくらいののんびりしたペースで一つ一つの作業内容をしっかり行うことだと思います。事前に軽くシュミレーションしてからおこなうくらいの気持ちで臨めばかなり失敗は減らせるものと思います。
そんなわけでクロスバイクの改造カスタマイズに興味があり「自分自身で何でもできるようになりたい!」と思う方は是非ともチャレンジしてみることをおすすめします。それによって新しい自転車の世界が開けるのは間違いないからです。