クロスバイクをブルホーン化するために必要なパーツを揃えたらいよいよ作業開始です。買い揃えたパーツについては下記の記事でまとめていますので参考にしてください。
クロスバイクのブルホーン化はどういった仕様にするかで作業内容も変わると思います。この記事の作業内容は、既存のブレーキレバーやシフトレバーは使用せず、全て交換するブルホーン化の内容になります。
クロスバイクのブルホーン化についての総合的な記事は下記にまとめているので参考にしてください。
下記にはザックリとした作業の手順など、実際に僕がクロスバイクをブルホーン化するために行なった作業をまとめていますが、実際の作業などについては、メンテナンスブックやパーツに付属している説明書などを参照しながら行なわれることをお勧めします。
またメンテナンスブックは1冊では作業内容が把握出来ない場合もあるので、複数冊を参照しながら行なうと捗ると思います。
ちなみに僕が参照したのはロードバイクメンテナンスブック シマノ編です。基本的にはロードバイク用のメンテンナンスブックですが、一番の難所となるブレーキやシフトのケーブルの調整方法などが写真入りで詳しく解説されているので大変参考になります。
クロスバイクをブルホーン化する方法と手順
手順1:ケーブル類をカットする
ブレーキレバーとシフトレバーを交換するので、まずはブレーキやシフターに張られているケーブル類をカットして、取り外せるようにします。
カットしたケーブル類は基本的にゴミになりますが、同じセットアップの場合、ケーブル類は同じ長さで調整することになるので、アウターケーブルは保管しておくと、再びフラットバーハンドルに戻す際に、元のケーブルの長さの参考にすることができます。
また、全ての作業に言えることですが、作業前の状態の写真を何枚か撮影しておくと、もしも作業方法や元の状態が分からなくなった時にも復旧しやすくなりますから、作業に入る前は必ず写真を撮っておくと良いと思います。
必要な工具
手順2:ハンドルを外す
ケーブル類を切断した後は、ステムごとハンドルが取り外せるようになります。ステムを再利用する場合はステムはコラムに付けたままでハンドル側を外せば良いと思います。
僕の場合は、ステムも交換したのでステムごと取り外しました。
ハドルのクランプ径とステムの関係
クロスバイクに採用されているステムとハンドルを接合スル部分のサイズは25.5mmが標準サイズですが、今回僕が選択したブルホーンバーのクランプ径がロードバイクなどで採用されることの多いドロップハンドルの標準サイズである31.8mmと同じタイプなので、ステムも31.8mmに対応したものを新たに購入したからです。
つまりクランプ径が25.5mmのブルホーンバーを選択している場合はステムを交換する必要はありません。
クランプ径についての情報は下記にまとめてありますので参考にしてください。
必要な工具
手順3:ブルホーンバーを取り付ける
ステムとブルホーンバーを取り付けます。角度と位置は後で調整はできますがある程度は最終的な位置を考えて取り付けするようにしましょう。
角度はブルホーンバーのフラットな部分が地面に対して水平になるように取付けるのが基本とは思いますが、ポジションや乗り心地の問題もあるので、実際に乗りながら微調整することになります。
ハンドルによっては目盛りがあるのでそれを参考にして水平出しとセンター出しを行なえば良いと思います。
手順4:ブレーキアウターケーブルをブルホーンバーに通す
多くのブルホーンバーにはブレーキケーブルやシフトケーブルを通すための穴が空いています。まずはそこからブレーキ用のアウターケーブルを突っ込んでバーの先端へ出します。(ブルホーンバーの先端にはエアブレーキと呼ばれるブレーキを取り付ける使用のため。シフトレバーをブルホーンバーの先端の取り付ける場合はシフト用のアウターケーブルを差し込んでください。)
先にブルホーンバーの先端にブレーキレバーを取り付けてからでも作業は出来ますが、インナーケーブルを通す際に苦労することになります。先にアウターケーブルを通しておいた方が良いでしょう。
ブレーキレバーを取り付ける前に、アウターケーブルの長さを確認して調節します。
アウターケーブルの長さの確認は、ハンドルからフレームまでの間に実際にケーブルを這わせる通りに這わせて、ビニールで仮止めすることで把握できます。
手順5:ブレーキインナーワイヤーを通す
ブレーキレバーの先からブレーキインナーワイヤーを差し込みます。ブレーキインナーワーヤーのエンドに付いているタイコがブレーキレバーに引っ掛かるように差し込んでください。
ブレーキインナーワーヤーをブレーキレバーに差し込んだら、手順4でブルホーンバーに差し込んだブレーキアウターワイヤーに差し込んで通します。
手順6:ブレーキレバーを取り付ける
ブレーキレバーをブルホーンバー取り付けます。
僕がブルホーンバーに取り付けようとしたのはプロファイルデザインのエアブレーキバーですが、取り付け方法が書かれたマニュアルが入っておらず、取り付け方が判らずに躓いてしまったので、少しだけ詳しく解説しておきます。
エアロブレーキがブルホーンハンドルに差し込めない場合
エアブレーキをブルホーンバーにに差し込めない理由は、ブレーキ本体の差し込み軸をよく見ると、差し込む部分のパーツがズレていています。この段差がハンドルバーに差し込む際につっかえてしまって差し込めないのです。
欠陥商品かと思いましたが、実はこれで正しい状態です。
差し込軸の段差をなくす方法
エアブレーキの差し込み軸の段差をなくす方法は、ブレーキレバー正面にある2つの穴のうち、下側の穴の奥にあるボルトを六角レンチで回転させることでなくせます。
反時計回りにボルトを回転させると差し込み軸の段差がなくなりました。逆に時計回りにボルトを締め付けると段差が大きくなった状態で固定されます。
この機構により取り付け部分にネジ切りをしていなくても、ブレーキレバーをブルホーンバーに固定できるようになっています。コラムヘッドを固定するパーツでも使用される機構です。
アウターケーブルとブレーキレバーを接続してから、ブレーキレバーをブルホーンバーに差し込んで仮止めします。
アウターケーブルはハンドルに添わせてビニールテープなどで仮止めしておきますが、現段階ではあくまで仮組みの状態なのでアウターケーブルは長さの調節のために何度か抜き差しする必要があるので少し長めにした状態にしておきます。
プロファイルデザイン (Profile Design) 3/One AL (アルミ) ブレーキレバー ブラックロゴ ACTO1-1
手順7:ケーブルアジャスタSM-CB90を取り付ける
エアロブレーキにはワイヤーを調整するアジャスターボルトが無いので、そのまま使用すると調整が難しくなったり、Vブレーキの解放ができなくなったりするため、ブレーキケーブルアジャスターを前後ブレーキ両方の間に挟む必要があります。
フラットバー用のブレーキレバーにはブレーキ側にワイヤーのテンションを微調整できるアジャスタがあるのですが、ブルホーンバーに使用するエアロブレーキや補助ブレーキにはアジャスタが無いからです。というのもエアブレーキが使用されることが想定されていると思われるキャリパーブレーキなどはブレーキ本体の方にアジャスターが備わっているので、ブレーキレバー側には必要ないためです。
そこで、SM-CB90などのアジャスタを使うとワイヤーの張り具合の微調整ができ、楽に調整ができるようになります。
SM-CB90はクイックレリーズ機構を備えたアジャスターです。調整を楽にするだけの目的であれば、その他のシンプルなアジャスターで問題ないのですが、今回はブレーキを楽に解放できるようにしたかったため、クイックレリーズ機構のあるSMCB90を選択しました。
ブレーキケーブルアジャスターの取り付け方
ブレーキケーブルアジャスターの取り付け方はインナーケーブルをアジャスタの内側に通して、アウターケーブルでアジャスタをサンドする形になります。
つまり、インナーケーブルが串、アウターケーブルが鶏肉、アジャスタがネギと考えると、串に刺した鶏肉でネギを挟む感じです。
それなりに存在感のあるパーツなので、取り付け位置を間違うと目立ってしまうため、取り付け前にはどのあたりにセットされるかを考えた方が良いと思います。
シマノ(SHIMANO) ケーブルアジャスター SM-CB90 クイックレリーズ機能付(1個入り) ブレーキ用 ISMCB90
手順8:ブレーキ調整
アウターケーブルの長さの調整が済んだら、インナーケーブルを元々張られていたように張り直します。
ブレーキの調整方法などは、他のサイトやメンテナンスブックを見ればいくらでも解説されているので省略しますが、エアロブレーキレバーはVブレーキ用のブレーキレバーとは違い、レバーの引き量が少ないため、調整が少しシビアになります。
メーカーに確認しても、ミニVブレーキとの互換性を持たせるためには、手順7で出て来たブレーキケーブルアジャスターを使用するべきとの回答を貰っています。
そんなわけでブレーキケーブルアジャスター使いつつ微調整を繰り返します。
手順9:サムシフターの取り付け
僕が選択したブルホーンバーのグリップ部分の外径は23.8mmなので、その径に対応しているサムシフターであるダイアコンペ ENE サムシフターを選択しました。
ダイアコンペ ENE サムシフターの取付金具は26mmなのでそのまま取り付けることはできません。1cmほどの長さのパイプが半分にカットされたような金具が付属品として付いているので、取り付けの際にはハンドルにこの金具を使用して23.8mm/22.2mm固定します。
各サイズ4つ入っているので、2対がセットかと思いましたが、2対で取り付けようとするとかなり無理があります。どうやら左右それぞれ1つを使用して固定するようです。
サムシフターの取り付け位置
サムシフターを固定する位置はブルホーンバーの先端にしました。自転車で走行中の基本となる手のポジションはブレーキ位置になるので、シフトレバーはブレーキの近くにあったほが同時に操作できるので実用的なのです。
ディズナから発売されているレバーハンドルマウントとWレバーとの組み合わせならDURA-ACE バーエンドシフトレバーも似たようなポジションでの取り付けができると思います。
手順10:サムシフターの調整
ダイアコンペのENEサムシフターはフリクション(無段切り替え)なので、インデックス式と比べると調整が非常に楽です。
フロントディレイラーへのシフトワイヤーの取付け
まずはフロントディレイラーを取り付けます。基本的な取り回しはブルホーンバーでもフラットバーでも同じですから、事前に取り付けられていた状態と同じようにすれば良いだけです。
フロントディレイラー用のシフトワイヤーをできるだけ張った状態でフロントディレイラーに固定します。その状態でシフトレバーを倒すことで大きなチェーンリングから小さなチェーンリングへチェーンが移動するようになります。
シフトレバーの固定
サムシフターはそのままの状態ではシフトレバーが固定されないため、ワイヤーを張ると巻き上げたワイヤーが元に戻ってしまいます。シフトレバーがきちんと固定されるようにするためには、レバーに付いているDカンを時計回りに締めることで固定ができるようになります。
リアディレイラーの取付け
リアディレイラーの調整はギアをトップ(一番小さいギア)に合わせてシフトワイヤーををピンと張った状態でディレイラーに固定します。
その状態でレバーをチキチキと押し上げていくとシフトチェンジができるようになります。レバーを押し上げるとシフトダウンするので、ローギアになるまでレバーを押し上げてから、その位置を起点にしてワイヤーを張るようにします。
そうすることで、ローギアに戻す際には、レバーを単純に元の位置まで押し込めば良いだけなので、どのギアで走っているかが把握しやすくなります。
インデックス方式のシフトレバーのような細かい設定は必要なく、ケーブルを張って固定するだけの作業なので、あっけないほど簡単に調整作業が終了します。
手順11:バーテープを巻く
バーテープの巻き方もメンテナンスブックなどでは必ず解説されているのでここでの説明は端折りますが、1/3程度が重なるようにグルグルと巻き付けていくだけです。巻き幅に多少のムラがあってもほとんど気にならないと思うので、あまり細かい部分を気にしなくても良いと思います。
バーテープを巻くことでケーブル類がバラけることもありませんし、見た目もよりスポーティな印象になって素敵だと思います。
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以上でクロスバイクのハンドルをブルホーンバーに交換する作業はほぼ終了となります。
後はは実走してそれぞれのパーツの位置を扱いやすい場所に移動させたり、使用しているうちにワイヤーが伸びてくるのでシフトレバーやブレーキなどの微調整を行えば良いと思います。