僕が考える理想的な自転車ライフは、毎日無理なく自転車に乗り続けられることです。
そして、長く自転車を続けるには、無理なく生活の一部に自転車を組み込むことが最も大切だと思います。でないと続けられません。
現在の僕の環境では、自転車に乗れる時間は仕事終わりの夜遅くか早朝しかなく、自転車以外にもやらなければいけないことがたくさんあるため、時間を捻出するのはなかなか大変です。
しかし、毎日の通勤に自転車を使う「自転車通勤」は、無理なく日常生活に自転車に乗る時間を取り入れられる理想的な方法です。
なので、少しでも自転車に乗る時間を増やすためには、自転車通勤を始めたいところですが、自転車通勤を実行するためにはいくつかの条件が必要だったりします。
この記事では、自転車通勤を始めるために知っておくべきこと、具体的には自転車通勤のメリット・デメリットや、続けるために必要な条件、準備すべきものなどをまとめています。
自転車通勤なら毎日たくさん自転車に乗れる
毎日欠かさず自転車に乗りたいと考えるなら、自転車を生活の中に組み込んでしまうのが最も良い方法です。
自転車通勤ができれば、通勤時間を自転車の時間に変えられますし、ほぼ毎日乗ることになりますから、プライベートな時間に、自転車に乗るための時間を捻出しなくてもよくなります。
なので、もしも自転車通気ができるような環境にあるのであれば、自転車通勤をするのが最もベストな選択だと言えます。
自転車通勤のメリットとデメリット
自転車通勤のメリット
自転車通勤には多くのメリットがあります。
● ラッシュアワーの満員電車に揉まれる苦痛から解放される
● 通勤時間がそのまま運動時間になる
● 仕事終わりに好きな場所に気ままに立ち寄れる
● 電車の時間を気にせずに済む(終電などを気にしなくて良い)
つまり、自転車通勤は時間の自由度が増え、健康も促進でき、日常のストレスを減らせる通勤方法と言えます。
自転車通勤のデメリット
一方で、自転車通勤にはデメリットもあります。
● 自転車に乗っている間は基本的に自転車に集中しなければならず、他のことはできない
● 汗をかくため、シャワーや着替えの問題がある
● パンクなどのトラブルによる遅刻のリスクがある
例えば電車通勤では音楽を聴いたり読書、勉強ができますし、座れれば仮眠も取れますが、自転車通勤ではそうしたことができません。
僕の場合は電車の時間を学習や休息に使っているため、なかなかこの部分を手放せていません。
また電車遅延は不可抗力として許されることが多いですが、自転車トラブルは自己責任とされがちです。
このように、自転車通勤はメリットだけでなく、注意すべきポイントもあります。
自転車通勤をするには自転車の保管場所が必要
安心して自転車を保管できる場所が必要
自転車通勤をするためには、職場で自転車を駐輪する場所を確保しなければなりません。
駐輪場所の問題は意外と大きく、会社の敷地内に駐輪できれば良いですが、そうでない場合は近隣の駐輪場を契約する必要が出てきます。
また、目の届かない場所に長時間駐輪するのは盗難やいたずらが心配です。
屋外駐輪場であれば、急な雨に降られて自転車が濡れてしまうこともあります。
個人的には雨ざらしになるのは避けたいので、少なくとも雨だけは防げる場所に置きたいですし、盗難の心配がない場所で保管できる環境でないと不安です。
● 雨風をしのげる場所が望ましい
● 盗難リスクのない場所が望ましい
会社と交渉しながら自転車通勤環境を整えることも大切
幸い僕の勤める会社は自転車通勤に理解があり、社屋内に自転車ラックが設置されているため、急な天候変化や盗難リスクを気にせず自転車通勤ができる恵まれた環境です。
しかし最初からそうだったわけではなく、自転車通勤はあまり推奨されていませんでした。
自転車ブームの波でクロスバイクやロードバイクに乗る社員が増えたことで、会社側も自転車通勤に理解を示すようになりました。
その流れで社内に自転車愛好会ができ、責任者もロードバイク愛好家となったことで社屋内に自転車ラックが設置され、今の環境が整いました。
恥ずかしながら勤務先が小規模な会社だったというのも、経営者の判断次第で柔軟に対応できたという部分もありますが、どんな環境にせよ、計画を立てて少しずつ会社を説得し環境を改善していくのも有効な方法だと思います。
自転車通勤と着替えの問題
更衣場所を確保する
自転車通勤は運動と同じなので汗をかきます。
冬でもそれなりに汗をかき、夏はかなり汗をかくことを覚悟しなければいけません。
そのため、会社に着いたらまず着替えをする必要があります。
シャワールームがあれば最高ですが、そうした設備がある会社は少ないでしょう。
一般的にはトイレの個室で着替える人が多いようです。
トイレの個室に入って濡らしたタオルで汗を拭き取り、着替えることで更衣問題は一応解決できる場合が多いです。
シャワー設備を備えた駐輪場もある
職場にシャワールームがある人は稀ですが、都内ではジョギングなどの朝活が盛んなこともあり、シャワーが使える施設も増えています。
自転車利用者向けにシャワー付きの駐輪場も存在します。
シャワー付き駐輪場の例(東京都内)
● HIBIYA RIDE(千代田区)
● MARUNOUCHI Bike&Run(千代田区)
● The Space(横浜)
職場の近くにこうしたサービスがあれば利用を検討するのも良いでしょう。
自転車通勤と時間の問題
自転車通勤は意外と時間が必要
自転車通勤をする際に重要なのは、自宅から会社までの距離です。
遠すぎず近すぎず、ちょうど良い距離が理想的です。
例えば、僕の自宅から会社までは片道27km。
数字だけ見ると「余裕じゃん!」と思う方もいるかもしれませんが、都心を走る場合は信号が多く、想像以上に時間がかかります。
ロードバイクなら慣れれば時速30kmほど出せますし、僕のクロスバイクでも普通に時速27kmは出せます。単純計算で1時間程度で着きそうですが、実際は信号待ちなどで2時間程度、速くても1時間40分〜50分はかかります。
都心の信号待ちが大きな時間ロスに
都心や市街地には信号が非常に多く、どんなに運が良くても10回以上は信号で止まります。
僕のルートには60以上の信号があり、無理に信号を無視しない限り足止めは避けられません。
特に大きな道路の信号で数分待たされることもあり、トータルで20〜30分程度の信号待ち時間が発生します。
市街地は平均速度も落ちる
信号待ちや停車が多いため、平均速度は時速21km程度に落ち、27kmの距離でも2時間程度かかってしまいます。
これは速い遅いにかかわらず、市街地の特性によるものです。
市街地では急いでも時間があまり変わらないという点は下記の記事で詳しく解説しています。
パンクなどのトラブルや着替えにも対応できる余裕が必要
途中でパンクなどトラブルが起きる可能性もあり、その場合10〜15分のロスは見込む必要があります。
さらに会社に着いてからの着替え時間も含めると、自転車に乗る時間に加えて30分程度の余裕を見ておくことが重要です。
そうなると、僕の場合、始業時間の2時間20分前には家を出る計算になります。
他の通勤手段との所要時間比較が重要
通勤時間の長さよりも「最短で行ける手段」がカギ
通勤時間が2時間20分と長いのは人それぞれですが、大事なのは「どの手段が一番時間がかからないか」です。
僕の場合、電車なら1時間、自転車なら2時間20分かかります。
電車の方が圧倒的に速いので、自転車通勤を毎日続けるのは現実的ではありません。
自転車通勤が「最も速い」なら続ける価値あり
自転車通勤は、他の通勤手段よりも圧倒的に速くないと続けるのが厳しいです。
なぜなら、自転車に乗っている間は「自転車に乗ることしかできない」からです。
電車なら通勤時間に読書や勉強、睡眠ができますが、自転車はそれらの時間を捨てることになります。
つまり、自転車通勤の最大のメリットは「時短」であり、それができなければ時間を犠牲にすることになるのです。
自転車通勤の最適な距離は10km~15km
無理なく自転車通勤できる距離は一般的に10〜15kmと言われています。
この距離なら30〜40分程度で到着でき、体力的にも時間的にも余裕を持って通勤が可能です。
詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
自転車の方が電車より速いって有り得るの?
自宅や会社が駅から遠かったり、乗り継ぎが悪い場合は自転車の方が速いこともあります。
僕が以前住んでいた場所は自転車で約13kmの距離で30分程度でしたが、電車だと乗り継ぎが2回あり、約1時間かかりました。
こうしたケースなら、自転車通勤の価値は非常に高いと言えます。
自転車通勤を念頭におくと、住居選びは「幹線道路沿い」を意識すると良い
自転車通勤を基準にして考えるなら、駅だけでなく幹線道路沿いを基準に住居を選ぶのがおすすめです。
電車だと会社までのアクセスは悪くても自転車なら通いやすい場所は多くあります。
駅から遠ければ家賃が安くなりますし、悪いことばかりでは無いのです。
自転車通勤の雨対策を考える
ディスクブレーキ仕様の自転車がおすすめ!
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクでは、基本的に雨の日に乗る人は少ないです。
その理由は単純に「濡れたくない」という気持ちのほかに、雨でブレーキの効きが悪くなり危険だからという点もあります。
例えば、ロードバイクのキャリパーブレーキやクロスバイクのVブレーキは、雨に濡れると制動力が驚くほど落ちてしまいます。
しかし、自転車通勤をする人の中には雨の日も乗ることを考えている方もいるでしょう。
そんな方には、ディスクブレーキ仕様の自転車をおすすめします。
以前はディスクブレーキは主にマウンテンバイクに装備されるもので少数派でしたが、グラベルロードの普及やロードレースでの正式採用をきっかけに、ロードバイクやクロスバイクでもディスクブレーキ搭載モデルが増えています。
ディスクブレーキは雨の日でも制動力が落ちにくいため、通勤用自転車を選ぶなら、ディスクブレーキ仕様のモデルが賢明な選択です。
僕がクロスバイクを購入した頃はディスクブレーキ仕様のモデルは非常に少なかったですが、2025年現在ではロードバイクもクロスバイクもディスクブレーキが主流になっていますからね。
レインウェアやレインカバーも準備しよう
雨の日に自転車通勤や通学を続けるなら、レインウェアやリュック・鞄用のレインカバーも欠かせません。
最近は自転車用にデザインされたオシャレなレインウェアが多く販売されているので、好みに合ったものを選べば間違いありません。
個人的に注目したのは、ある展示会で見かけた「トキワ」という会社のレインウェア。
自転車での使用を前提に作られていて、とても良さそうでした。
また、バッグの雨対策としてレインカバーも必要です。
レインカバーの選び方やおすすめモデルについては以下の記事でレビューしていますので、ぜひ参考にしてください。
[ミズノ] アウトドア ベルグテックEXストームセイバーVレインスーツ レインウェア A2JG4A01 メンズ ブルー L
雨の日に乗らない場合の通勤手段も考えておく
ロスバイクやロードバイクは雨の日には乗りたくないという人が多いです。
雨に濡れるとサビの原因になったり、その後のメンテナンスが面倒になるからです。
また、雨の日はブレーキの制動力が落ちたり、視界も悪くなるため、晴れた日に比べて非常に危険な状況になります。
そのため、安全面や手間を考えて雨の日は自転車に乗らないという選択をする人も多いです。
雨の日に備えて、駅や会社までの自転車以外の交通手段もあらかじめ考えておくことが重要です。
バスや電車を利用した場合の所要時間を把握しておけば、急な雨でも慌てずに対応できます。
通勤中の急な雨は天気予報と雨雲レーダーをチェックする
Photo via:http://www.tenki.jp/map/
自転車通勤や通学は天気の影響を強く受けるため、毎日の天気予報チェックは欠かせません。朝は晴れていても夕方から雨が降ることはよくありますから、天気予報をこまめに確認しましょう。
また、雨が断続的に降る場合は、雨が降っている間は建物の中で雨宿りし、止んだ隙を狙って移動するのも有効です。
気象庁が提供する豪雨レーダーのような雨雲の動きをリアルタイムで確認できるサービスを利用すると、今後の雨の状況を予測しやすくなります。
特にゲリラ豪雨などの急な雨に遭った時は、雨雲レーダーを活用して安全な場所で雨脚が弱まるのを待つと良いでしょう。
僕が普段使っているスマホアプリは「Yahoo!天気」です。現在地の詳細な天気や1時間ごとの予報、雨雲レーダーが確認でき、雨雲が近づくとアラート通知もしてくれるため、雨対策に非常に便利です。
参考 Yahoo!天気|iTunes
参考Yahoo!天気|Google Play
自転車通勤を快適にするサイクルグッズ
自転車通勤や通学を快適にするために、ぜひ揃えておきたいアイテムがあります。
中でも特におすすめしたいのが、サイクルコンピューターと必須のライトです。
サイクルコンピューター
サイクルコンピューターは、速度を測るスピードメーターとしての役割がメインですが、時計代わりにも使え、走行距離を確認しながらペース配分を管理できます。
例えばクロスバイクの場合、1kmあたり約3〜4分が目安になります。
サイクルコンピューターを使えば、目的地までの所要時間を計算しやすく、時間に合わせて走る通勤にはとても役立ちます。
自転車通勤において、サイクルコンピューターは時計やタイムキーパーとして必須のアイテムと言えるでしょう。
最近はスマートフォンと連携できるモデルも増えており、走行ログや各種データを一元管理できるのが魅力です。
また、サイクルコンピューターの代わりにスマートウォッチを使うという選択肢もありますので、ご自身のスタイルに合わせて検討してみてください。
サイクルコンピューターの選び方については、以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
明るい自転車ライト
自転車通勤は夜間の走行もあるため、自転車ライトは必須アイテムです。
ライトの役割は、暗い路面を照らすだけでなく、自分の存在を車や歩行者に知らせることにもあります。
明るさが十分であれば、視認性が向上し、路面をしっかり照らせるため安全性が高まります。特に車からも早く認識してもらえるため、明るいライトを選ぶことは重要です。
個人的な目安として、市街地なら300ルーメン程度、街灯の少ない郊外なら600ルーメン程度の明るさがあれば十分だと感じています。
自転車ライトの必要な明るさの目安
● 100ルーメン以下: 繁華街などの明るい場所
● 200ルーメン以下: 市街地
● 300-500ルーメン: 郊外の幹線道路など
● 600-1000ルーメン: 郊外の暗い道
● 1100ルーメン以上: 田舎道
最近では1000ルーメンを超えるような非常に明るいライトも増えてきており、充電式バッテリーを採用したモデルが多いため、デザインもスタイリッシュでおしゃれなものが多くなっています。
下記の記事では700ルーメン以上の明るさを持つおすすめの自転車用ライトをリストアップしてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
自転車通勤のススメ
自転車通勤を始めると、「自転車って最高!」と感じられるような良いことがたくさんありますが、一方で少し煩わしく感じることも出てきます。
そういった面も含めてバランスを取りながら続けられるようになると、飛躍的に自転車に乗る時間や距離を増やすことができます。
例えば、片道15kmの道を毎日通勤すると、往復30kmを毎日走ることになります。
月に15日自転車通勤ができれば、それだけで毎月450km走る計算です。
ですから、少しでも自転車に乗る時間を増やしたい方は、自転車通勤を検討してみる価値が十分にあります。
特にダイエットや運動目的での自転車通勤は非常に有効です。
通勤時間を運動時間に置き換えられ、実際に自転車通勤を始めた人は確実に体重が減るなど、その効果は大きいです。
また、コメント欄で「職種」も自転車通勤に影響するという声がありました。
デスクワークの方には運動不足解消として魅力的ですが、肉体労働の方には体力を消耗しすぎると感じる場合もあるようです。
これは「自転車通勤あるある」かもしれませんね。
とにかく、上手く生活に組み込めれば、自転車通勤ほど自転車に乗る時間を増やせる方法は他にありません。
迷っている方は、まずは具体的な計画を立ててみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
OGK KABUTO(オージーケーカブト) 自転車 ヘルメット キャンバスアーバン M/L (57-59㎝) マットグレー JCF推奨