自転車が嫌いです。
路上に放置されている自転車が嫌いです。
盗難された自転車が放置されたりとか、持ち主が要らなくなって捨てたとか、ちょっとした買い物だからとか、街なかの放置自転車には、放置してある理由がそれぞれあるのでしょうが「放置自転車なんて無くなってしまえば良いのに」と思います。
自転車の無い街は美しい
自転車が放置された景観は美しくない
「放置自転車のある街並は、どうしてあんなにゴチャゴチャと見えてしまうのか」と思うことがあります。
例えば、路上に放置されてある自転車、駅前の駐輪場に停められた大量の自転車、もしもそれらが無かったら、街並はきっと随分綺麗に見えるはずです。
昔から感じていたことではあるのですが、先日中国を訪問した際に、自転車で溢れた街並を見て「あぁ、やっぱり街中の風景には自転車は要らないな」と改めて思ったのでした。
中国なんかは、いわゆるシェアバイクが普及しているので、街のあちこちにシェアバイクが放置されていて、景観を大きく損ねています。
上記の写真は、中国の深センに行った際に撮影したものですが、派手な色のシェアバイクが街のあちこちに放置されているのです。
放置自転車がなくなるだけで景観が美しくなる
上の写真はアメリカ、ラスベガスのストリップ通りです。
繁華街ではありますが、車社会なので自転車に乗っている人自体がほとんど居ないこともあり、これだけ広い歩道にも関わらず、自転車は一台も停められていません。
もちろん雰囲気の差もありますし、自転車のある風景はアジア的と言えばアジア的な風景ではあるのですが、自転車がなければこんな感じで、随分とスッキリとした景観になるというような一例です。
放置自転車の問題
日本でも、街を歩いていて気になるのが放置自転車です。
放置自転車のある景色が半ば当たり前になっていて、麻痺している感もあるわけですが、多いですよね、放置自転車。
放置自転車は、街の景観を損ねているのはもちろんですが、通行の妨げになったり、放置自転車の撤去や保管などでも無駄にコストが掛かるなど、都市部では社会問題にもなっています。
通行の妨げになる
放置自転車の一番の問題として、放置自転車は必然的に利用者の多い駅前や商店街などに集中します。
そのため、人が多い場所ほど、放置自転車の問題が大きくなります。
例えば、歩道が放置自転車で占拠されたりすることで、歩行者が歩けなくなったり、点字ブロックを塞いでしまったり、時には救急車や消防車などの緊急車両等が入れなくなるなど、通行の妨げになるのです。
撤去しても保管量・処理費用がかかる
放置自転車の対応策として、強制撤去などが行なわれたりします。
しかし、返却手続きに手数料が必要なため、取りに来ずに新しい自転車を購入したりする人も多いようです。
現状として、撤去された自転車の半分程度しか返却されないような状態があるようです。
もちろん、無料で撤去、保管が出来るわけではなく、撤去費用、保管費用、処分費用などで、放置自転車対策では多くの税金が遣われています。
放置自転車とは
そもそも放置自転車とは何なのか?
一般的に放置自転車と言えば、盗まれた自転車が乗り捨てされたり、自転車が必要なくなった持ち主が不法投棄したりするなどで、長期間、街なかに放置されているような自転車をイメージするかと思います。
確かにそれも間違いではないのですが、自転車は軽車両という点で考えれば、歩道では車両の駐車は禁止されているわけですから、基本的には歩道のどこにも自転車は放置してはいけないということになります。
駐輪できるのは、駐輪場や店舗などその土地の所有者によって駐輪が許可された場所だけと考えるのが正しいようです。
なので、街を歩いていて普通に見かける買い物や食事ついでのちょっとした用事の際に停められた自転車も、放置自転車と言えるのかもしれません。
僕自身、クロスバイクに乗るようになり、いろいろと交通マナーについて考えるようになってから、このことに気がついたくらいですから、僕以外にも、このことを知らない人が沢山居るんじゃないかと思います。
僕が住んでいる地区のスーパーの前などでも、買い物ついでの放置自転車が多数見られます。
残念というか、不思議なのが、デカデカと「駐輪禁止」と書かれた看板の前に平気で駐輪して買い物に行ってしまう人たちも居るというところです。
自転車を駐輪するということに関して、交通ルールを犯していることや、それが他人の迷惑に繋がるというところまでは、なかなか意識が行かないのでしょう。
「駐輪禁止」の看板の前に駐輪してしまうような人などは理解に苦しみますが、自転車はその気になれば移動させることができるのと、子供から老人まで利用する身近な移動手段というところで、ある程度のルール違反やマナー違反は黙認されているような部分もあり、大抵の場合はルールをなんとなく知りつつも「ちょっとだけなら」と、甘えている部分もあるのかなと思います。
自転車は駐輪場に停めよう
その昔、買い物に行く為に自転車で吉祥寺まで行ったことがあります。
気になるお店があれば、「お店の前に自転車を適当に停めれば良い」というくらいの気持ちだったのですが、意外にも自転車が全く停まっていなくて驚きました。
その日は駐輪できるような場所を探してしばらく周辺をさまよいましたが、結局どこにも自転車が駐輪されていないので、駅前の駐輪場に駐輪してから目当てのお店まで歩いて行きました。
後になって知ったのですが、吉祥寺のある武蔵野市では、放置自転車対策にかなり積極的な取り組みをおこなっているようです。
例えば、吉祥寺駅周辺に自転車を放置しようものなら、すぐに撤去されてしまうくらいに徹底しています。
後からそのことを知った時「自転車を放置しなくて良かったな」と思ったものでした。
武蔵野市の方針として、警告無しにいきなり撤去してしまうという感じのようです。
一般的な自治体が行なうように、放置自転車の警告の印を放置自転車に付けて、数日後にまだ放置されていれば、ようやく撤去する、というような甘々対応ではないので、住人の人たちも意識するようになっているのではと思います。
要するに、やればできるんですよね。
そこまで厳しくすれば、放置自転車もなくなるという良い例かもしれません。
賛否両論はあるかもしれませんが、個人的には放置自転車に対しては、それくらいの処置をするのが良いんじゃないかと思います。
「割れ窓理論」と同じで、放置自転車が無ければ、路上に駐輪することに躊躇してしまいますから、放置自転車をしようとする人の数は減るはずです。
実際問題で、僕自身も、周囲に放置自転車が一台も無い状態を見て、「ここには駐輪してはいけないんだな」と察することができましたし、効果はあると思います。
大抵の場合は、駅周辺には駐輪場があるものですし、短時間なら無料の駐輪場も少なくありません。
「自転車は路上やお店の周辺に駐輪するものではなく駐輪場に停めるもの」というように、放置自転車に対しての意識を変えることができれば変わると思うのです。
路上喫煙などと同じで恥ずかしい行為として見られるようになれば、放置する人も減るでしょうし、快適で美しい環境が実現できると思うんですけどね。
自転車乗りの端くれとしましても、その点を強く意識して、どこであっても歩道への放置自転車はせずに、必ず駐輪場に駐輪するように心掛けようと思います。