Schaeffler社がe-Bike用チェーンレス電子ドライブシステム Free Driveを発表
e-Bike用チェーンレスドライブユニット
世界最大の自転車見本市であるEuro Bike 2021(021年9月1日~4日開催)で、Schaeffler社が、エンジンなどの開発をおこなうHeinzmann GmbH社と共同開発した、自転車用のチェーンレス電子ドライブシステムであるFree Driveを発表しました。
参考 Schaeffler presents chainless electric drive system “Free Drive” for bicycles
チェーンレス化による恩恵
Free Driveは発電部とモーター部を機械的に接続させなくても動作させられるシステム(フリー・ドライブ)です。
チェーンなどが不要になるため、クランクからホイールまでの距離を長くできないなどの構造的な制約がなくなり、自転車のフレームデザインに自由度が増して、今まで設計できなかったデザインの自転車が開発できるようになるなどの恩恵が得られるなどのメリットがあるようです。
上記写真のような屋台タイプの自転車のように、後輪とドライブユニットが離れた自転車でも実現ができますし、折り畳み自転車などもチェーンの制約がなくなれば、もっとコンパクトに折り畳めるような製品が出てくるかもしれません。
また、チェーンやギアなどの摩耗するパーツを省けるので、耐久性やメンテンナンス性においてもメリットがあるものと思われます。
発電機
クランク部分はには発電機が備わっていて、自転車のペダルを踏むことで発電され、発電したエネルギーを、自転車のハブモーターに伝えて走行エネルギーに変換することができるというものです。
さらに、余った電力はバッテリーに蓄電され、発電、電動アシスト、蓄電をしながら走行できる革新的なドライブユニットになっています。
電力はワイヤーなどで伝達されるため、チェーンなどの機械的な構造を省くことができます。
チェーンレス自転車といえば、シャフトドライブ式のHONBIKE、Drivenなどがありますが、機械的な接続は必要なので、チェーンレスではあるものの、チェーンから別の何かに置き換わっただけというところで、機械的に接続しているという部分では変わりがないのですが、Free Driveに関しては完全なるチェーンレスになるので、自転車のカタチを変えてしまうものになる可能性があります。
e-Bike用ドライブユニットの技術アピール
Free Driveの製品化はまだのようですが、自転車の見本市でこのような新しいシステムの発表をするのは、拡大しているe-Bikeのドライブユニットでのシェアの獲得する狙いが大きいものと思われます。
日本では電動アシスト自転車のドライブユニットと言えばヤマハ一択の状況ですが、海外ではBOSCHのシェアも大きいですし、覇権争いの一角にはHeinzmann GmbH社も居たりしてして、日本の市場よりは遥かに熾烈な競争が繰り広げられています。
自転車の設計においてチェーン部分は自由度の縛りになってしまう部分なので、そこを省くことができれば、今までになかったデザインの自転車を製造することもできるようになるでしょうから興味を示すメーカーはきっと多いのではと思います。
e-Bikeはチェーンレスに向かう?
実際問題で自転車のトラブルはパンクと、チェーン周りが多いので、チェーンレスになるだけでも、かなりトラブルを減らすことができそうな気がしますし、チェーンレス化のメリットは大きいと思われるので、将来的に自転車はチェーンレス化が進んでいくのではと思います。
ちなみに、2021年9月現在でもチェーンレス化されたe-Bikeはいくつかありますが、今後はもっと増えていくのではないでしょうか。
チェーンレス化されたe-Bikes
● JIVR
● Mando Footloose
● B.C Bikes OYO
Schaeffler社
シェフラー社はドイツに拠点を置く、自動車や航空宇宙産業用の軸受(シャシー)やトランスミッション、ベアリングなどの駆動系のパーツを製造するメーカーで、近年は自動運転などのエレクトロニクス分野にも参入して、eMobilityの開発にも力を注いでいます。
e-Bike市場への積極的な参入をしている
e-bike市場にも積極的に参入をしていて2016年には自転車版のオートマチック変速システムであるVELOMATICの発表もしています。
参考 VELOMATIC – Automatic Gearshift System
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