GIANT社のクロスバイクと言えば「ESCAPE R3」が定番中の定番ですが、ESCAPE R3に非常によく似たスペックで同価格帯の「CROSTAR(クロスター)」と「GRAVIER」と呼ばれるクロスバイクがあります。
ESCAPE R3とCROSTAR、GRAVIERのスペックはかなり近い感じなので、初心者にとってはどちらを選択した方が良いのかの判断が難しいのではないかと思います。
また、CROSTARは2016年まで販売されていたESCAPE Airと呼ばれるESCAPE R3の軽量化モデルが廃番になったタイミングの2017年から登場したため、実質ESCAPE Airの後継機などと言われることも多いモデルです。
GIANT社のクロスバイクESCAPE R3とCROSTARとGRAVIERの比較
スペック比較
ESCAPE R3(2023)とCROSTAR(2023)、GRAVIER(2023)の基本的なスペックの比較です。
ESCAPE R3(2023) | CROSTER(2023) | GRAVIER(2023) | |
---|---|---|---|
価格 | 79,200円 | 89,100円 | 79,200円 |
WEIGHT | 10.7kg(465mm) | 10.0kg(465mm) | 11.3kg(465mm) |
FRAME | ALUXX-Grade Aluminum OLD130mm | ALUXX-Grade Aluminum OLD130mm | ALUXX-Grade Aluminum OLD135mm |
FORK | Cr-mo | Aluminum | Cr-mo |
BBセット | VP BC73 110.5-68mm | VP BC73 110.5-68mm | VP BC73 110.5-68mm |
ギアクランク | PROWHEEL SWIFT 28/38/48T/CG 165mm(XS)、170mm(S、M) | PROWHEEL SWIFT 28/38/48T/CG 165mm(XS)、170mm(S、M) | PROWHEEL SWIFT 28/38/48T/CG 165mm(XS)、170mm(S、M)、175mm(L) |
チェーン | KMC Z8.3 | KMC Z8.3 | KMC Z8.3 |
F.ディレーラー | SHIMANO TY601 31.8 | SHIMANO TY606 31.8 | SHIMANO TY710 31.8 |
R.ディレーラー | SHIMANO ALTUS | SHIMANO ACERA | SHIMANO ALTUS |
シフター | SHIMANO EF500 8S | SHIMANO M315 8S | SHIMANO EF500 8S |
ブレーキセット | TEKTRO RX1 | TEKTRO RX1 | TEKTRO TB07AL |
ブレーキレバー | SHIMANO EF500 | TEKTRO CL520-RS | SHIMANO EF500 |
ギア | SHIMANO HG41 8S 11-32T | SHIMANO HG41 8S 11-32T | SHIMANO HG41 8S 11-32T |
ヘッドセット | JULONG セミカートリッジ | JULONG セミカートリッジ | JULONG セミカートリッジ |
ハンドルバー | Aluminum 25.4 520mm(XXS)、540mm(XS、S、M) | Aluminum 25.4 540mm | Aluminum 25.4 560mm(XS)、580mm(S、M、L) |
ハンドルステム | Aluminum 25.4 60mm(XXS)、 90mm(XS、S)、110mm(M) | Aluminum 25.4 90mm(XS、S)、110mm(M) | Aluminum 25.4 90mm(XS、S)、110mm(M、L) |
サドル | GIANT CONNECT COMFORT | GIANT CONNECT COMFORT | GIANT CONNECT COMFORT |
シートピラー | Aluminum 27.2x300mm | Aluminum 27.2x300mm | Aluminum 27.2x300mm(XS、S、M)、375mm(L) |
シートクランプ | Aluminum 31.8 QR | Aluminum 31.8 QR | Aluminum 31.8 QR |
ペダル | Aluminum CAGE | Aluminum CAGE | Aluminum CAGE |
ホイールセット | GIANT SPINFORCE LITE WheelSet F:24H R:28H | GIANT SPINFORCE LITE WheelSet F:24H R:28H | GIANT SPINFORCE XR WheelSet 28H |
スポーク | Stainless 14G | Stainless 14G | Stainless 14G |
タイヤ | GIANT ESCAPE R TIRE 700x30C | CST RECOURSE 700x30C | KENDA K-1082 27.5x1.75 |
チューブバルブ | 仏式バルブ | 仏式バルブ | 仏式バルブ |
付属品 | ベル | ベル | ベル |
TOP TUBE | 565 | 565 | 555 |
SEAT TUBE | 500 | 500 | 590 |
HEAD TUBE | 170 | 170 | 200 |
SEAT ANGLE | 74.0 | 72.5 | 73.0 |
HEAD ANGLE | 72.5 | 72.5 | 72.5 |
BB DROP | 67.0 | 70.0 | 65.0 |
WHEEL BASE | 1033 | 1015 | 1053 |
REAR CENTER | 430 | 425 | 430 |
GIANT社のクロスバイクESCAPE R3とCROSTARとGRAVIERの違い
上記のスペックを比較すると、基本的なスペックはほぼ同じですが、細かい部分で少しずつ差があることが判ります。
価格
ESCAPE R3およびGRAVIERよりも、CROSTARの方が9,900円高くなっています。
基本的なパーツ構成は、いずれも似たりよったりなので、フロントフォークの材質の違いが価格の違いになっているものと思われます。
CROSTARだけが、フロントフォークの材質としてアルミを選択しています。
重量
CROSTARは軽量化を意識したモデルということで、同価格帯の24速クロスバイクの中では最軽量を謳う10kg。ESCAPE R3との重量差は700gとなります。
GRAVIERは11.3kgなので、この3つのモデルの中では一番重たいですが、タイヤが太くてゴツいというのが一番の要素だと考えられます。
また、ESCAPE R3とGRAVIERがクロモリフォークなのに対して、CROSTARがアルミフォークという違いがあります。
ESCAPE R3のクロモリフォークの重量は約1.2kg程度だと思われ、クロモリよりもアルミの方が軽いので、アルミフォークにすることで、数百グラムの軽量化ができているものと思われます。
フォーク
ESCAPE R3とCROSTAR、GRAVIERのスペック上での一番の違いはフォークです。
素材がESCAPE R3はクロモリで先の曲がったベンドフォークなのに対して、CROSTARはアルミでストレートフォーク、GRAVIERはクロモリでストレートフォークになっています。
フォークの素材と形状の違いはいずれも乗り心地の違いになるので、ESCAPE R3とCORSTER、GRAVIERのいずれかを選ぶかにおいて重要なポイントになるでしょう。
クロモリとアルミの違い
クロモリとアルミでは、金属としての性格が違うので乗り心地にも差がでます。
● クロモリ
"しなり"があり路面からの振動を吸収してくれる。
乗り心地が良く疲れづらいため長距離向き。
● アルミ
振動吸収性が低い。
疲れやすくなるので長距離には不向き。
パワーロスが少ないため短距離でスピードを重視した場合に適している。
ベンドフォークとストレートフォークの違い
フォークの形状での乗り心地が変わります。
● ベンドフォーク
振動吸収性が高く乗り心地が良い。
● ストレートフォーク
剛性が高くなり振動が吸収されづらくなる。
トレイル値
フォークの形状の違いはトレイル値にも影響が出ます。
トレイル値が長いと直進安定性が増し、トレイル値が短いと操作性が良くなります。
トレイル値をざっくりと計算してみると
● ESCAPE R3は60mm程度
● CROSTARは75-90mm
となり、トレイル値の短いESCPAE R3は操作性が良く、トレイル値が長いCROSTARの方が直進安定性が高くなるものと思われます。
タイヤ
タイヤにも違いがありますが、ESCAPE RとCROSTARに装備されているタイヤは、それほど大きな違いはないんじゃないかと思います。
タイヤは軽量化を図りやすいパーツでもあるので、軽量化を狙った感じでCROSTARの方のタイヤが軽い可能性はあります。
また逆に、GRAVIERのタイヤは、しっかりしたタイヤなので、重量は重くなっていると思われます。
● GIANT ESCAPE R TIRE 700x30C
● CROSTAR CST RECOURSE 700x30C
● GRAVIER KENDA K-1082 27.5x1.75
ジオメトリ
ジオメトリの数値を確認すると、それぞれ少しずつですが特徴を出している印象です。
例えば、ホイールベースの長さですが、一般的にホイールベースが長いと走行安定性が高くなります。逆にホイールベースが短いと小回りが効かせられるようになります。
それぞれのホイールベースの長さを確認すると、CROSTAR < ESCAPE < GRAVIERとなっているので、COSTARは小回りを重視した自転車、GRAVIERは安定感を重視した自転車と言えそうです。
GIANT ESCAPE R3とCROSTARとGRAVIERの違いまとめ
ESCAPE R3とCROSTARとGRAVIERを選ぶなら?
GIANT ESCAPE R3とCROSTARとGRAVIERの違いをスペックからも、それぞれの自転車の特徴が伺い知れます。
街乗り派はCROSTAR
街乗り用途としてはCROSTARがおすすめです。
ストップ・アンド・ゴーが多く、街の中を自由に走ることを考えると、小回りが効いて、車重の軽いCROSTARが扱いやすいはずです。
ラフに乗りたいならCRAVIER
歩道道路と未舗装の道路のいずれでも乗りたいならGRAVIERがおすすめです。
ロードバイクではシクロクロスと呼ばれるジャンルのオフロード向きなロードバイクがありますが、立ち位置としてはGRAVIERも同じだと思います。
オンロード、オフロードともに走れて、少々ラフな乗り方ができる自転車です。
オールラウンダーなESCAPE
街乗りだけでなく、ポタリングなどで長距離のサイクリングも楽しんでみたい、と考えるのであればESCAPEがおすすめです。
定番中の定番のクロスバイクなので、オンロード、オフロードに関わらず、スポーツバイクを楽しむことのできるオールラウンダーなクロスバイクです。