
自転車の盗難は、誰にでも起こり得るものです。
特にロードバイクやクロスバイクは売却しやすく換金価値が高いため、狙われやすい傾向があり、日頃から、自転車を盗まれないように防犯対策をしておくことが重要です。
防犯意識を持っている人は多いと思いますが、実際にはにはプロの窃盗グループにかかると、どんなにしっかり施錠していても盗まれてしまうことがあります。
この記事では、自転車盗難情報サイトで公開されているデータをもとに、「盗まれやすい自転車の特徴」や「盗難被害を防ぐための現実的な対策」について考えてみたいと思います。
自転車盗難被害の情報
僕自身もロードバイクに乗るようになってから、ずっと気になっていたのが「盗難の実態」です。
ニュースやSNSでは「○○でロードが盗まれた」という話をよく見かけますが、実際にどんな状況で盗まれているのかを具体的に知る機会は、意外と少ないんですよね。
そこで今回は、実際の盗難データを調べてみました。
参考にしたのは、CSI 自転車特捜24時という自転車盗難情報サイト。
ここには盗難届が出された自転車の情報が多数登録されています。
今回はその中からロードバイクやクロスバイクに絞り、およそ100台分のデータを分析してみました。
自転車盗難被害に遭った際の施錠方法
1位:ワイヤーロック
2位:チェーン
3位:無施錠
4位:ブレードロック
5位:U字ロック
鍵別で考える自転車盗難防止対策
ワイヤーロック
使用者の数と被害者の数は比例する
ロードバイクやクロスバイクの被害例を集めると、被害に遭った自転車の約半数がワイヤーロックで施錠されていた、という結果になりました。
ここだけを見ると「ワイヤーロックは危険だ」と結論づけたくなりますが、少し注意が必要です。
ワイヤーロックは携帯性が高くフレームに巻いて持ち運べるため利用者が多く、利用者が多ければ被害件数も多くなる――という側面があるからです。
とはいえ「利用者が多いから安心」とも言えません。ワイヤーロックは便利さゆえに多用される分、被害報告の割合が大きく出やすい、という点は押さえておきましょう。
ワイヤーロックは切断されやすい
実際のところ、ワイヤーロックは**切断されやすい**のが弱点です。クルクル巻いてコンパクトに携帯できる反面、ボルトクリッパーやワイヤーカッターがあれば比較的短時間で切断できてしまいます。
泥棒の目線では、ワイヤーロックだけで施錠されている自転車は「ほぼ無施錠」と見なされることも少なくありません。
極太タイプでも「時間をかければ切れる」点は変わらないので、ワイヤーロックは単体で長時間放置する用途には向きません。短時間の駐輪時の補助や、別の強固な錠と組み合わせて使うのが現実的です。
ワイヤーロックの使用方法
ワイヤーロックは太ければ太いほど切断しにくくなる、というのは確かです。
ただし、「切れない」わけではなく、一度に切断できないだけで、時間をかければカ切断できてしまうのが現実です。
どれだけ極太タイプのワイヤーロックを使っていても、長時間の駐輪や屋外保管には向かないと言えるでしょ布。
プロの窃盗犯に狙われた場合、時間さえあれば簡単に切断されてしまいます。
なので、ワイヤーロックを使うなら「短時間で戻ってくる」シチュエーションが基本。
たとえば――
● コンビニに立ち寄る
● トイレに行く
● カフェで休憩する
といった、ほんの数分〜十数分の駐輪の場合に適した施錠方法と言えるでしょう。。
駐輪場や路上などでの長時間保管の場合は、メインの鍵とは別に地球ロックするためのサブとして使用するなどが良さそうです。
チェーンロック
ワイヤーロックに次いで、盗難被害に遭った件数が多かったのがチェーンロックです。
ワイヤーロックと同様に、使用している人が多い鍵でもあるので、盗難被害に遭った人の数が多いからといって、一概に盗まれ易い施錠方法とは言い切れません。
しかしながら、チェーンロックもワイヤーロックと同じく、切断しようと思えば簡単に切断できるそうなので、自転車泥棒の間ではチェーンロックは簡単に盗める方法として認識されているかもしれません。
チェーンロックの使用方法
チェーンロックの使い方も、基本的には短時間の駐輪向けです。
長時間保管の際は地球ロックするためのサブの施錠として使用して、メインは別の施錠方法を考えるということが肝心かもしれません。
無施錠
自転車の盗難被害で意外と多いのが、この「無施錠」です。
当たり前といえば当たり前なのですが、鍵をかけていない自転車は一瞬で持っていかれます。
無施錠だと盗まれやすいのは当然ですが、さすがに長時間駐輪で無施錠な人は少なく、自宅駐輪場だからだとか、コンビニに立ち寄った際のほんのちょっとした時間だからと油断したために盗まれたというケースが多いようです。
対策
施錠は短時間でも必須
どんなに短時間でも施錠しないというのは、言い換えれば「盗んでください」と言っているのと同じです。
「ちょっとだけだから大丈夫」は通用しません。自転車から目を離すたびに必ず鍵をかける、これを習慣化するだけで被害に遭うリスクは格段に下がります。
その他 — ダイヤル式ロックの注意点
ダイヤル式ロック(番号合わせタイプ)を使っていて盗難に遭うケースも多く報告されています。
鍵を持ち歩かなくて済む利便性は魅力ですが、番号を総当たりで試せば解錠される可能性がある点は覚えておきましょう。
特にやりがちな誤りは以下の通りです。
● 購入時の初期番号(0000/9999 など)のまま使う
● 手間を省くために下一桁だけ回す、簡単な連番にする
こうした「ちょっとした手抜き」は泥棒にすぐ見抜かれます。初期番号や単純な番号は実質的に無施錠と同じなので、長時間駐輪する際はダイヤル式のみで済ませないこと。どうしても使う場合は初期番号を必ず変更し、他の強固なロック(U字ロックやブレードロック)と併用してください。
自転車が盗難されづらい施錠方法
長時間自転車から離れる場合は、ツーロック(2つ以上の鍵を使用する)を基本にすると、盗難被害に遭う確率が大きく下がります。
ツーロックの組み合わせとしては、ブレードロックやU字ロックなど、切断されにくいタイプの鍵をメインに使用し、ワイヤーロックなどを地球ロック(固定物と一緒に施錠する方法)用に併せて使うのが効果的です。
この方法なら、1本の鍵を壊されてももう1本が残るため、犯行に時間がかかり、泥棒が敬遠する可能性が高まります。
「面倒くさい」と思われることが、最も有効な防犯対策です。
【日本正規品】 ABUS(アブス)|自転車 鍵 ロック ロードバイク鍵 ブレードロック|盗難見舞金制度 | 2年保証|...
ttps://escape.poo.tokyo/bicycle-protection-tips/u-lock/u-lock-and-folding-lock/
自転車盗難被害に遭った場所
自転車がどんな場所で盗まれやすいのかもデータを整理してみました。
1位:路上
2位:駐輪場
3位:自宅駐輪
ご覧の通り、被害は特定の場所に偏っているわけではなく、どこでも起こり得るということが分かります。
つまり、路上でのちょっとした駐輪、自宅やマンションの駐輪場、普段利用する駐輪場であっても、油断せずにしっかり施錠することが重要だということです。
場所に関係なく、盗難のリスクは常に存在するという意識を持っておくことが大切です。
路上駐輪での盗難被害
買い物や食事のついでに道端に駐輪しておいた結果、自転車盗難被害に遭ったというケースです。
「ちょっとの時間しか離れない」「家の近所だった」などの理由で無施錠のまま自転車から離れてしまった油断が招いた被害が多いように思います。
対策
どんなに短時間であっても、たとえ目の届く場所であっても、自転車から離れるときは必ず施錠する習慣をつけることが基本です。
駐輪場での自転車盗難被害
駐輪場に停めておいて自転車盗難被害に遭うケースも多いようです。
駐輪場はある意味自転車の宝庫ですし、売れそうな自転車を物色するには、駐輪場以上に絶好の場所は無いのかもしれません。
実際、僕の知り合いも盗難に遭ったケースはすべて駐輪場でした。
泥棒は自転車をじっくり確認していても、周りから不審に見られることはほとんどありません。仮に周囲の人が不審に思っても、多くの場合、自分の自転車に何かされていない限りスルーするでしょう。
さらに、毎日同じ駐輪場に停めていると、泥棒からすると「この場所にはこの自転車がこのくらいの時間停まる」というパターンが簡単に分かってしまいます。ダイヤル式の簡単な施錠しかしていないと、泥棒にとってはかなり安全に作業できる環境になってしまうのです。
対策
最近の駐輪場は輪留めで前輪を固定できるタイプも多いですが、前輪だけ残してフレームや後輪を持ち去られる被害も報告されています。実際、僕の友達も前輪だけ残される形で自転車を盗まれました。
有料駐輪場だと人の出入りも多く防犯カメラもあったりで、なんだか安心出来そうな気がしますが、路上に駐輪するのと同じように地球ロックするなどで対策をしておいた方が良いと思います。
ちなみに僕の友達が駐輪場で盗難被害に遭った際に、駐輪場の管理者に防犯カメラのチェックをお願いしたのですが「たまたまその時間帯だけ故障して動いていなかった」との返事をもらったそうです。
つまり、自転車駐輪場レベルの防犯カメラはダミー程度だと思っておいた方が良いのかもしれませんし、自転車泥棒はそのあたりも理解していると思われます。
毎日同じ駐輪場を使う場合は、停める場所を変えてみるだけでも盗難リスクを下げることができます。習慣を読まれないようにすることも、地味ですが有効な防犯対策です。
自宅駐輪での自転車盗難被害
マンションやアパートの駐輪場でも、自転車の盗難は起こります。
自宅駐輪での被害の特徴として、普段から同じ場所に停めている自転車が狙われやすいという点があります。日常的に同じ位置に駐輪していると、泥棒に「ここに停まっている自転車は狙いやすい」と目をつけられてしまうのです。
中には、ツーロックなどしっかり施錠していたにも関わらず盗まれたケースもあり、油断できないことが分かります。
対策
まず意識したいのは、同じ場所に駐輪し続けないことです。場所を変えるだけでも、目星を付けられにくくなります。
また、最近の分譲マンションでは屋内駐輪場が増えてきていますが、部外者が侵入しようと思えば簡単に入れることもあります。屋内だからといって油断せず、しっかり施錠する必要があるでしょう。
自転車盗難に関するサイト
自転車を長く安全に使うためには、盗難に関する情報を知っておくことも大切です。普段はあまり意識しないかもしれませんが、こういった情報サイトの存在を知っていると、万が一盗難に遭ったときに、自転車の回収や注意喚起に役立つ可能性があります。
自転車盗難情報サイト
盗難自転車情報検索・盗難対策サイト 【CSI 自転車特捜24時】
盗難届が出された自転車の情報や、防犯対策に関する情報が豊富に掲載されています。ロード・MTBの盗難情報(twitter)
盗難情報をリアルタイムで共有することで、被害自転車の発見や注意喚起に役立てることができます。
中古部品・パーツ・自転車販売サイト
盗難に遭った自転車は、パーツ単体で売られることもあります。ロードバイクやクロスバイクの場合、人気のある部品は換金価値も高いため、盗まれた自転車がオークションサイトや中古自転車販売サイトに出回ることもあるんです。
そのため、万が一自転車を盗まれた場合は、ヤフオクなどの中古販売サイトを定期的にチェックすることも有効です。
もちろん、ほとんどのショップやサイトでは盗難品の取り扱いに注意を払っています。ですが、情報提供を行うことで、盗難自転車の早期発見につながる可能性もあります。自分の自転車が見つかるかもしれないと思えば、ちょっとした手間でもやる価値はありますね。
こうした情報を日頃からチェックしておくと、盗難の傾向を把握できるだけでなく、万一被害に遭った際にも少しでも自転車を取り戻す可能性を高められます。自転車を安全に使い続けるために、防犯意識と情報収集はセットで考えることをおすすめします。
自転車盗難保険
切なロードバイクやクロスバイクを所有しているなら、自転車の盗難保険(車両保険)への加入も検討しておくと安心です。
いくら防犯対策をしていても、プロの窃盗団や予期せぬタイミングで盗まれる可能性はゼロにはなりません。そんなときに保険に入っていれば、被害に遭った場合でも一定の補償を受けられるので、経済的なダメージを軽減できます。
費用は保険会社や補償内容によって異なりますが、盗難リスクの高い自転車ほど加入しておく価値は高いと言えるでしょう。
自転車盗難被害情報から考える自転車盗難対策

自転車を守るための最低限のルールは、「どんなに短時間でも自転車から離れる際には必ず施錠する」ことです。
でも、もう一歩踏み込んで状況に応じた鍵の使い分けも意識したいところです。
自転車泥棒の視点で考えると、彼らは事前に駐輪場を下見して、ワイヤーカッターで簡単に切れる施錠しかしていない自転車を狙っていくものです。
また、売却のしやすさを考えれば、新品同様でピカピカな自転車や、手入れの行き届いた自転車はより狙われやすいと言えます。
日頃からしっかりと盗難対策を意識して施錠しておくことは、大切な愛車を守るために欠かせません。ちょっとした油断で、愛着のある自転車が一瞬で盗まれてしまうこともあるのです。
パナソニック(Panasonic) U型ロック シリコンカバー Wディンプルキー自転車 ブラック 内径76×128mm SAJ080B
盗難対策まとめ
● ツーロック以上の施錠を基本にする
● 持ち去り対策として地球ロックをする
● ワイヤーロックやチェーンロックは短時間用に限る
● 長時間の場合はブレード式やU字ロックを使う
● 無施錠はちょっとの時間でもNG!
日頃のちょっとした意識と工夫が、盗難リスクを大きく下げる鍵になります。
愛車を守るための習慣を、ぜひ今からでも始めてみてください。




![Panasonic(パナソニック) U型ロック [ブラック] シリコンカバー Wディンプルキー SAJ080B](https://m.media-amazon.com/images/I/31KstzNlprL._SL500_.jpg)



