クロスバイクの走行性能を大きく変えることができる定番カスタマイズとして、ペダルをビンディングペダルに交換する方法があります。
ビンディングペダルとは、ペダルとシューズを固定する機構を備えたペダルのことです。
ペダルとシューズを固定することで、通常のフラットペダルではできない、ペダルを回すようなペダリングが可能になります。
踏むだけのペダリングとは異なり、押す・引く・引き上げるといった動作も使えるため、効率よく力を伝えられるようになります。
その結果、脚の筋肉への負担が分散され、
● 長距離でも疲れにくくなる
● 追い抜き時などに一気に出力を上げられる
といった、ビンディングペダルならではのメリットを活かした走りができるようになります。
クロスバイクを少しでもロードバイク寄りの走行性能に近づけたい人や、よりスポーティーな乗り方をしたい人にとって、必須とも言えるカスタマイズです。
クロスバイクにもビンディングペダルはおすすめ

SPD-SLとSPDならクロスバイクにはSPDがおすすめ
ビンディングペダルのメーカーはいくつか存在しますが、メーカーごとに規格が異なるため、基本的に互換性はありません。
その中でも、世界的に最も普及しているのがシマノ(SHIMANO)製のビンディングペダルで、
● SPD-SL
● SPD
という2つの主要システムがあります。
SPDは Shimano Pedaling Dynamics の頭文字を取ったもので、圧倒的なシェアを誇り、サードパーティ製品も数多く流通しています。
SPD-SLは本格的なロードバイク向け
SPD-SLは、ロードレースなどの大会に出場するような本格的なロードバイクで使用されることが多いビンディングペダルです。
シューズとペダルを接合する部品(クリート)が大きく、パワーロスが少ないのが特徴です。
SPDはクロスバイクとの相性が抜群
SPD-SLは高性能ですが、日常使いではやや不便な面もあります。
そこで、よりカジュアルに使えるビンディングシステムとして人気なのがSPDです。
ロードバイクでも使用者は多いですが、特に街乗りや通勤・通学で使われることの多いクロスバイクでは、SPDの方が使い勝手が良く、採用されるケースが多くなります。
とかく、本格的な用途のビンディングペダルばかりになってしまうメーカーが多い中で、シマノのSPDは、初心者やライトユーザーにとっても使いやすい貴重なビンディングペダルなのです。
ビンディングペダルで何が変わるのか?
坂道が圧倒的に楽になる
ビンディングペダルにすると「踏む」から「回す」ペダリングへと変わりますが、最初は感覚がつかみにくいかもしれません。
しかし、坂道を走ると、ペダルを回すという感覚が理解しやすく、普通のペダルと、ビンディングペダルの違いを感じることができるはずです。
今まで苦労して登っていた坂道が、「あれ?こんなに楽だった?」と感じるほどスムーズに登れるようになり、脚の疲労も明らかに軽減されるのです。
ビンディングペダルに交換したら、まずは坂道を走ってみるのがおすすめです。
加速性能と平均速度が向上する
ビンディングペダルにする人の多くは「速度アップ」を期待しているのではと思いますが、ビンディングペダルにすると最高速度が大きく伸びるかというと、実際はそれほど変わりません。
最高速度は、ペダリングやペダルのシステムの要素よりも、筋力が大きく関わっていると思います。
しかし、加速性能は確実に向上します。
追い抜き時や信号スタートなどで、脚全体の筋肉を使って一気に加速できるため、普通のペダルでは味わえない鋭い加速が可能になります。
結果として、平均速度の向上にもつながります。
長距離でも疲れにくくなる
ビンディングペダルにすると、ペダルを踏むのではなく、ペダルを回すようなペダリングになるため、脚のいろいろな筋肉を使うようになります。
通常のペダルだと踏むだけなので、長距離を走行すると、一番よく使う太ももあたりが辛くなってくるのですが、ビンディングペダルの場合は、筋肉の負担が分散されるため、一つ一つの筋肉に対しての負荷が軽くなります。
結果的に、長距離を走行しても、疲れづらくなるというメリットが得られます。
スポーツバイクに乗ってる感が増す
ビンディングペダルにすると、自転車の見た目がスポーティーな感じになって、特別感が出るようになります。
クロスバイクでありながらも、ガチな雰囲気も出てくるので、「スポーツバイクに乗っているぞ」という感じで、気分が盛り上がるというメリットもあります。
ビンディングペダル交換に必要な道具

自転車のペダルはペダルの軸部分がネジ式になっているので、工具を使用して軸を回転させるだけで、簡単に着脱ができます。
ペダルの着脱には「ペダルレンチ」と呼ばれる専用工具を使用します。
一部のペダルでは軸部分に六角レンチ用の穴が空いているので六角レンチでも付け外しができたりもしますが、基本的にはペダルレンチを使用した方が効率良く作業ができると思います。
クロスバイクにおすすめのビンディングペダル
見た目と性能のバランスならPD-ES600一択
上にも書いたように、ビンディングペダルには様々なメーカーや種類がありますが、そのほとんどがガチなロードバイクに合うようなデザインがされています。
シマノのビンディングペダルでもSPD-SLは、ガチなロードバイク勢が使用するビンディングペダルなので、日常用途で使用するクロスバイクなどでは「やりすぎ感」が出てしまい、あまりバランスが良いとは言えない感じになってしまいます。
やはりクロスバイクにはカジュアルな感じでも使用できるSPDペダルというのが、バランスの良い組み合わせになると思います。
SPDペダルの中でお勧めしたいのが、片面だけにクリート受け(ペダルとシューズを接合する部品)が備わった、片面SPDで、ロードバイク用に分類されるPD-ES600です。
クリートが片面だけになる分、軽量化されていることが最大のメリットですが、他にも見た目がスポーティーで格好良いというのもポイントです。
片面SPDは不便なのか?
通常のSPDペダルは両面にクリート受けが備わっているので、裏表関係なくクリートの着脱ができます。
一方で、片面SPDは片面にしかクリート受けがなく、クリートを外した場合に、クリート受けの重さでペダルが反転してしまい、クリート装着時には、かならず足先でペダルを反転させて装着するという動作が必要になります。
この動作を「面倒だ」と言う人もいますが、個人的には「慣れの問題」で、最初は裏表を目視して確認したりしますが、慣れれば足裏の感覚ですぐに裏表が判断できるようになりますし、反転させる作業も一瞬でできるようになるため、それほどストレスに感じることはありません。
片面フラット片面SPDペダルもお勧め
ビンディングペダルにした場合に、不便と感じるのが、専用のビンディングシューズを着用しなければいけなくなる点です。
実際問題で、クリート受けはそれほど大きなパーツではないので、スニーカーのような底面が柔らかいシューズであれば、あまり気になる問題ではありません。
なので、個人的には、ほとんど気にせず、片面SPDのビンディングペダルでも、気軽な走行するような時には普通のシューズで乗ることが多いです。
片面フラット+片面SPDという選択肢
スニーカーのような普通の靴でクリートを備えたペダルを踏むのはやっぱり気になるという人には、片面がフラットで、片面にクリートが備わったタイプのペダルがおすすめです。
本格的に走りたい場合は、ビンディングシューズを履いてクリート面を使用して、気軽にゆるポタなどの場合には、スニーカーでフラット面を使用することができます。
クロスバイクのビンディングペダルはロードバイクへの入り口
クロスバイクのペダルをビンディングペダルに交換するカスタマイズの最大のメリットは、クロスバイクでもロードバイク的な走りが体験できるという点です。
クロスバイクを購入した後に、ロードバイクが欲しくなったりするというのは、よくあることですが、そう簡単にステップアップできるような金額でもありません。
そんな時には、クロスバイクのペダルをビンディングペダルに交換するカスタマイズをお勧めしたいです。
普通のペダルでは体験できない、キビキビした走りや加速など、ロードバイクの世界の入り口を垣間見ることができるはずです。











