クロスバイクやロードバイクのタイヤと言えばコンチネンタルグランプリ5000あたりが定番だと思っている僕ですが、実は自転車のタイヤの種類は「ピンきり」で、タイヤについて調べてみると、用途別に実に沢山のタイヤが見つかります。
自転車用のタイヤも、その他のパーツと同じく、用途によって使い分けてベストコンディションが得られるようにするのが理想的なんですよね。
なので、タイヤメーカーの製品リストを確認すると、タイムトライアル用やヒルクライム用など、用途に応じた様々なスペックのタイヤが見つけられると思います。
そこで、タイヤについてきちんと調べれば「もっと自分の用途に適したベストなタイヤが見つかるかもしれない」と思ったので、クロスバイクやロードバイクで使用する自転車のタイヤの種類について調べてみることにしました。
もちろん最適解は何を求めるかによって変わってくるものですし、あまりにも広範囲過ぎるので、今回は「通勤や通学など日常使用でベストな高性能ロードバイク用タイヤ」を探してみました。
クロスバイクやロードバイクで使用する街乗り用途の自転車タイヤ
通勤や通学など日常使用に適した軽量なタイヤが欲しい
自転車の走行性能を大きく左右するのが重量です。
特に回転する部分の重量は遠心力が働くので、走行に大きな影響を与えると言われています。
そして遠心力は回転の中心よりも外側に強く働くので、ホイールなどで考えても中央のハブ部分よりも外側のリムの方が遠心力の影響を受けやすいので、重量は軽い方が良いとされていたりするわけです。
タイヤはリムのさらに外側にあるので、タイヤの重量も走行性能に大きな影響を与えることになります。
回転する部分の外側の重量が重いと、速度が上がった際には慣性の法則で速度が落ちづらいというメリットがありますが、逆に停車している状態から速度を上げていくことを考えると、外側の重量が軽い方が、楽に速度を上げることができます。
このあたりは、どのような乗り方を重要視するかで価値観も変わってくるものとなります。
通勤・通学を基本に考えると、一般的には市街地を走行することが多くなると思います。
街乗りの場合はストップ&ゴーが多くなるため、速度維持よりも、漕ぎ出しの軽さの方が重要だと考えることができます。
そして、漕ぎ出しを軽くするためには、回転部分の外側であるタイヤの重量が軽ければ軽いほど有利に働きます。
というわけで、通勤通学用に適したタイヤとして「軽いタイヤ」というのが条件として挙がります。
多少の荒れた路面にも強いグリップ性能が高いタイヤが欲しい
通勤・通学などの場合、綺麗に舗装された道路ばかりではなく、小さな砂利を含む道や、凸凹のある道を走ることもあります。
特にカーブの最中に小さな砂利があったりすると、路面を捉えきれずにスリップしてしまうこともありますから「グリップ性能の高いタイヤ」が良いなと思います。
一般的にタイヤの表面が凸凹状になったブロックタイヤなどであれば、グリップ性能が高くなりますが、重量が重くなってしまう場合がほとんどで、重量とグリップ性能のバランスが選択のポイントになると思います。
パンクに対して強いタイヤが欲しい
クロスバイクやロードバイクに乗っていて、避けたいトラブルがパンクです。
パンクすると大きなタイムロスになるため、通勤・通学の場合には「パンク=遅刻」という図式になってしまいます。
なので少々のことではパンクをしないパンク耐性の高いタイヤが何よりも大切となります。
走攻守三拍子揃ったタイヤが欲しい
通勤・通学・街乗りには、軽快さ、グリップ力、タフさの走攻守三拍子揃ったタイヤが欲しいです。
タイヤの性能が上がれば、その性能に比例して価格も高くなります。
安くて良いものを本来であれば探したいところですが、一般的には価格と性能は比例してしまうものなので、今回は価格は度外視しています。
結論としては、良いタイヤを使えば、走行時のトラブルも少なく、満足度も高くなります。
なので結局は良いタイヤ(高いタイヤ)を選ぶことになるのですよね。
ちなみに、僕はチューブ派なのでクリンチャータイヤのみでの検討をしているため、今回はチューブラーやチューブレスタイヤは除外して考えます。
そんなわけで、上記の条件を踏まえた上で通勤・通学に適したタイヤをピックアップしてみました。
※価格、重量ともに前後セットの情報です。
自転車のタイヤ選びのための予備知識
クロスバイクやロードバイクで使用するタイヤ選びの際に、最低限知っておくと良い情報は下記の通りです。
TPI(Threads-Per-Inch)
TPI(Threads-Per-Inch)はタイヤのケーシングに使われる生地のグレードの単位です。
TPIの数値が高いほど「密度が高く、しなやかで、転がり抵抗が低く、軽量で良質」とされています。
一般的には数値が高いと耐久性が犠牲にされるらしいですが、各タイヤメーカーのスペックを見てもまちまちな感じです。
そもそもケーシング自体をメーカーが独自開発していたりするので、数値に規格のようなものはなく、品質もメーカーによって異なるようなので、比較は同一メーカー間のみに限られることになります。
それでもタイヤのスペックを評価する際には、とても重要な指標の一つになるのがTPIなのです。
シリカコンパウンド
コンパウンドはタイヤの元となる素材です。
通常使用されるコンパウンドは「カーボンブラック」と呼ばれます。
気温が低くなると硬く、気温が高くなると柔らかくなる性質があり、環境により性能が変化する問題があります。
そこで、シリカをコンパウンドに使用することで、環境による性質の変化が少なくなり、安定した性能を維持出来るほか、雨などの悪天候下でもグリップ力を保つことができるようになります。
転がり抵抗も低くなり、タイヤの性能が高くなるというわけです。
なので、コンパウンドにシリカが混合されたタイヤを選ぶと性能が高くなるという考え方ができます。
但し、シリカを混ぜ込むのは技術的に難しいので、シリカを使用したタイヤは通常のタイヤと比べて価格が高くなります。
メーカー別の街乗りに最適なタイヤ
コンチネンタルの街乗り最適タイヤ
Photo via:https://amzn.to/3rCskt1
コンチネンタルはドイツの総合タイヤメーカーで、自動車用から自転車用まで幅広くタイヤを製造しています。
GRAND PRIX 5000
Grand Prix 5000は、圧倒的な人気を誇った定番のグランプリ4000シリーズの後継として発表されたタイヤで、コンチネンタルのロードバイク用タイヤの鉄板とも言えます。
「グリップ力」「高パンク耐性」「軽量」の三拍子が揃った理想のタイヤで、Grand Prix 5000を選んでおけば「間違いない」と言えるくらいの定番中の定番のタイヤです。
タイヤのデザインも主張しすぎないけどカッコ良く、僕自身も実際に使用しているタイヤでもあります。
● 価格 : ¥16,600
● TPI : 330TPI
● 重量 : 450g(25C)
Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 5000 グランプリ5000 (700×25c) [並行輸入品]
GRAND PRIX 4-SEASON
より日常使いに特化したタイヤがGRAND PRIX 4-SEASON。
製品名からも分かるように四季を通じて安定した走行性能が発揮できるタイヤです。
Grand Prix 5000よりも重量が重くなり、走行性能も下がるものの、高いパンク耐性が特徴で、通勤や通学などの日常使いではGrand Prix 5000よりも適しているかもしれません。
● 価格 : ¥12,000
● TPI : 330TPI
● 重量 : 460g(25C)
【国内正規代理店品】 Continental(コンチネンタル) Grand Prix 4-SEASON(グランプリ 4シーズン) 2本セッ...
ポイント
パンク耐性や環境の変化を考えれば、GRAND PRIX 4-SEASONが、シリカコンパウンドやデュラスキンを採用していて一歩抜けている感じがあります。
GRAND PRIX 5000との重量差をどう考えるかで評価が変わりそうです。
そんなわけで、通年を通しての通勤、通学、街乗りを考えればGRAND PRIX 4-SEASONという選択がベストな気がしますが、実売価格、性能などのバランスはやはりGRAND PRIX5000が優れていてベストチョイスになりそうです。
ミシュランの街乗り最適タイヤ
Photo via:https://amzn.to/2MFpCBj
POWER エンデュランス
● 価格 : ¥15,200
● TPI : 3×110TPI
● 重量 : 440g(23C)
POWER オールシーズン
● 価格 : ¥15,200
● TPI : 3×60TPI
● 重量 : 470g(23C)
プロ4エンデュランス V2
● 価格 : ¥12,400
● 重量 : 450g(23C)
ポイント
ミシュランのタイヤの定番と言えばプロ4エンデュランスV2だと思いますが、さらに上位グレードとしてPOWERシリーズが登場し、レース用途としての「コンペティション」、ロングライド向けのパンク耐性の高い「エンデュランス」、気候の変化に強い「オールシーズン」の3種類が登場したことにより、定番が大きく変わりそうな感じです。
その中でもエンデュランスとオールシーズンは魅力的な製品だと思います。
不思議なのは最上位グレードなのに実売価格はプロ4エンデュランス V2を下回っているケースもある点で、2本で10,000円を切る価格は非常にリーズナブルだと思われます。
コンチネンタルではなくミシュランを選びたくなる理由の1つとして、ミシュランにはカラータイヤのラインナップがあるという点ですね。
自転車をカラーコーディネートしたい方はミシュランのタイヤを選択する人が多いと思います。
シュワルペの街乗り最適タイヤ
Photo via:https://www.schwalbe.com/en/start
シュワルペは、1922年創業のドイツのラルフポール社が展開する自転車用品ブランドで、近年はチューブレスタイヤに注力している感じです。
SCHWALBE PRO ONE
シュワルベのロード用タイヤのハイエンドモデル。
グリップ力、高パンク耐性に優れたタイヤです。
● 価格 : ¥14,000
● 重量 : 470g(25C)
2本セット SCHWALBE PRO ONE ADDIX Race クリンチャー シュワルベプロワン 700c (700×25c, ブラック) [並行...
SCHWALBE ONE
SCHWALBE PRO ONEのオールラウンダー版とも言えるタイヤ。
「グリップ力」「高パンク耐性」「耐久性」に優れたタイヤで、日常の通勤や通学などにより適しています。
● 価格 : ¥8,000
● 重量 : 490g(25C)
2本セット SCHWALBE ONE ADDIX シュワルベワン クリンチャー 700c (700×25c, ブラック) [並行輸入品]
パンク耐性重視ならマラソンシリーズ
シュワルベのタイヤで最も知られているのは<「strong>マラソンシリーズ」かと思います。
「マラソン プラス」などはパンク耐性に全振りしたようなタイヤで、通勤や通学で絶対にパンクをしたくないような場合は絶対的な候補として出てくるタイヤです。
タイヤが太いことや重たいなどで、走行性能が上記のONEシリーズよりも落ちるため、今回のリストからは外しています。
シュワルベ SCHWALBE【正規品】マラソン 700×28C クリンチャータイヤ [ツアー・ツーリング・街乗り] 111001...
ヴィットリアの街乗り最適タイヤ
Photo via:https://amzn.to/37m8ad0
ヴィットリアはイタリアの自転車タイヤ・ホイールメーカー。
CORSA CONTROL
VittoriaのタイヤのハイエンドモデルであるCORSAシリーズの中でグリップ力、高パンク耐性をバランスよく備えたタイヤ。
オンロードだけでなく荒れた路面状況での強さがあるとされています。
● 価格 : ¥12,000
● TPI : 320TPI
● 重量 : 530g(25C)
RUBINO PRO ENDURANCE
重量は重くなるもののパンク耐性をさらに高めたロード用タイヤ。
濡れた路面でもグリップ力を高めるトレッドデザインで、通勤や通学に適したオールラウンダーモデル。
● 価格 : ¥9,000
● TPI 60
● 重量 780g
2本セット Vittoria RUBINO PRO(ルビノ プロ) G2.0 クリンチャータイヤ 700c ヴィットリア Clincher Tire (...
ポイント
ヴィットリアのタイヤはクリンチャーよりもチューブラーの方が評価が高い気がしますが、クリンチャータイプでの定番と言えばRUBINO PROで、オールラウンダーなタイヤとして評価を得ているようです。
パナレーサーの街乗り最適タイヤ
日本の自転車タイヤメーカー。
元の親会社はパナソニックでした。
カラータイヤなどのバリエーションが多く、カラーコーディネートをしたいのであればパナレーサー一択でも良いかもしれません。
RACE A EVO4
パナレーサーのロード用タイヤのハイエンドモデル。
グリップ力、軽量さが特徴です。
● 価格 : ¥10,000
● 重量 : 460g(25C)
パナレーサー(Panaracer) タイヤ RACE D EVO3 [DURO] 700×23C ブラウン F723-RCD-D3
ポイント
パナレーサーの場合、日本のメーカーだけあって痒い所に手が届く感じで、用途に応じて細かくラインナップが分れています。
残念ながらホームページが無茶苦茶分かりづらいというところで損をしているように思いますが、きちんと調べればもしかしたらパナレーサーの中に僕が求めている性能を持ったタイヤがあるかもしれません。
Pirelli ピレリの街乗り最適タイヤ
Photo via:https://velo.pirelli.com/en/ww
ピレリはイタリアに拠点を置く中国資本のタイヤメーカー。
自転車用タイヤよりもスポーツカー用のタイヤメーカーとしての認知度の方が高いかと思います。
自転車用タイヤへの参入は2018年からで、まだまだ歴史が浅いですが、タイヤメーカー大手としてのノウハウを活かした高性能なタイヤが期待できそうです。
P ZERO RACE TLR
ロードレース用のP ZERO RACE TLR SLのパンク耐性を高めたモデル。
タイヤのサイズに25Cがなく24Cまたは26Cになっているのも特徴。
● 価格 : ¥12,000
● TPI 120
● 540g(26C)
GOODYEAR グッドイヤー
Photo via:https://www.goodyearbike.com/
F1などで有名なGOODYEARもPirelliに続いて自動車業界から自転車業界に参入してきています。
EAGELE F1
グリップ力、耐久性、低転がり抵抗、パンク耐性、クラス最軽量レベル(210g)など、ロード用タイヤに必要と思われる性能を高い次元で備えているとのこと。
F1用タイヤで培った技術を注ぎ込んだというタイヤは確かに期待できそうです。
● 価格 : ¥12,000
● TPI 120
● 440g
BRIDGESTONE ブリジストン
Photo via:https://www.bscycle.co.jp/tire-special/
日本の大手タイヤメーカーのブリジストンがロードバイク用として展開しているブランドが「EXTENZA エクステンザ」。
かなり軽量なタイヤがラインナップされています。
EXTENZA R1X
ハイエンドのオールラウンダーとして展開しているのがR1X。
グリップ力と高パンク耐性、軽量を実現したバランスの良いタイヤ。
各もほかメーカーよりも安いのも良いですね。
● 価格 : ¥12,000
● 重量 380g
EXTENZA RR2LL
「グリップ力」と「耐久性」「高パンク耐性」の三拍子が揃ったロード用タイヤで、日常の通勤や通学用に適した性能。
ブリジストンのタイヤの中では重いとされているようですが、それでも重量は260gで軽量です。
耐パンク性が高いにも関わらず、その他のメーカーと比較して標準的な重さなのもポイントです。
● 価格 : ¥12,000
● 重量 520g
MAXXIS マキシス
Photo via:https://maxxis.jp/prd_cat/road/
MAXXISは台湾のトップタイヤメーカー正新ゴム工業が展開するタイヤブランド。
マウテンバイクなどでよく見かけるタイヤです。
High Road
MAXXISのロード用タイヤのハイエンドモデル。
● 価格 : ¥11,000
● TPI 120
● 重量 420g
Maxxis High Road 700 x 25C 120TPI Clincher Tire,2 Tire, TB3100
Re-Fuse リフューズ
高パンク耐性を高めた日常使い向きのロード用タイヤ。
● 価格 : ¥8,000
● TPI 60
● 重量 580g
MAXXIS Re-Fuse Tire Road Racing Clincher Folding Tire 700x25C, Black, 2 Tire, MX2005
通勤・通学・街乗りに最適なオールラウンダー自転車用タイヤまとめ
いずれのメーカーも、ハイエンドモデルの中でバランスの取れたオールラウンダーモデルを必ずラインナップに備えているので、通勤通学用途では、それらのシリーズを選択するのが、ベストな選択になりそうです。
通勤や通学などで、雨の日や未舗装の道路を走行する場合には、パンク耐性を強化したモデルを選択するのが良いと思います。
いずれのメーカーも耐パンクを強化したモデルもラインナップで見つけることができると思います。
個人的には性能やデザインなどからコンチネンタル グランプリ5000を選択して、それしか使用しないような状態ですが、こうしてタイヤメーカーのラインナップを調べてみると、他にも良さげなタイヤががあったりするので、いろいろと試してみるのも良さそうだなと思いました。
タイヤもその他のパーツと同じく、メーカーにより特徴もありますし、用途に応じての適正不適正があるでしょうから、いろいろ試してみて自分の乗り方に合致したタイヤを選ぶというのが本当は正しいんでしょうね。
今回調べて興味深かったのは、以前には自転車用のタイヤを作っていなかったPirelliやGOODYEARなども自転車タイヤ事業に参入してきているという点。
ダンロップなどはまだ参入していないようですが、昨今の流れから、その他のタイヤメーカーが自転車タイヤ事業に参入するということも十分考えられますね。
個人的におすすめの自転車タイヤ
Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 5000 グランプリ5000 (700×25c) [並行輸入品]
あたりが鉄板の選択になるのかなと思います。
まだ評価は少ないですが
あたりも気になるタイヤです。
とりあえず価格的なものは度外視しての検討でしたので、一般的な感覚では通勤・通学・街乗りレベルで使用するタイヤとしては贅沢なタイヤになると思います。
例えばコストパフォーマンス優先、パンク耐性優先など、基準を変えればまた別の選択肢も出てくると思いますので、その点を踏まえて参考にしていただければ幸いです。