僕がクロスバイクのESCAPE Airの改造カスタマイズを重ねる理由はいろいろありますが、スピードアップを期待して改造カスタマイズすることが圧倒的に多いです。
というわけで実際にスピードアップに効果があったと感じた改造カスタマイズについてまとめてみようと思います。
参考程度に速度も記載しておきますが、ご存知の通り自転車は人力なので改造カスタマイズをしたからと言って記載してあるスピードが出るようになるワケでもありませんし、このスピードしか出ないワケでもありません。分かっていると思いますが念のため。
ちなみに、クロスバイクのESCAPE Airの6〜7万円という完成車価格を考えた場合、改造費用は車体価格の約50%である3万円〜4万円程度が適正だと思っていますが、今回は予算は度外視しています。
そのほか、限られた予算で改造カスタマイズに関する記事など、スピードアップに効果のあったカスタマイズ関連の下記をまとめていますので、参考にしてください。
クロスバイクのスピードアップに関する記事一覧
クロスバイクのスピードアップに効果があった改造カスタマイズ
コンポーネント一式を変えたらスピードアップした
グレードの違いがそのまま速度に
コンポーネント一式(クランク、フロントディレーラー、リアディレーラー)を交換するとスピードアップしました。
コンポーネントを交換しただけで速度が上がるという理由がいまいち理解できないままなのですが、おそらくコンポーネント一式を交換することで500g程度の軽量化ができたことがまず挙げられます。
次にクランクもグレードが高いパーツは剛性が高く、ペダルを踏み込んだ力が効率的に動力に変えられるという点も重要です。
ちなみに僕が交換したコンポーネントはシマノのミドルグレードである105です。さらに上のULTEGRAやDURA-ACEなどにすればもっと効果があったのかもしれません。
キビキビしたシフトチェンジが可能に
僕がコンポーネントを交換しようと思ったのは、実はスピードアップのためではなく、シフトチェンジのもっさりした感じとギアの歯数の段差が大きいのが気になっていたからです。
なるべくシームレスなシフトチェンジをするためには、歯数の差を小さくすれば良いので、スプロケットを8速から10速化(11速化)することを考え、当時10速だった105を選択しました。
シフトレバーとリアディレイラーを変えると、シフトチェンジがキビキビした動きになります。
例えば、安いシフトレバーとリアディレイラーだと「ガッチャン、ガッチャン」という、のんびりした動きでシフトチェンジされるのに対して、グレードの高いシフトレバーとリアディレイラーは「スパッ!スパッ!」という感じでキビキビした動きをしてくれるようになるのです。
そんなわけで総合的にいろいろなロスが少なくなることからコンポーネントの交換はスピードアップには非常に効果の大きな改造カスタマイズです。
平地走行で20km/h前後だったスピードが23km/h程度にアップするなどで、意外にもスピードアップの効果も大きかったです。
クロスバイクの改造カスタマイズで劇的なスピードアップを期待するならまずコンポーネントの交換を考えると良いでしょう。
シフトチェンジのキビキビした動きの違い
コンポーネント一式の交換は改造カスタマイズの敷居が高く、改造に必要な費用も新しいクロスバイクがもう一台(あるいは数台)買える程度は必要になるので気軽な改造カスタマイズではありません。自転車屋さんに相談しても「やめておいた方が良い。走りを追求するならロードバイクを新しく買った方が良い」というような返事が返ってくると思います。
クロスバイクはクロスバイクとしてそのままにしておいて、ロードバイク的な乗り方をしたければ、新しくロードバイクを買うべきだというのはすごく正しい考え方なので、費用面や得られる結果などを考えて、本当にそこまでやるのか?という判断が必要な改造カスタマイズでもあります。
ただし、その効果は絶大です。
オリジナルコンポ → shimano 105コンポ
速度アップ 2〜3km/h
費用3万円〜7万円程度(グレードに依る)
おすすめ度 ★★★★★
シマノ(SHIMANO) FC-R7000 クランクセット IFCR7000CX04L ブラック 170mm 50x34T
ビンディングペダルに交換したらスピードアップした
ビンディングペダルで平均速度がアップ
クロスバイクのペダルをビンディングペダルに交換したらスピードアップしました。
ビンディングペダルにするとペダルを踏むだけでなく引き足が使えるようになるため、ブーストをかけたようにトップスピードまでグングンと加速できるようになります。
足がペダルに固定されているのでペダルを踏むというよりはペダルを回すようなペダリングが出来るようになり、360度どの位置でも無駄なく効率的に力を伝えることができるようになります。
実際問題でビンディングペダルに交換してもMAXスピードには大きな変化はない感じですが、加速と長時間の速度維持に関して絶大な効果があるので平均速度は確実にアップすると思います。
最初は怖いけど止められなくなるカスタマイズ
慣れないうちは恐怖感もありますが、一度その快適さを知ってしまうとフラットペダルにはなかなか戻れなくなるくらい魅力的な改造カスタマイズです。
またペダルの交換はコンポーネントの交換などに比べるとものすごく簡単にできる改造カスタマイズなのでお気軽に導入できるというメリットもあり、おすすめの改造カスタマイズでもあります。
速度アップ 1km/h
費用 4,000円〜10,000円
おすすめ度 ★★★★☆
クロスバイクにおすすめのビンディングペダルはシマノのULTEGRAグレードのPD-A600です。
タイヤを25C化したらスピードアップした
ロードバイクの標準サイズのタイヤ25Cへ
クロスバイクのタイヤは32Cや28Cと呼ばれるやや太いタイヤが装備されています。そのタイヤをロードバイクなどで使用される25Cなどの細いタイヤへ交換することでスピードアップが期待できます。
一般的にはタイヤを細くすることで転がり抵抗や空気抵抗が少なくなることから、スピードアップに効果があると言われているのです。
要するにタイヤと道路の接地している面積が小さくなればなるほど摩擦が少ないので速度が出しやすいという考え方です。
しかし、プロのように平均50km/hで走るような状況だとシビアに影響が出そうな気もしますが30km/h程度のレベルでなら誤差の範囲と言えるかもしれません。
また、細ければ細いほど良いのかについては、空気圧など諸々の条件でも変わるようなので細いタイヤが有利とは一概に言えないようです。
また一昔前は23Cタイヤよりも25Cタイヤの方が有利というような話もあり、25Cを好んで使用する人も多くなってます。
タイヤの種類にもこだわるべき
個人的な感想としては、タイヤを細くするだけでなく、どの種類のタイヤを選択するかでも変わってくると思います。
タイヤと一言に言っても、平地走行に強いタイヤや耐パンク性に強いタイヤ、通勤用途でオールラウンダーなタイヤなどメーカーや種類でかなり違いがあります。
例えばグリップ力や重量などはタイヤによって全く性能が違います。性能の高いタイヤは価格も比例して高くなりますが、パンク耐性も高くなったりすることもあるので総合的には高いタイヤを使用したほうが満足度が高いと思います。
なので自分の乗り方に対して適当なタイヤを選ぶのがベストだと思います。ちなみに、僕がネットの情報や口コミ情報をもとに選択したタイヤはコンチネンタル グランプリ4000S(現行は5000)と呼ばれるものです。
価格は前後で11,000円程度で一般的なタイヤと比べると高価なタイヤになりますが、タイヤの中では比較的軽く(200g程度)、耐パンク性やグリップ力の高さなどで、多くのサイクリストから高い評価を得ているタイヤで、これさえ選択しておけば間違いないとまで言われています。
速度を考えた時、タイヤの重量は非常に重要です。というのもホイール等でも軽量化はホイール外周であるリム部分がどれだけ軽いかが重要になったりするくらいですから、最も外周になるタイヤの重量は走行時に影響を受けやいのです。
外周部分が重ければスピードが乗れば慣性モーメントで速度が落ちづらいというメリットがありますが、速度が上がるまでに多くのエネルギーを必要とするので、一般的には外周部分が軽い方がスピードアップには効果がある部分です。
なので速度アップを念頭に置いた場合はタイヤはなるべく重量が軽いものを選ぶというのが基本になると思います。
ちなみに、タイヤを細くすると太いタイヤに比べて空気量が少なくなるためパンクしやすくなるなどと言われたりしますが、日頃から空気圧をしっかり管理して、段差がある場合には抜重などを意識して走行すればそれほど気にする問題ではありません。
オリジナル28C → 25C
速度アップ 2km/h
費用 5000円〜12,000円
おすすめ度 ★★★★☆
Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 5000 グランプリ5000 (700×25c) [並行輸入品]
ホイールを交換したらスピードアップした
クロスバイクの純正ホイールだとスピードは出ない
GIANT社のクロスバイクの軽量モデルだったESCAPE Airの純正ホイールは前後で1,850グラム程度でした。重量だけをみると6万円程度のクロスバイクの構成ホイールとしてはかなり軽量な部類です。
ロードバイクの入門用ホイールの定番であるShimano WH-RS010と同程度の重量で「安いけどそこそこイケるんじゃない?」と思わせるホイールですが、実質は軽いだけの価格相応の貧相なスペックのホイールでした。
クロスバイクや入門ロードバイクなどに最初から装備されているホイールは特別良いホイールではないので、走りを劇的に変えたいのであれば、ホイールはまず最初に改造カスタマイズするパーツとして検討するべきパーツなのです。
ホイールを換えれば走りが劇的に変わる
このホイールからミドルクラスのロード用ホイールであるFulcrum Racing 3に交換した結果、全くの別物の自転車と思えるくらいに走りに違いが出ました。
25kmくらいの距離を走行した平均速度の比較は、ホイール交換前で19km/h、交換後には23km/h程度という感じです。
路面が滑らかで直線の条件の良い道での速度比較は、ホイール交換前で32km/h程度、交換後には37km/h程度になるなど、ホイールを交換することによる効果が大きいことが判ります。
スプリント的な走り方をした場合も、今まで突破することのできなかった40km/hの壁もすんなりと越えられるようになるなど、とにもかくにホイールを交換すると効果は非常に大きいです。
価格が高いホイールは軽量ですし、剛性も高いものが多く、スピードが乗った後でも力が吸収されずにどんどん加速していけますし、ペダルを踏むのをやめても速度がなかなか落ちなかったりします。
ホイールそれぞれに性格がありますからどのホイールだと良いというのはそれぞれの好みや目的によりますが、一般的な目安として50,000円以上のホイールを選べばそこそこの性能が備わったホイールが手に入るようになると思います。
ホイールはコンポーネントと並んでクロスバイクの走りを大きく変えるパーツなのでスピードアップには必須の改造カスタマイズになります。
良いホイールを買っておけば後々ロードバイクに乗り始めても必ず使えるものなのである程度の予算をみて思い切っても良いと思います。
クロスバイクの定番ホイール
価格と性能のバランスを考えた場合にクロスバイクの定番ホイールと言えばWH-6800と呼ばれた伝説のホイールがありました。
残念ながら廃番になってしまいましたが、ほぼ同様の性能を備えた後継のRS500がもっともおすすのホイールになります。そらに上を求めたい人は上位グレードのRS700も良いかと思います。
ちなみに、クロスバイクのESCAPEシリーズやBianchiのカメレオンテ、GIOSノミストラルなどの定番クロスバイクのホイールと言えば、価格と性能のバランスの良さから、Shimano WH-RS500が第一候補に挙がると思います。
クロスバイクの車体価格とのバランスも良く、そこそこな性能のホイールなので、僕自身もクロスバイクのホイールは何が良いか相談されたとしたらこのShimano WH-RS500を第一にお勧めします。
オリジナル → Fulcrum Racing 3
速度アップ 3km/h〜5km/h
費用 30,000円〜
おすすめ度 ★★★★★
クロスバイクのポジションを見直したらスピードアップした
乗車姿勢とも関連していますが、サドルの位置、サドルの高さをしっかりと調整して、無駄の無いペダリングができるようなポジション出しができれば効率的にペダルを回した力を推進力に変えられるようになるのでスピードアップに効果があると思います。
ポジションはこだわればこだわるほど良いものなので、いろいろパーツを交換したり、位置を微調整しながら自分にとってベストなポジションを探してみるのが良いでしょう。
ポジション出しは基本中の基本ですから、メンテナンスブックやクロスバイクやロードバイクの入門書にも必ず情報があるので参考にしながら調整するのが良いと思います。
● スピードアップの期待度:★★★★☆
● 費用:0円
クロスバイクのスピードアップ 空気抵抗を減らす
空気抵抗を減らすのはスピードアップの基本
乗り物において空気抵抗を減らすことが速度アップでは非常に重要です。空気抵抗をどれだけ減らせるかを考えると改造カスタマイズ無しでもスピードアップできる大きなポイントになります。
ハンドルカットや位置調整でスピードアップした
ハンドルカットで空気抵抗を減らす
ハンドル周りの改造カスタマイズは乗車姿勢に変化を付けられるので、速度アップに関して重要なポイントである空気抵抗を少なくするような工夫ができます。
一般的なロードバイクに装備されているドロップハンドルの幅は400mm〜440mm程度なのに対してクロスバイクのフラットバーハンドルの幅は約560mm程度で、ロードバイクに比べるとかなり幅広になります。
ハンドル幅が広いとポジション的に脇が開いた状態で乗車することになるので空気抵抗が大きくなり速度アップの妨げになります。
そこで両サイドを切り詰めて50cm程度にするだけでも脇が締まった乗り方が出来るようになり、空気抵抗を減らすことが出来ます。
但し、ハンドルが短くなればなるほど、ハンドルの動きに対してのタイヤの動きは敏感になるので、バランスを取りづらくなるなど操作性も大きく変わるのでカット幅には注意が必要です。
ポイントとしては一気にカットしてしまうのではなく、数センチ単位で徐々に短くしていくのが良いと思います。また、フラットバーハンドルはシフターやブレーキなどのスペースを確保しなければいけないのでどんなに切り詰めたとしても460mm程度が限度になると思います。
ハンドルはパイプカッターでカットできます。
ハンドルの位置調整で空気抵抗を減らす
さらにステムの位置を調整したり逆付けにすることでより深い前傾姿勢ができるので空気抵抗を減らすことが出来ます。
「空気抵抗は速度アップにそんなに影響があるものか?」と思うかもしれませんが25km/hを超えたあたりから一気に空気抵抗が大きくなりますから、速度アップを考えれば考えるほど空気抵抗をどれだけ減らしていくかが重要なポイントになるのです。
空気抵抗を突き詰めればスネ毛ですら剃り落とすくらいになってくるくらいシビアな世界ですから空気抵抗を甘く考えてはいけません。
オリジナル 560mm → 460mm
速度アップ 1km/h
費用 2,000円〜
おすすめ度 ★★★★☆
ブルホーンバーにしたらスピードアップした
クロスバイクのハンドルをブルホーン化したことによって前傾姿勢を深くすることができるようになります。
ブルホーン化やドロップハンドル化などはハンドル周りの改造カスタマイズの典型で、見た目が変わる他に乗車姿勢がクロスバイクの上体が起きたアップライトなポジションからロードバイクのような深い前傾姿勢に変えられるというのが大きなメリットになります。
深い前傾姿勢が取れるようになると空気抵抗を小さくできるのでスピードを出しやすくなります。
結果として、以前と同じような感じで走行していても3km/hくらい速いスピードを維持できるようになった感じがあります。
速度アップ 3km/h
費用 2,5000円〜
おすすめ度 ★★★☆☆
ブルホーン化による変化については下記の記事でまとめています。
乗車姿勢を変えたらスピードアップした
改造カスタマイズではないですが、乗車姿勢が変われば空気抵抗も変わるため速度も変わります。
日頃はあまり実感することのない空気抵抗ですが、体を丸めて小さくなった状態と上体を起こした普通の姿勢とでは明らかにスピードの乗り方が違うので空気抵抗の影響の大きさを実感することができます。
ロードバイクと比べるとクロスバイクの乗車姿勢はかなり上体が起き上がっているアップライトなポジションなので空気抵抗も大きくなります。空気抵抗は速度が出れば出るほど大きくなり、特に25km/h以上になると違いがはっきりと体感できるようになります。
なので空気抵抗の少ないロードバイクの方がクロスバイクよりもスピードが出やすくなるわけですが、クロスバイクでもハンドルの内側を持ち、腕を折り畳んで脇をしめるなどして上体を丸めるだけでも空気抵抗が減りスピードアップや速度維持が期待できると思います。
サイクリングウェアで乗ったらスピードアップした
クロスバイクやロードバイクに乗る時にはサイクルジャージを着用した方が断然スピードも出るようになります。
自転車に乗るにあたって最も空気抵抗が大きいと思われるのが服装です。クロスバイクやロードバイクなどの自転車に乗る時にはサイクルジャージなどの自転車専用のウェアを着用するのが良いでしょう。
サイクルジャージはご存知のように体のラインにフィットしてピチピチな状態になり、その分空気抵抗はかなり少なくなります。まるで空気の中に溶け込むようなスムーズさで走行できるようになるので、かなりスピードも出しやすくなりはずです。
水泳をする時に服を着たままの状態と水着の状態では全く抵抗が違って泳ぎやすさも変わるのと同じで、自転車の場合も自転車に適した服を着用することで快適なサイクリングが出来るようになります。
スピードアップの期待度:★★★★★
● 費用:10,000円
自分自身を鍛えたらスピードアップした
体重
自転車はエンジンが人間である以上、重量と速度はシビアに関連してきます。体重が軽いとトップスピードに達するまでの時間は短縮できます。特に走り出しや坂道では体重が軽いほうが有利になるので、体重が軽くなれば平均速度は確実に速くなるものと思います。
ただし、トップスピードはそれほど変わらないようです。
スピードアップのためにはひたすらトレーニングするのが一番の近道かもしれません。
下手にパーツを換えるよりも、こうして自分自身を鍛えた方が、より効率的にスピードアップできるというのは異論がないところでしょう。僕自身もそこを忘れずにしっかりと自分自身を鍛えて行きたいと思います。
以上、クロスバイクのスピードアップに効果のあった改造カスタマイズについてのまとめでした。