自転車は盗難されるリスクが常にあります。
最も身近な犯罪といわれるくらいに、自転車の盗難は非常位多く、自転車に乗る人であれば誰しもが自転車盗難の被害に遭ったことがあると言っても過言ではないかもしれません。
とりわけクロスバイクやロードバイクなどのスポーツ用途の自転車は、パーツ単位で、しかも高額で売り捌けることから、自転車盗難被害に遭いやすいので、日頃から自転車盗難被害に遭わないように対策は練っておいた方が良いでしょう。
自転車盗難防止対策の基本は施錠
自転車の盗難防止の基本は施錠です。
「施錠に始まり施錠に終わる」と言えるでしょう。
ちょっとコンビニに立ち寄る程度でも自転車から少しでも離れる場合には必ず施錠する、というのはロードバイクやクロスバイクに限らず全ての自転車において徹底したい自転車盗難対策の基本だと思います。
実際問題で「買い物くらいの時間は平気」と考えている人も少なからずいるようですが、盗難される自転車の多くは無施錠が原因ですから、コンビニに立ち寄る程度のちょっとした時間でも、とにもかくにも施錠をするというが基本です。
自転車の盗難保険もありますが「施錠していること」が条件になっていたりしますし、無施錠であれば「盗まれる方が悪い」ということでもありますから、いついかなる時でも自転車から離れるような時には必ず施錠をすることを習慣付けるようにしましょう。
施錠した自転車でも盗難される
自転車を自転車泥棒から守るためには、施錠が基本ではあるのですが、「施錠をしても盗まれてしまう」という少し気になるニュース記事を発見しました。
自転車盗難、施錠と無施錠で被害同数 苫小牧(2015/9/8 北海道新聞)
記事は既に削除されてしまっているので、内容を要約すると「2015年1〜7月に盗難被害に遭った122台を調べたら、施錠してあった自転車が61件で丁度半数。
2011年~14年の年間盗難件数でも、盗難された自転車のうち施錠してある自転車が約半数だった」というもの。
記事のタイトルは少しミスリードをしていて、実際には施錠してある自転車と無施錠の自転車の分母数が全く違うので盗難リスクは同じではないという点は注意が必要です。
もちろん施錠をしている自転車のほうが何倍も多いでしょうから、盗難される確率で言えば、無施錠の自転車が盗まれる確率が圧倒的に高い数値になるはずです。
ミスリードのタイトルはともあれ、記事の結論としては「自転車の施錠は盗難防止対策の基本として施錠は大切だけれど、鍵は一つでは自転車盗難のリスクはまだまだ高いので、二つ以上施錠するダブルロックを励行してください。」というような内容でした。
ダブルロックで自転車の盗難防止対策
シティサイクルで一般的な鍵と言えば、後輪に装備してあるサークル錠だと思いますが、実はこのサークル状は比較的簡単に開錠出来てしまう鍵としても有名で、僕が学生の頃などもマスターキーと呼ばれる鍵に細工をしたものが流通していたのを覚えています。
最近のサークル錠は改良されて、それなりに防犯性も高くなっているようですが、通常のサークル錠と比べると大きくなるせいか、街の自転車を見る限りでは、改良版のサークル錠の普及率はまだまだ高くはなさそうです。
一方、クロスバイクやロードバイクで良く見かけるのが、携帯性の良さやお手軽さからワイヤー錠をよく見かけます。
しかしながら細いワイヤー錠だとワイヤーカッターがあれば簡単に切断出来るため、可能であれば簡単に切断できない太いワイヤー錠や、U字ロックなどを使用するのが自転車盗難防止対策としては好ましいでしょう。
しかし堅牢さと引き換えに「重たい」「嵩張る」などの理由でコンパクトで軽量な鍵が選ばれているのもまた事実です。
要するに、街なかで見かける多くの自転車が「いつ盗まれてもおかしくない状態」で駐輪されているというわけです。
そこで少しでも自転車盗難リスクを低くするために推奨されるのが「ダブルロック」と呼ばれる鍵を二つ付ける防犯対策になります。
自転車の目立つ場所にしっかりと複数の鍵を施錠しておくことで、防御力が高まるだけでなく、自転車泥棒に対して警戒心の高さをアピールできる点で防犯効果が高くなる方法と言えるでしょう。
ロードバイクやクロスバイクの自転車盗難対策
ロードバイクやクロスバイクの初心者は盗難被害に注意
ロードバイクやクロスバイクの場合は、一般的な自転車と比べると価格が高価であったり、バラしてパーツ単体でも売り捌けてしまうことから盗難に遭いやすいと言えます。
なので、ロードバイクやクロスバイクに乗っている人の防犯意識は、一般的な自転車に乗っている人よりも高いと思われます。
自転車を盗難されてしまわないように屋外に長時間放置しない人も多いでしょうし、そもそも自転車から離れるようなことはしないという人も多いのではないでしょうか。
どうしてもどこかに駐輪して自転車から離れなければいけないような場合には、ダブルロックや地球ロックは当たり前と思っている人も多いはずです。
そんなわけで、ロードバイクやクロスバイクなどで自転車盗難被害に遭いやすいのは、ロードバイクやクロスバイクを購入したばかりの初心者だったりします。
新しいピカピカの自転車は、自転車泥棒からも目を付けられやすい上に、初心者はシティサイクルと同じ意識で自転車の盗難対策を考えていたりするので、自転車泥棒の視点で見ると隙だらけなのです。
なので、ロードバイクやクロスバイクを購入したばかりの人は、必要以上に自転車盗難防止対策を練るくらいがちょうど良いと思います。
ワイヤー錠などの長さのある鍵で地球ロックする
ロードバイクやクロスバイクの場合は自転車そのものだけでなく、付属しているパーツも高価に売りさばくことができます。
なので、ホイール等は簡単に外せるためホイールだけを盗まれたなんていう話もよく耳にします。
ロードバイクやクロスバイクの盗難防止対策の場合は、自転車だけでなくホイール等も盗まれないように気をつけなければいけません。
さらに、自転車自体をしっかりと施錠していても、トラック等でやってきて自転車そのものを持ち去る可能性もあるので、持ち去り防止も踏まえた施錠をする必要があります。
そこで最も有力なのが、自転車を鉄柵などに固定する「地球ロック」と呼ばれる施錠方法になります。
地球ロックするためには長さのある鍵が必要になるので、基本的にはワイヤー錠や長さが伸ばせる折りたたみ式のフォールディング錠が使用されます。
それぞれ一長一短の特徴はあるものの、長さがあるのが共通した特徴です。
この長い鍵を使って、まずはホイールに鍵を通し、続いて鉄柵等の持ち去れない物とフレームを結んで施錠するわけです。
この際、できるならばホイールは前後ともに鍵を通した方が良いでしょう。
前輪、後輪とフレームを合わせて地球ロックしようと思うと、1.5メートル以上の長い鍵が必要になりますが、なかなかそのような長い鍵はないので、普通はダブルループワイヤーと呼ばれる両端が輪っかになったワイヤーとU字ロックなどを使用して地球ロックすることになります。
地球ロックする際に注意したいポイントは、ホイールだけを施錠するという方法です。
ロードバイクやクロスバイクの場合はホイールは取付け取り外しが簡単なので、ホイールだけ残されてメインは全て持ち去られたなんていうことも有り得ます。
実際に僕の知り合いは駅前の駐輪場に駐輪した際に、前輪だけを地球ロックしていたのですが、前輪だけを残すというやり口でロードバイクを盗難されてしまいました。
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U字ロックは単体最強の盗難防止対策
僕が自転車泥棒の立場で考えると、施錠されていると嫌だと思う鍵で真っ先に思い浮かべるのは、U字ロックです。
自転車盗難防止対策のための鍵はいくつか種類がありますが、ワイヤーロックにしろ、フォールディングロックにしろ、大きめのワイヤーカッターがあれば破壊するのは時間の問題と思えます。
しかしU字ロックだけは一筋縄ではいかないだろうなと思えるからです。
U字ロックでも地面に触れるような低い場所で施錠されている場合は、ジャッキなどを使って破壊できるようですが、高い位置に施錠されている場合には、ジャッキ等は使えなくなるため、破壊するのがかなり難しくなり、取付ける位置さえ間違わなければU字ロックは単体の鍵で考えた場合には最強の鍵だと思います。
地球ロックとU字ロックのダブルロックで最強の盗難対策
自転車持ち去り防止対策としての地球ロックと、鍵の破壊が難しいU字ロックを組み合わせたダブルロックだと、かなり強力な自転車盗難防止対策になると思います。
もしも自転車泥棒がこの組み合わせのダブルロックを見たならば、盗む対象から外してしまうに違いありません。
実際問題で、僕のクロスバイクは屋外保管をしていますが、この組み合わせのダブルロックをしていてるお陰か、5年ほど経った今でも盗難知らずです。
一般的な自転車シティサイクルの盗難対策
シティサイクルやママチャリ、その一般的な自転車の場合は、後輪のサドル下にサークル錠が装備されているのが標準だと思います。
しかし、サークル錠は簡単に開けられてしまいやすい鍵だったりするので、シティサイクルの場合でもダブルロックを基本とした方が良いと思います。
自転車の盗難対策を考えれば、個人的には「U字ロック」がおすすめですが、通学・通勤などでなるべく荷物を少なくしたいと考えると、折り畳めるフォールディングロックが便利だと思います。
フォールディングロックは、使用しない時には折りたためてコンパクトになるので、移動中はポケットやバッグに入れても嵩張らず、携帯に便利なのです。
ブレードタイプの自転車用の鍵フォールディングロック
フォールディングロックは多関節のため、関節攻めに弱いという弱点があるようですが、普通に考えてシティサイクルをそこまで必死になって盗む理由もないわけで、基本で装備されているサークル錠とフォールディングロックのダブルロックであれば、十分な盗難対策になるのではと思います。
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目立つ色の自転車用の鍵で自転車泥棒にアピール
自転車の盗難防止対策の意外なポイントとして、目立つ色の鍵を付ければ効果が高くなると言われています。
目立つ色の鍵をすることで、自転車泥棒に「しっかり盗難防止対策をしていますよ」とアピールできるのです。
シティサイクルなどを狙う自転車泥棒は、ロードバイクやクロスバイクなどのように転売目的ではなく、その時の"足"として盗むことが多いでしょうから、わざわざ鍵が多く付いている自転車を盗もうという気にはならないでしょう。
シティサイクルは街なかに放置して捨てるほどあるわけですから、わざわざ鍵付きの難易度の高い自転車を盗まなくても良いわけで、目立つ色の鍵を付けるだけでも、自転車の盗難対策として効果が高くなるというわけです。
自転車の盗難防止対策はダブルロックが最強
どんなに厳重に施錠していたとしても、自転車を盗まれる時は盗まれてしまうので、ダブルロックやトリプルロックなどでも盗まれたという話はよく聞きます。
しかしながら確実に言えることは、施錠してある自転車と無施錠の自転車とでは盗難に遭うリスクは大きく違いますし、鍵の数が増えれば増えるほど、それに比例して盗難防止効果も高くなるはずです。
自転車泥棒だって転売を目的にしているのであれば、効率を重視することになるので「売っても二束三文にしかならない」「盗むのが面倒」「盗むのに時間が掛かる」などの自転車は基本的に無視して盗りやすいところから盗るんじゃないかと思われます。
そんなわけで、ダブルロックにするだけでも相当に難易度が高くなり、盗難防止効果があると思われるので、現状でダブルロックをしていない方は是非複数の鍵での施錠を検討してみるのが良いと思います。
ちなみに、僕が長時間屋外保管する場合の施錠としては、フォールディングロックとU字ロック、それから地球ロック用にダブルループタイプのワイヤーを使用して施錠しています。
ちょっとした一手間で、盗難防止効果がかなり変わりますので、いろいろ考えた施錠をしてみてください。
以上、自転車を自転車泥棒から守る盗難対策はダブルロックが最強!というお話でした。