
個人的には自転車の盗難対策として最も優れた鍵はU字ロックだと思っています。
ワイヤーカッターなどでは切断できない強固さで、他のタイプの鍵とは比べ物にならないくらいの信頼感があります。
しかし盗難されづらい鍵は、裏を返せば鍵を紛失してしまった場合には、自分自身も鍵を開けられないということでもあります。
そこで今回は、U字ロックの鍵をなくしてしまったときの対処法を、主要メーカー別に調査しました。
各メーカーごとのサポート対応や再発行の方法、緊急時の開錠手段などを紹介します。
鍵を失くしてしまったらまず確認すべきこと
U字ロックの鍵を紛失したと気づいたら、まず次の点を確認しましょう。
スペアキーが手元にないか探す
メーカーによっては、購入時に2本または3本の鍵が付属しています。
自宅の引き出しなど、保管場所を思い出して確認しましょう。
鍵番号を控えてあるかチェック
鍵番号(Key No.)がわかれば、メーカーに再発行を依頼できるケースが多いです。
購入時の台紙や保証書、取扱説明書に記載されていることがあります。
販売店やメーカーのサポートページを確認
メーカーによって再発行の申請方法や料金、納期が異なります。
まずは公式情報をチェックするのが安全です。
最終手段
キーコードもなく取り外せない場合や、スペアキーが届くまで待てないなどの理由がある人は、鍵のトラブルを解決してくれる業者にお願いすると迅速に鍵を取り除いてくれるようです。
作業代金の相場は10,000円程度のようで、けして安くはないですが、最悪の場合には最後の手段として頼ることも有りだと思います。
参考 東京キーステーション
メーカー別|U字ロックの鍵を紛失したときの対処法
ABUS(アバス/アブス)の場合

Photo via:https://amzn.to/2oDx7zJ
ABUSは南京錠やブレードタイプの鍵で世界的に有名なドイツの鍵メーカーです。
クロスバイクやロードバイク用の鍵と言えばABUSと言って過言ではないほどの鍵の代名詞的なメーカー代名詞的存在で、その堅牢さには定評があります。
ABUSのU字ロックは、正しい方法で施錠しているにも関わらず盗難被害に遭った場合に、盗難見舞金制度が用意されているほどで、それだけ防御力に自信があるのでしょう。
もちろん、そんな鉄壁のU字ロックですから、鍵を紛失した際に素人が開錠するのはほぼ不可能だと思われ、に壊そうとすれば、自転車やフレームを傷つけてしまうリスクがあります。
公式サイトによる鍵を紛失してしまった時の対処法は追加で鍵を請求することで解決するようです。
追加の鍵の請求方法

Photo via:http://www.abus.com/eng/Mobile-Security/Bike-Safety-and-Security/Locks/U-locks/GRANIT-X-Plus-540
追加で鍵が欲しい場合は、製品に付属している専用コードを使って代理店にオーダーすると、代理店からABUSに鍵が発注されて数日後に納品されるとのこと。
ちなみに、スペアキーの価格はU字ロックのグレードによって異なるようですが、費用の目安としては一本1,000円〜数千円の範囲のようです。
購入時に鍵は一つしか付属していないみたいですが、鍵にはそれぞれ固有のコードが割り振られていて、このコードさえしっかりと保管しておけば、追加で鍵をオーダーすることができます。
【日本正規品】 ABUS(アブス) 自転車 鍵 ロック ロードバイク鍵 U字ロック 盗難見舞金制度 150mm ブラック ...
Kryptonite(クリプトナイト)の場合

Photo via:https://amzn.to/2nXP6QR
南京錠やブレードタイプの鍵の代名詞的存在がABUSならば、U字ロックの代名詞的存在がkryptoniteでしょう。それもそのはずでU字ロックを世界で初めて開発したメーカーです。
ABUS同様に高い防御力には定評があり、盗難見舞金制度も設けられていることからもメーカー的にも自信がうかがえます。
Kryptoniteでは、「Key Safe(キーセーフ)プログラム」という鍵登録システムを用意しています。
購入時に鍵に付属しているキーコード(Key Number)をオンラインで登録しておけば、万が一鍵を紛失した際に、同じキーを再発行してもらえます。
登録していない場合でも、キーコードが手元にあれば追加キーの注文が可能ですが、登録しておくことでスムーズに再発行できるのがポイントです。
再発行・スペアキーの申込み方法
1.Kryptonite公式サイトの「Key Safe」ページにアクセス
Kryptonite Key Safe 登録ページ
2.製品購入時に付属しているキーコードを入力して登録
3.鍵を紛失した際は、登録した情報をもとに再発行を依頼
スペアキーの価格と特徴
Kryptoniteでは、最初の2本まで無料で再発行してもらえるという非常に良心的な仕組みがあります。
それ以降の再発行は、1本あたり約10ドル(送料別)で発注可能。
また、世界中への発送にも対応しているため、日本国内からでも依頼できます。
参考 Order Keys|kryptonite
Palmy パルミーの場合

Photo via:https://amzn.to/2n5F688
岐阜県のリンエイ株式会社が販売を行なっています。
ABUSやKryptoniteに比べると不安になるレベルの安さですが、使用していて特に不便もなく良い鍵だと思います。僕が初めて購入したのもパルミーのU字ロックでした。
鍵の仕様と紛失時の対応
パルミーのU字ロックには、3本の鍵が付属しています。
鍵にはシリアル番号のような刻印がありますが、メーカー公式サイトではスペアキーの発注や再発行に関する情報は公開されていません。
そのため、鍵を紛失した場合は基本的にスペアキーの再発行はできないと考えた方が良いかもしれません。
現実的な対処法
価格帯が1,000〜2,000円前後と非常に手頃なため、スペアキーを手配するコストを考えると、新しいロックを購入した方が良いようにも思えます。
3本のうち1本は「非常用・最終手段用」として保管し、2本を紛失した時点で買い替えるというくらいに割り切ると良いかもしれませんね。
knog(ノグ)の場合

Photo via:https://amzn.to/2oBUzNH
knogはオーストラリアのオシャレな自転車アイテムを扱うメーカーです。ライトをメインに扱うメーカーですが、ワイヤーロックやU字ロックなど自転車周辺のアイテムも製造販売しています。U字ロックも他メーカーとはちょっとちがうオシャレなデザインです。
鍵紛失時の対応
knog公式サイトによると、キーコードを登録・入力することでスペアキーの発注が可能です。
費用は1本あたり10ドルで、納期はおよそ4週間程度。
海外メーカーのため、発注から到着までにやや時間がかかりますが、
正規のキーコードがあれば確実にスペアを取り寄せられる安心感があります。
ULAC(ユーラック)の場合

Photo via:https://amzn.to/2nOW9LP
自社ブランド製品のほか、他社へのOEM供給も行う実力派メーカーです。
U字ロックのほか、ワイヤーロックやスマートキーなど幅広いセキュリティ製品を展開しています。
ULACのU字ロックは、フレームを傷つけにくいシリコンコーティングや、ピッキングに強いティンプルキーの採用など、
価格帯以上の完成度を誇る点が魅力です。
実際、僕もPalmyの次にULACを購入し、現在も愛用中です。
鍵紛失時の対応
ULAC公式サイトの案内によると、購入時に付属するプレートに刻印されたキーコード番号、または鍵本体をメーカーに提出することでスペアキーを再発行してもらうことが可能です。
鍵の再発行にはキーコードが必須です。
Panasonic(パナソニックサイクルテック)の場合

Photo via:https://amzn.to/2mUehnz
パナソニックサイクルテックのU字ロックは写真からもなんとなく想像できると思いますが、おそらく上記のユーラックの鍵のOEM品だと思われます。
鍵紛失時の対応
パナソニックサイクルテックの公式サイトには、U字ロック単体の「スペアキー注文」に関する記載は見当たりませんが、購入時に3本の鍵とキー番号札が付属しています。
このキー番号プレートの番号を販売店またはパナソニックに伝えることで、スペアキーの作成依頼が可能と考えられます。
自転車用U字ロック選びのポイント

YouTube に投稿されている「鍵破壊」系の実験動画を見ると、メーカーやロックの違いがはっきり分かります。安価な無名メーカーのロックは大型工具であっさり切断される一方、ABUS や Kryptonite といった有名メーカーの U字ロックは巨大なケーブルカッターでも簡単には切れません。
逆に、無名メーカーのU字ロックは、あっさりと切断されたりしているので、本気で盗難対策に取り組みたい場合は、有名メーカーのU字ロックを買っておいた方が良さそうです。
有名メーカーのものはそれなりの値段がしますが、本気で盗難対策をするなら、最初から信頼できるブランドの U字ロックを選ぶことをおすすめします。
値段は張りますが、(1)物理的強度、(2)紛失時のメーカー対応、(3)「面倒そうな相手だ」と泥棒に思わせる心理的抑止力、の三点で費用対効果が高いです。
ちなみに自転車盗難でよく使われるアイテムとして知られているのが大型のワイヤーカッターです。
その気になればU字ロックも切断できるようです。
しかし、いくら大型のパワフルなワイヤーカッターでもU字ロックはすんなりと切断できるわけではなく、U字ロックが太くて短いほど切断が難しくなることや、地面などに固定出来ない高い位置にあるものは切断が難しいようなので、U字ロックを自転車に取り付ける際には地べたに近い場所ではなく、高い位置に取り付けるなどすると防犯効果は上がると思われます。
本気で盗難を防ぎたいなら、太く短めの有名メーカーのU字ロックを選び、取り付けは高めの位置で固定、可能なら二重ロックで保護するのが最も現実的で効果的ですね。
キーレスなU字ロック Skylock
最近では、スマートフォンと連動するキーレス式のU字ロックも登場しています。その代表的な製品が「Skylock(スカイロック)」です。
このロックは、Bluetoothを利用してスマートフォンとペアリングし、アプリを使って解錠する仕組み。物理的な鍵を使わないため、「鍵を紛失する」リスクがゼロというのが最大のメリットです。
また、解錠・施錠の履歴をスマホで確認できたり、所有者の接近を検知して自動でロック解除してくれたりと、まさに“次世代型の自転車ロック”と言える仕様になっています。
難点を挙げるとすれば、価格が約2万円前後と高価な点と、充電が必要である点でしょう。それでも、鍵の持ち歩きや紛失に悩まされてきた人には、非常に魅力的な選択肢となりそうです。

Photo via:http://www.skylock.cc/?gclid=COz1lL746soCFdcRvQodkBQB0w
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