タイヤを使用する乗り物で避けては通れない問題の一つがパンク。
昔からある問題なのですが、コストや手間、メンテナンス性などを考えると、現状のタイヤやチューブを交換する方法以上のものはなかなかないようです。
一応、ノーパンクタイヤは下記のようなメーカーの製品があったりしますが、数は多くないようです。
自転車用ノーパンクタイヤ
アサヒサイクル ノーパンクタイヤ
タイヤ内部に独自のチューブ(tチューブ)を装填したタイヤで、軽量、空気入れ不要などが特徴です。
Tannus ノーパンクタイヤ
独自開発したマイクロセル構造のポリマー樹脂を採用したノーパンクタイヤ。
中身が詰まったノーパンクタイヤの場合、衝撃が大きく乗り心地が悪い、リムやスポークなどへの負荷が大きい、タイヤの重量が重くなるなどの問題がありますが、Tannusのノーパンクタイヤはこれらの問題を解決して、衝撃吸収性のアップ、軽量化などが実現されています。
ほぼ全てのクリンチャーリムにも装填できるため、導入しやすさも特徴の一つです。
カラーバリエーションが多いのも魅力的です。
ノーパンクタイヤ
タイヤの中に詰め物をした一般的なノーパンクタイヤ。
700 x 23Cなのでロードバイクやクロスバイクで使用できるのが嬉しい。
iimono117 ノーパンクタイヤ 自転車 20インチ【 20×1.75 対応 】パンクしない 空気入れ不要 メンテナンスフ...
耐パンクタイヤ SR078
Sinko 耐貫通パンク用タイヤ
タイヤの接地面の厚みを増して貫通パンクへの耐性を高めたタイヤ。
https://www.shinko-ltd.co.jp/bicycle/city/index.html#DemingLZ
SAGISAKA パンクしにくいタイヤ
タイヤの接地面の厚み(厚さ9mm)を増して貫通パンクへの耐性を高めたタイヤ。
上記のほか、メーカーなどは不明なものの、ノーパンクタイヤを装備した自転車などが大手自転車販売店などでは取り扱われているようです。
ノーパンクタイヤのメリットとデメリット
性能の良いノーパンクタイヤがあれば夢のような製品だとは思いますし、通勤や通学で自転車を使用している人たちからの需要も高いと思うのですが、実際のところであまり製品化されていないということは、通常のタイヤに比べてあまりメリットがないのかもしれません、
ノーパンクタイヤのメリット
●パンクしない
●空気を入れる必要がない
ノーパンクタイヤを使用するメリットは上記の2点。
パンクしない
タイヤを使用している乗り物で避けては通れない最大の問題はパンク。
この問題がなくなるだけで非常に大きなメリットが得られます。
空気を入れる必要がない
ノーパンクタイヤのほとんどはチューブの中に何かを詰めて、タイヤが潰れないようにしたものがほとんど。つまり空気の代わりに何かを詰めているので、タイヤに空気を入れる必要がなくなります。
一般的な自転車だと、1週間に一度程度、空気を入れるのが理想的とは言われていますが、実際のところで1〜2ヶ月程度に一度くらいしか空気を入れない人も多いと思います。それであっても空気を入れるのは面倒だと感じる人はいると思うので、空気入れから解放されるというのもメリットとしては大きいかもしれません。
ノーパンクタイヤのデメリット
ノーパンクタイヤがあまり普及しない理由として、メリットよりもデメリットの方が大きいという問題があるようです。
下記に代表的な問題をまとめてみましたが、これらの問題を考えると、通常のタイヤにしておいた方がトラブルが少ないという結論になってしまいます。
タイヤが重くなる
多くのノーパンクタイヤには空気の代わりに何かを詰めている場合がほとんどです。当然、空気よりも重くなり、中には1kg近い重さになったりもするようです。
よく言われるように、回転する部分の外側が重いと、走り出しの際などにペダルが重く感じたりもするので、停車することが多い街乗りなどでは毎回重たい思いをすることになります。
衝撃を吸収しない
空気と比べて詰め物の場合はクッション性が低く、衝撃を吸収しきれないという問題があります。衝撃を吸収しないとスポークやフレームなどへの負荷も高くなり、スポークが破断してしまうなどが頻発するようになります。
そうなるとパンクしないことのメリットよりも、その他のメンテナンスの手間が増えてしまうことになります。
また、乗り心地も悪くなるため、長距離を走行する際などには疲れやすくなるなどの問題もあります。
転がり抵抗が大きい
ノーパンクタイヤは転がり抵抗が大きいので、ペダルを踏むのをやめてしまうと一気に減速してしまいます。
タイヤがズレる、外れる
ノーパンクタイヤは空気圧によってタイヤをリムに押し付けるような力が働くわけではないので、急なカーブなどではタイヤがズレてしまったり、外れてしまうなどのトラブルも起きやすくなります。
修理や交換が大変
ノーパンクタイヤを修理する際にはタイヤごと交換するのが基本となり、費用が多くかかったり、修理できるショップがなかったりするなど、故障した際には、逆に手間が大きくなる場合もあります。
ノーパンクタイヤが活用される場所
実際のところで、上記のようにノーパンクタイヤはメリットよりもデメリットの方が大きい場合が多く、特に軽快に走ることが求められるクロスバイクやロードバイクなどの場合では、圧倒的に性能が落ちてしまうので、ノーパンクタイヤをわざわざ使用する人はほとんどいないというのが現状です。
しかしながら、ノーパンクタイヤが必要とされる用途ももちろんあるので、その一例を紹介しておきます。
工場や施設内で使用される台車やカート
走行性能よりもパンクした時の手間などが問題になるような用途で使用される台車やカートでは空気を入れるタイプのタイヤではなく樹脂製などのタイヤが使用されています。
三輪車などの子供用の自転車
三輪車やキックバイクなどではノーパンクタイヤが採用されていることが多いですね。
もあまり速く走る必要がなく、乱暴な乗り方にも耐えられる耐久性などから採用されているものと思われます。
パンク防止剤
通常のチューブ式のタイヤでも、パンクのリスクを下げる方法があります。
シーラント剤などと呼ばれるパンク防止剤をチューブ内にあらかじめ注入しておくことで、何か異物を踏んでしまってタイヤに穴が空いてしまった婆でも、シーラント剤が穴を塞いで固まり、空気が抜けるのを防ぐ役割をしてくれます。
大手自転車販売店などでも、自転車を購入した際に、有料オプションでシーラント剤の注入をお願いすることができたりするので、ノーパンクタイヤよりも、シーラントを注入する方がより現実的な対処方法になると思います。
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