クロスバイクやロードバイクを買ったけど、「お尻が痛くて泣きそうだ」という悩みがある人は多いです。
クロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクと呼ばれる自転車に乗ってみると、シティサイクルやママチャリなどの一般的な自転車にはない軽快な走りが出来るのですが、それと同時に経験したことのない問題も出てきます。
お尻が痛くなるというのは、クロスバイクやロードバイクなどの自転車に乗り始めた人には必ず出てくる問題と言えるでしょう。
僕がクロスバイクを購入した当初を思い返してみても、お尻の痛みに悩まされたのを覚えています。
お尻が痛いので、何か良い対処法や、快適なサドルは無いものか、身の回りでロードバイクに乗っている自転車乗りの先輩に相談すると、返って来た答えは「とりあえず1000km走れ」でした。
話はそれからだと・・・。
「そんな無茶な」と思いましたが、意外と正しかったりもするので、クロスバイクやロードバイクでお尻が痛い場合の解決方法や対策について書いてみたいと思います。
クロスバイクやロードバイクに乗り始めたばかりでお尻が痛いなら我慢して1000km走ればなんとかなる説
クロスバイクに乗り始めたは頃の僕は、お尻が痛みに悩まされていました。
この耐え難いお尻の痛みをどうにか解決したいと思い、自転車乗りの先輩に相談してみたところ、「まずは1000km走ってみて、それでも痛いようだったら相談してくれ」という有り難いアドバイスをいただきました。
「1000km走れ」というのは少々乱暴なアドバイスだとは思いますし、「そんなデタラメで乱暴なアドバイスは聞いては駄目だ」と思う方や、もっと具体的な解決方法をご存知の方もいらっしゃると思います。
実際問題で、当時の僕も「こんなにお尻が痛いのに1000kmも走れとは・・・」と思ったものでしたが、僕にアドバイスしてくれたその方の教えを現時点の僕が解釈すると、下記のような理由からだと思うのです。
自転車でお尻が痛いのは慣れの問題
一般的なクロスバイクなどは、ガチガチのロードバイクなどと比べればクッションの効いた柔らかなサドルが採用されています。
それもそのはずで、ロードバイクはレーサーパンツと呼ばれるクッション入りのサイクリングウェアを着用して乗ることが前提になっていたりするのです。
そのため、サドル自体にはクッション性は必要ないという考え方もできるからです。
ロードバイク用のサドルを物色していると、単なる板にしか見えないものもあって「こんな板みたいなサドルじゃ痔になってしまう」と驚かされます。
そんなサドルがある中で、比較的柔らかいクッション性の高いサドルが採用されているクロスバイクに乗っておきながら、お尻が痛くなるということは、サドルとお尻の相性の問題以前に、お尻が鍛えられていないと考えることができるのです。
例えば、野球の練習でバットを持って素振りをする時、最初はどうしても手の皮が破れてしまってとても痛い思いをしますが、それを乗り越えれば、やがてマメが出来て手のひらの皮は丈夫になり、痛さに悩まされることもなくなります。
それと同じで、しばらく乗っていればお尻が鍛えられて痛くなくなるという考え方があるのです。
自転車でお尻が痛いのは乗り方が悪いから
クロスバイクやロードバイクの場合、シティサイクルやママチャリのように、ドカッとサドルに腰掛けて座るということは基本的にしません。
しかし、スポーツバイクに乗り始めた当初は、シティサイクルやママチャリと同じ要領でサドルに腰掛けようとするため、お尻への負担が大きくなります。
「サドルは座るものではなくて、自転車のフレームがブレないように支えるためのもの」などというような言い方がよくされるのですが、正しい自転車の乗り方を覚えるにつれ、サドルにドカッと腰掛けるような乗り方はしなくなり、お尻への負担も少なくなってきます。
結果として、乗り方が上手になってくれば、次第にお尻の痛みもなくなってくる、という考え方ができるというわけです。
100kmとか200kmを一日で走るならいざ知らずですが、10km〜30km走った程度でお尻が痛くなるということは、乗り方など基本的な部分で問題があると考えられるのです。
そういう考え方をすれば、お尻の痛さと戦いながら、どうすれば痛くなくなるかを考え、試行錯誤しながらしばらく乗ることは、優秀なサイクリストになるための登竜門と言えるかもしれません。
文句を言わずにしばらくクロスバイクに乗ってみた結果
当時の僕は、先輩の言葉を信じて、痛さを我慢しながらひたすらクロスバイクに乗り続けることにしました。
正直なところ、「自転車で1000kmも走れるのか・・・」と絶望にも近い気持ちもありましたが、毎日クロスバイクやロードバイクに乗っていると、1000kmという距離は意外と早く到達してしまうものです。
そして、1000km走ればお尻の痛みが消えると信じて、毎日自転車に乗り続けているうちに、気が付くとお尻の痛みはいつしかなくなっていました。
それが1000kmほど走った頃だったかどうかは定かではありませんが、先輩の言葉の通りの結果となったのでした。
「1000km走れ」という言葉を聞いた時は、根性論かと思いましたが、結果としてはいろいろと理にかなったアドバイスだったのかもしれないなと思うのでした。
自転車に乗り続けてもお尻が痛い場合の対処法
僕の場合は、お尻の痛みを我慢して乗り続けることで、クロスバイクに乗っていてもお尻の痛みに悩まされることはなくなりました。
しかし、ロードバイクの世界には「サドルは出会い」「サドルは相性」「サドル探しは旅」などの言葉があります。
つまり、サドルに関してはお尻との相性の問題が大きいのです。
例えば、誰かが
「お尻の痛みを解消できるサドルとしてお勧め!」
「私はこのサドルでお尻の痛みから解放されました」
などと紹介されていたとしても、痛みが改善されないことも多いです。
それどころか反って痛くなってしまうなんてことも珍しくありません。
要するに、クロスバイクやロードバイクに乗り続けても、お尻が痛い場合は自分のお尻とサドルとの相性が合っていないということも考えられるのです。
お尻と相性の良いサドルを探して痛みを解決する
自分のお尻と相性の良いサドルを探すには、新しいサドルを買うか、サイクルショップなどで試乗して試すかになります。
僕の経験から言えば、自転車の部品やパーツは高価なモノを選択すると満足度も高く、快適で長く使えるものが多いのですが、サドルばかりはそうとは言えないようです。
高価なサドルであれば満足出来たり、お尻の痛みが解消されるかと言えば全くの別問題です。
安いサドルでもお尻との相性さえ良ければ痛みが劇的に解決されたりすることもあります。
「お金じゃないんですよ、大切なのは相性なんですよ」というのがサドル選びで、相性の良いサドルに出会えるまで、ひたすら探し続けることになるのです。
相性の良いサドルが簡単に見つかれば良いのですが、こればっかりは実際に使用してみて試してみるしかありません。
結果として、相性の良いサドルを見つけることが出来ずに、ハマってしまってなかなか抜け出せなくなってしまうことから「サドル沼」や「サドルの旅」などと言われたりもします。
要するに相性の良いサドルと出会うにはそれなりの出費と経験が必要になるところでもあります。
お尻とサドルの相性が悪いと、お尻だけでなく、股や股間まで痛くなってくるというような問題が出てきます。
尿道が圧迫されることによる血行不良が原因で、股間が痺れるなどの自転車EDの原因にもなったりもするので、いくら乗っても痛みが解決されない場合はサドルとの相性を疑って、安くても良いので違うタイプのサドルを購入して試してみるのも手だと思います。
お尻の痛みや乗り心地に関しては、サドルの値段の高い安いでは決められないものなのです。
個人的に良かったのは台湾のサドルメーカーであるVELOのSENSOシリーズでした。
クッション性が高いにも関わらずスポーティーなサドルで、見た目的にも良く、僕が使用してきたサドルの中では最もお尻の痛みを軽減してくれたサドルです。
ロードバイクやクロスバイクでお尻が痛い場合の対処法
クロスバイクやロードバイクに乗り始めたばかりの自転車初心者でお尻が痛いというのは、僕自身の経験を考えても、サドルとの相性が原因というよりは、スポーツバイクに乗り馴れておらずお尻が鍛えられていないから、という理由の方が大きいと思います。
逆に、どれだけ乗っても痛い場合やサドルを換えたと同時に痛みが出始めたような場合は、お尻とサドルとの相性を疑った方が良いと思います。
物理的に考えればクッションが沢山入った分厚いサドルの方が痛みがでずらいですし、お尻を支える面積の広い大きなサドルの方がお尻への負担は少なくなります。
要するにシティサイクルやママチャリのようなサドルであれば痛みは軽減されるものと思います。
なので、見た目はともかくクッション性の高いサドルカバーなどを使ってみるのも良いと思います。
実際問題で乗車している時はサドルが見えないから見た目は気にしないと割り切って分厚いサドルを使用する人もいます。
しかしながら、「分厚くて大きいサドルはカッコ悪い!サドルカバーは使いたくない!」と思う人は別の方法を考えることになります。
せっかくクロスバイクやロードバイクの乗って「薄くてスポーティーなサドルにしたい!」というような方はそれなりの対策をした方が良いと思いますので、本格的にロードバイクなどに乗っている人が実践しているような対策方法をサラリを紹介しておきます。
パッド入りレーサーパンツ
レーサーパンツ(通称レーパン)にパッドが仕込まれていて、お尻へのダメージを軽減してくれる素敵なもので、ロングライドをする際などの必需品とも言えるでしょう。
下着のパンツと同じで、基本的に直履きして使うものですが、直履きに抵抗が有る人のために、レーパンの下に履くインナーパンツがあったりもします。
さらにレーパンを履くと、モッコリピチピチになってしまうため、それが恥ずかしい人の為に、ストレッチの効いたカーゴパンツのようなサイクルパンツをレーパンを履いた上から履くなど、みなさん色々と工夫をされているようです。
Souke Sports サイクルパンツ メンズ 4Dパッド 痛み軽減 吸汗速乾 自転車パンツ 軽量通気 再帰反射 サイク...
シャーミークリーム
シャーミークリームはお尻が擦れる部分に塗ってダメージを軽減してくれるクリームです。
100km超えなどのロングライドになると、上手に乗っていても、どうしても皮膚が擦れ続けると限界を迎えることになり、痛みが出てきてしまいます。
その対策としてスルスルにして摩擦を極力少なくしてダメージを減らそうするためのクリームが「シャーミークリーム」です。
ロングライドに出かけて痛みが出ると楽しみよりも苦痛が勝ってしまうため、とてもサイクリングを楽しめるような余裕がなくなってしまいます。
万が一の保険としてシャーミークリームを塗っておくのが良いと思われますし、実際使用している人も多いです。
クロスバイクをやロードバイクを買ったけどお尻が痛い時の対処法まとめ
僕自身のケースで考えてみると、痛いと思っていたのは最初のうちだけで、我慢して乗っているうちに、気が付けば痛くなくなっていたという感じなので、とりあえず距離をこなせば痛みがなくなるという先輩の言うことは正しかったと言えるでしょう。
クロスバイクやロードバイクにデビューしたての際のお尻の痛みは、ママチャリやシティサイクルなどの一般的な自転車からクロスバイクやロードバイクのスポーツバイクへの登竜門と言いますか、通過儀式のようなものなのかもしれませんから、まずはしばらく我慢して乗ってみて、お尻を鍛えることを考えた方が良いでしょう。
サドルを検討するのはその後からで構わないと思います。
それでも駄目なようであれば、別のタイプのサドルを探してみたり、レーパンなどの使用を検討してみるのが良いと思います。
以上、クロスバイクやロードバイクに乗るのにお尻が痛い問題を解決する方法でした。