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クロスバイクやロードバイクのフレームに組み込める電動アシスト自転車についての記事です。
残念ながら2021年末に公式ページにて下記のアナウンスがされました。
新型コロナウイルスの影響が大きかったものと思います。
また、昨今は大手自転車メーカーからもロードバイクタイプの電動アシスト自転車も増えてきたこともあり、メカニカルドーピングを考える人以外は、メーカーから販売されている電動アシスト自転車を購入するのが一般的になっているのも原因の一つでしょう。
Lieber Kunde,
leider mussten wir aufgrund der schwierigen Saisonen 2020/21 und den massiven Lieferproblemen unserer Vorlieferanten, die sich auch weiterhin fortsetzen, unseren klassischen Shop und Onlineshop schließen. Reparatur- und Motorservicetermine können noch bis Mitte 2022 vereinbart werden.お客様へ
残念ながら、2020/21シーズンの厳しい状況や、供給元の大規模な納期問題により、クラシックショップとオンラインショップを閉鎖せざるを得なくなりました。修理やエンジンサービスの予約は、2022年半ばまで可能です。
電動アシスト自転車で坂道が変わる
電動アシストがあれば坂道も平気
普通の自転車でヒイコラ言いながら登るような坂道でも涼しい顔でスイスイと登ることができるようになる電動アシスト自転車は、一度乗ると手放せなくなるほど自転車の世界を変える装備です。
一般的には電動アシスト自転車と言えば、ママチャリやシティサイクルを思い浮かべます。僕も子育て世代ですので、子供の友達のお母さんたちの多くは電動アシスト付き子供乗せ自転車に乗っていますし、僕自身も電動アシスト自転車を購入しました。
電動アシスト自転車に乗ると子供を乗せた状態で総重量は50kg程度(運転者除く)になりますが、どんな坂道でも座ったまま涼しい顔で登ることが出来るようになります。電動アシストさえあればヒルクライマー顔負けの素晴らしい走りがを手に入れることができるのです。
スポーツバイクにも電動アシスト自転車が波及
電動アシスト自転車と言えばブリジストン、パナソニック、ヤマハですが、各メーカーもママチャリやシティサイクルだけでなくクロスバイクなどのスポーティな自転車にも電動アシスト機能を装備したモデルを出すようになりました。
その中で2015年末にヤマハが販売を開始した電動アシスト付きのロードバイクYPJ-Rはクロスバイクやロードバイクに乗る人の界隈でも大きな話題になりました。
クロスバイクやロードバイクと電動アシストとは相反するもののようにも思えますが、グループライドなどに出かけた際に、体力差を電動アシストでカバーしてくれるので、今までは諦めていたグループライドや難所にも挑めるようになり、電動アシスト付きのロードバイクはガチではない多くの自転車愛好家に自転車の楽しみの世界を広げてくれるものとなりました。
電動アシスト付きロードバイクの販売が開始された当初はガチのロードバイク乗りの方々から「絶対売れない」「意味が分からないwwww」「恥ずかしくて乗れないwwww」などの否定的な意見が多かったと記憶してますし、僕自身もそう思っていましたが、その後は非常に好調でシリーズ化されて横展開をしていたり、有名自転車メーカーも相次いでe-bikeを発表するなど電動アシスト付きのロードバイクが世界中で受け入れられています。
電動アシスト自転車だと見た目で分からない自転車が欲しい!
さて、クロスバイクやロードバイクに電動アシスト機能を付けるというのは、なかなかナイスなアイディアだとは思うのですが、電動アシスト自転車にはバッテリーや駆動系のメカが必須装備となり、せっかくのクロスバイクやロードバイクのカッコ良い見た目とはマッチしないという問題があります。
何かもっと、さりげなくバッテリーが搭載出来る方法はないのでしょうか?。
贅沢を言えば「バッテリーを搭載していると気付かれないような電動アシスト自転車があれば素敵じゃないか!」と思ったので調べてみるとVIVAX assistというロードバイクのフレームに組み込めるタイプの電動モーターを発見しました。
この製品はロードバイクに乗る人達の間でも有名な製品のようで、世界最大の自転車展示会でもあるユーロバイクなどにも出展していてます。
開発は2005年から行われていて、既に15年近くの歴史があ流ようです。その間に小型化や軽量化、そして電動アシスト自転車にありがちなモーター音を減らすなどの改良が加えられ今現在に至るようです。
そんなわけで、ロードバイクのフレームに組み込める電動モーターVIVAX assistについて調べてみることにしました。
ロードバイクのフレームに組み込める電動モーターVIVAX assist
Photo via:http://vivax-assist.com/en/
電動モーターVIVAX assist概要
VIVAX assistは、バッテリーと駆動系の電動アシストシステム全てをシートチューブに収納出来てしまうほどコンパクトな電動モーターです。
開発のコンセプトはヤマハのYPJと同じで、体力に自身のないような人たちでも気軽にロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツバイクでサイクリングが楽しめるようにと考えられたもののようです。
ヤマハのYPJとの大きな違いはその見た目で、バッテリーと駆動系を完全にフレームの中に収めてしまっているので普通のロードバイクと全く同じで、電動アシストが組み込まれているのは見た目から全く判断できない点でしょう。
しかもその重量はわずか1.8kgと軽量で、とかく重量を気にするロードバイクの世界の需要にも応えるものになっているようです。
ちなみに一般的なママチャリの電動アシスト自転車の重量は25kg~30kg程度、電動アシスト自転車としては驚異的な軽量化が出来たと言われるヤマハYPJでさえ16kgです。
VIVAX assistを一般的なカーボンフレームのロードバイクに搭載した場合、10kg台になることを思うと、如何に軽いかが理解出来るかと思います。
駆動時のパワーは200ワット。ハンドル付近にスイッチボタンを配置可能でスイッチのオンオフを手元のボタン一つで操作できるようです。
電動モーターVIVAX assistのスペック
ドライブユニット
メインとなるドライブユニットは2種類。
● vivax assist 4.75(スタンダードタイプ)
● vivax assist 4.90(レースタイプ)
バッテリー
バッテリーはリチウムイオン電池で3種類。
● サドルバッグに収納タイプ
● ドリンクボトルタイプ
● シートポストに組み込めるタイプ。
バッテリー容量はバッテリー容量は2種類。
● 60分稼働できる6.0AHタイプ
● 90分稼働できる9.0AHタイプ
※シートポストタイプはφ31.6 mm か φ30.9 mmに対応
※シートポストはアルミ、アルミ(CaneCreek)、カーボンから選択できます。
※ドリンクボトルとシートポストタイプは6.0AHのみ。
操作系
電動アシストのスイッチはボタンでオンオフの切り替えが出来るほか、一般的な電動アシスト自転車の操作パネルと同様にアシストレベルを調整できるタイプや、ワイヤレスタイプのものもあるようです。
価格
基本価格 €2.849(約400,000円 2018.1.6現在)で、組み込み価格 €3,008(約410,000円 2018.1.6現在)となるようで、それなりの価格になりますね。
モデル
バッテリーと駆動系のセットのみを購入することも出来るほか、既にフレーム内に組み込んだ状態での購入も出来るようです。
フレームのみ、完成車タイプなどが選べます。基本スペックは完成車でコンポーネントにシマノのアルテグラを搭載して重量は10.3kg。
価格は€5.949〜(約800,000円 2018.1.6現在)程度のようです。
ロードバイクの他、マウンテンバイクやクロスバイクに対応させたモデルの取り扱いもあります。
スペックその他の詳しい情報は公式ページで確認できます。
取り扱いディーラー
VIVAX assistを扱うディーラーは残念ながら日本にはないようです。基本的にはEU諸国を中心に流通しているようです。
VIVAX assistを搭載した自転車の動画
ぱっと見で電動モーターが仕込まれているなんて全く判りませんね。動画を見ると想像以上にグングン回ります。
VIVAX assistと同様のシステムが使用されたメカニカルドーピング
フレームに組み込むタイプだと外観からは電動アシスト自転車と判らないのでレースなどでこっそり使用する、いわゆるメカニカルドーピングも懸念されているようです。実際にシクロクロスのレースで初めてメカニカルドーピングが発覚し、使用した選手が失格になるということもありました。
メカニカルドーピングにも色々種類があるようですが、その際に使用されていたとされるのがこのVIVAX assistと同様のシステムだと言われています。
Femke Vanという女性の選手が使用したのが公式レースでの初めて発覚したメカニカルドーピングでしたが、疑惑的なものはYoutubeあたりでmechanical dopingで検索すると色々な動画が見つかり興味深いです。
共通しているのは他の選手が必死にもがいている中で、それでも速度を落としているような状況の中で、疑惑の選手だけは平然とペダルを踏み続け独創してしまうという点で、指摘されれば「確かに不自然だね」と思うような走りが確認できます。
電動アシスト自転車VIVAX assistなどのまとめ
2019年時点での電動アシスト自転車は、各社頑張ってなるべく自然に見えるようなデザインにしようとしている感はありますが、まだまだバッテリー部分が以上に大きくていかにも電動アシスト自転車だという見た目です。
電動アシスト自転車には興味があってもその見た目を敬遠している人も多いでしょうから、もしも多くの電動アシスト自転車がVIVAX assistくらいにうまくカモフラージュできればもっともっと需要が増えるように思います。
メカニカルドーピングはもちろんいけないことではありますが、電動アシスト機能自体はものすごく素晴らしいものだと思うので。今後どんどん良い方向に発展していけば良いのになと思います。バッテリーも小型化と大容量化が日進月歩で進んでいるので、近い将来で見た目が自然な電動アシスト自転車も登場するんじゃないかと期待しても良さそうですね。
その先駆け的な存在としてVIVAX assistの存在は非常に大きいでしょうし、大手メーカーが本気になればもっともっと素晴らしいものができるんじゃないかと思うので、今後も注目しておきたいアイテムの一つです。
追記 2022.1.5
電動アシスト自転車の分野は、この二年ほどで大きく変わりました。
ヨーロッパやアメリカの大手自転車メーカーも電動アシスト自転車に乗り出し、シティサイクル用の自転車だけでなくロードバイクやマウンテンバイクなどでも電動アシストシステムを採用した自転車が多くなり、現状で電動アシスト自転車は自転車メーカーにとって主要なラインになっている感があります。
そんな流れに加えて、新型コロナウイルスの影響もあり、VIVAX assistは閉鎖という流れになったのかなと思います。
昨今の電動アシスト自転車はバッテリー部が気にならない自転車も増えてきたので、時代の変化とともに役目を終了したという感じでしょう。
電動アシスト自転車(e-Bike)に関する記事一覧
参考 自転車メーカーの最新電動自転車
参考 海外の電動自転車の上限速度など
参考 電動自転車に乗って気づいたこと
参考 e-bikeの素晴らしさを語る
参考 ヤマハのYPJってどう?
参考 メカニカルドーピング事情