
自転車の世界には、一般生活ではなかなか耳にしない独特の俗語や言い回しがたくさんあります。
普段は知る必要のない言葉でも、自転車に関わるなら必須の知識になるかもしれません。
ここでは、そうした自転車用語をまとめてみました。
とは言っても網羅しきてれていない部分もあると思いますので、お気づきの点や何か追加したい用語などありましたらコメント欄に投稿いただければ幸いです。
技術系の自転車用語
ケイデンス
1分間あたりのペダル回転数(rpm)のこと。
高ケイデンスはペダルを軽く速く回す走り方、低ケイデンスは重いギアをゆっくり回す走り方を意味する。
ロードバイクでは効率よく長距離を走るため、80~100rpm前後が理想とされることが多い。
エアロダイナミクス
空気力学のこと。
自転車では「空気抵抗を減らす工夫」を指す場合が多く、フレーム形状、ホイールデザイン、ライディングポジションなどが「エアロ」と呼ばれる。
エルゴノミック
人間工学に基づいた、使いやすさや快適さを重視したデザインを指す。
人間の作業動作や特性の法則を知り,それによく合致するような機械設備や環境条件の設計。
長時間のライドでも体への負担を減らすことを目的としている。
オートトリム
変速時にチェーンの角度を自動で微調整し、チェーンとスプロケットの干渉音(チェーン鳴き)を防ぐ機能のこと。
主に電子式変速(Di2など)で採用され、変速操作中にフロントディレイラーが自動的に微調整されるため、滑らかで静かな変速が可能になる。
カーボンラミネート
複数のカーボンシートを樹脂で重ね合わせて成型した構造のこと。
自転車フレームやホイールに使われ、軽量かつ高剛性を実現する。
コンポジット(Composite)
複数の素材を組み合わせて作られた構造や部品のこと。
自転車ではカーボン繊維+樹脂のように、軽量化と剛性を両立させるために使われる場合が多い。
トレーニング・体調系の自転車用語
ハンガーノック
長時間にわたる運動中に、体内のエネルギー(主に血中の糖分=グリコーゲン)が不足して、極度の低血糖状態になることで、乗り物で言うところの「ガス欠」の状態。
足が動かなくなり、ペダルを回せなくなるなどの症状が出る。
英語ではボンキング(bonk)。
ローラー
自転車を固定せずに乗り、屋内で実際に走っている感覚で練習できる器具。
「3本ローラー」「固定ローラー」などの種類がある。
装備・パーツ系の自転車用語
インストール
パーツや部品をフレームや本体に取り付けること。
自転車に限らず、自動車・バイク・カメラなど、機械類にアクセサリーやパーツを組み込む際にも使われる表現。
インナーロー
フロントの小さいギア(インナーギア)と、リアの大きいギア(ローギア)を組み合わせた、最も軽いギア比のこと。
坂道や登りでペダルをラクに回したいときに使う。脚に優しいギアで、長距離ライドやヒルクライムで頻繁に使用される。
バーコン
ドロップハンドルのバーエンドに取り付けるシフトレバーでバーエンドコントローラーの略。
サイコン
サイクルコンピューターの略。
サイクルコンピューターとは、自転車に取付けることで、速度や走行距離などを表示してくれる自転車版スピードメーター+αなアイテムです。消費カロリーやロガー、心拍計、ペダル回転数など細かな情報も計測できるものもあります。
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乙女ギア
女性用ロードバイクや軽めの登坂用として設定された、軽いギア比のフロントギア(小さめのチェーンリング)のこと。
坂道や長距離で無理なく回せるように設計されており、「軽いギア=ラクに走れるギア」という意味で親しみを込めて呼ばれるスラング。
25C
ロードバイクで一般的なタイヤ幅の規格のひとつ。
「25」はタイヤの幅(mm単位)、Cはフランス式規格を示す。
細めのタイヤで軽量かつ転がり抵抗が少なく、舗装路向き。
最近は「26C」「32C」など太めのタイヤに移行している傾向がある。
Continental(コンチネンタル) GRAND PRIX 5000 グランプリ5000 (700×25c) [並行輸入品]
E-スルーアクスル
ディスクブレーキ仕様の自転車で主流となっているホイール固定方式。
従来のクイックリリースに比べて、剛性が高くホイールの固定力が強いのが特徴。
これによりブレーキ性能やハンドリングの安定性が向上する。
ギア比
前ギア(チェーンリング)の歯数 ÷ 後ギア(スプロケット)の歯数で決まる比率。
ペダル1回転あたりに後輪が何回転するかを示し、速度や坂道での走りやすさに直結する。
ギア比が高いほどスピードが出やすいが脚への負荷は大きい。
ギア比が低いほど坂道や登りでペダルを軽く回せる。
QR仕様(クイックリリース仕様)
レバー操作で前後ホイールを簡単に取り外しできる軸構造(クイックリリース)のこと。
工具を使わずにホイールの着脱が可能で、輪行やパンク修理が簡単になるのが特徴。
クリンチャー
チューブを内蔵した一般的な自転車タイヤのこと。
タイヤのビードがリムに引っ掛かる構造でロードバイクやクロスバイクで最も一般的なタイヤ形式。
他のタイプとして「チューブレス(Tubeless)」「チューブラー(Tubular)」がある。
コンポーネント(コンポ)
自転車の変速機・ブレーキ・シフター・クランクなどの主要パーツ群をまとめた呼び方。
例えば「シマノ105」「スラムRed」などが代表的なコンポーネントセット。
海外ではグループセットなどの呼び方が一般的。
シマノのサイトでは「一つ一つのコンポーネント」とあるので、全体のことをコンポーネントと呼ぶ他に、部品、あるいは、ブレーキ部分、シフト部分、クランク部分などもコンポーネントと呼ぶようです。
スプロケ(スプロケット)
後輪に取り付けられた複数の歯車(ギア)の集合体のこと。
リアのギアを変えることで、ペダルの重さやスピードを調整できる。
デュアルピボット
キャリパーブレーキの構造の一種で、2つの支点(ピボット)を持つことで、ブレーキの制動力や引きの軽さを向上させたタイプ。
特にロードバイクのキャリパーブレーキで一般的。
ドライブトレイン
自転車のペダルの力を後輪に伝える一連の部品群のこと。
主に クランク・チェーン・フロント/リアディレイラー・スプロケット(カセット)・チェーンリング などが含まれる。
俗称・呼称系の自転車用語
リム打ち
タイヤの空気圧が低い場合や段差・障害物に衝突した際、タイヤだけでは衝撃を吸収しきれず、ホイールの外周(リム)に直接衝撃が加わること。リムをぶつけてしまうことからリム打ちと呼ばれ、多くの場合チューブに穴が開いてパンクする。
蛇に噛まれたような2箇所の穴が開くため、スネークバイトなどと呼ばれる。
スネークバイト
タイヤが路面の衝撃で強く押しつぶされ、チューブに2つ並んだ穴ができるパンクのこと。
名前の由来は、穴の形がヘビの噛み跡に似ていることから。
石や縁石への衝突、空気圧不足で起きやすい。
ガチ勢
競技志向・速さ重視で走るサイクリスト。
キノコになる
ヘルメットを被ったときに、頭の形やサイズ感でシルエットがキノコのように見える状態を揶揄して言う表現。
特に小柄なライダーやヘルメットが大きめの場合に使われることが多い。
激坂
非常に勾配の急な坂道のこと。
ロードバイクやクロスバイクのライドでは、脚力やギア選択が重要となるチャレンジングな登りを指す。
豪脚(ごうきゃく)
脚力が強く、速く走れる人。特にヒルクライムやスプリントで力を発揮するタイプ。
反対後として貧脚。
貧脚(ひんきゃく)
脚力が弱く、速く走れない人を指す俗称。ロードレースやグループライドで遅れてしまう人を指すことが多い。主に自虐的に使われる。
ツーキニスト
通勤・通学の手段として自転車を使う人のこと。
スポーツ志向というより日常の移動手段として自転車に乗るスタイルを指す。
ピチピチ
サイクリングウェア(レーサーパンツやジャージなど)が身体にフィットしている様子から転じて、サイクリングウェアを着用している人を指す俗称。
ルック車
見た目はロードバイクやMTB風だが、フレームやパーツが安価で性能が低い自転車のことで、見た目だけで性能が伴わない自転車を指す俗称。
自転車メーカーの LOOK(ルック) とは関係がない。
ローディー
ロードバイク乗りを指す俗称。MTBやクロスバイク、ロードバイクなども含めた自転車乗りは一般的に「サイクリスト」と呼ばれるのに対して、ローディーはロードバイク乗りを指す。
レース、楽しみ系の自転車用語
ダンシング
ペダルを漕ぐ際にサドルに座らず立ち上がって漕ぐこと。
坂道やスプリント、加速時にパワーを効率的に伝えるために使われるテクニック。
脚が売り切れる
体力の限界で脚が動かなくなる状態を指す。
特にラストスパートを掛けたくても力が残っていないときによく使われる表現。
脚を削る
走行中に相手や自分の体力をじわじわと消耗させること。
特にレースや集団走行で、ペースアップや風よけを使わせない走り方をすることで相手の脚(スタミナ)を削る、という言い方をする。
アタック
集団走行中にスピードを上げて飛び出すこと。
主にロードレースで使われる表現で、ライバルを振り切ったり、展開を動かすために仕掛ける。短時間で一気に加速する動き。
もがく
自転車で全力を出して必死にペダルを漕ぐこと。特にレースやグループライドのゴール前など、ラストスパート時に使われる表現。
クライマー
登坂(ヒルクライム)に強いライダーのこと。
軽量な体重や脚力を活かして坂道を速く登るのが得意で、山岳ステージや長い坂道で活躍する選手を指す。
グラベル(Gravel)
未舗装路(砂利道や林道など)を走る自転車スタイルや、そのための自転車(グラベルバイク)を指す。
ロードバイクの軽快さと、クロスバイク・MTBの安定性を兼ね備え、長距離・悪路でも快適に走行できる設計が特徴。
「グラベルバイク」「グラベルロード」とも呼ばれる。
グランフォンド(Gran Fondo)
長距離サイクリングイベントのこと。
数十〜数百キロのコースを設定し、制限時間内に完走することが目的。
クリテ(クリテリウム)
短距離周回コースで行われるロードレースのこと。
一般的には街中や競技場で設定されるコースで、スピード感と駆け引きが重要。1周が短いため、観客も間近で観戦できるのが特徴。
ご褒美ライド
目的地や景色、美味しい食べ物などを楽しむためのサイクリング。
「走ること自体が目的」ではなく、ライド後の楽しみや達成感がご褒美となるライドを指す。
抜重(ばつじゅう)
自転車において、体重を移動させることで特定の部分にかかる負荷を一時的に軽くする操作のことで、段差や縁石を超えるとき、前輪が乗り上げる瞬間に体を後方に移して前輪への荷重を軽くするなどの動作を指す。
ヒルクライム
自転車で坂道を登ること。特にロードバイクで行う登坂競技や走行を指す。
ジャックナイフ
MTBの技の一つで、後輪を浮かせて、前輪だけで自転車を立てる技。
ロードバイクやクロスバイクでジャックナイフという言葉が使われる場合は技ではなく、急ブレーキをかけると後輪が浮いてしまうことがありそれをジャックナイフと言ったりする。
ストップアンドゴー(Stop and Go)
走行中に急に止まったり、急に加速したりする動きのこと。
集団走行や信号の多い街乗りで使われるほか、レースではペースの変化で相手の脚を削る戦術としても用いられる。
スプリント
短距離で全力加速してゴールを目指す走りのこと。
レース終盤や信号区間で、順位を競う場面で使われる。
立ちゴケ
自転車から転倒してしまうこと。主にビンディングペダル装着時にクリートが外れずに転倒してしまうことを指す。
千切れる
集団走行中に自分の脚力が足りず、先頭や集団から遅れて置いて行かれることを指す。
坂道やペースアップ時によく使われ、レースやグループライドの文脈で頻繁に登場する。
千切る、
ドラフティング
前を走る自転車の後ろに風よけとして密着して走ること。
空気抵抗を大幅に減らせるため、長距離走行やレースで体力を温存する戦術として使われる。
ブルベ
フランス語で「認定」の意。自転車におけるブルベとは、レースや競技ではなく、規定の距離を規定時間内に走り切ることで認定を受ける走行イベントのこと。
詳しくは一般社団法人オダックス・ジャパンのサイトで解説されています。
ポタリング
自転車で気ままに走ること。スピードや距離を競うのではなく、散歩感覚で自由にブラブラするサイクリングを指す。自転車に乗って目的地の飲食店まで行くようなサイクリング。
自転車関連用語を用いた例文
毎週激坂を探してヒルクライム出かけるローディーの知人は、先週出場したブルベでハンガーノックになってしまい大変な思いをしたらしいです。おまけに足が売り切れてしまってどうしようもなかったらしいです。
そんな知人が新しく買ったサイコンにはケイデンスや心拍数が表示されるそうで練習にも熱が入ると喜んでいます。それらの数値からダンシングしたり、もがいたりする時の負荷を知ることも出来るのだとか。
その知人はヒルクライムだけでなくトライアスロンにも出場する予定で、次は新しいバーコンが欲しいらしいです。僕から見れば恐ろしいほどの豪脚ですが、そんな知人も仲間の間では貧脚なんだそうで、30Tの乙女ギアでも登れない坂も多いとか。
ご近所をポタリングするくらいしかできない僕からすれば、まったく想像も出来ない世界です。一応僕のクロスバイクのタイヤも23Cにして少しは速くなってはいますが、市街地をメインで走るのでストップ&ゴーや段差の多いですし、ビンディングシューズも立ちゴケも怖いので、あまり本格的に乗れていないのが最近の動きです。
最近思うのは23Cだと少し細すぎる感じもするので、リム打ちしてスネークバイトでパンクしてしまう前に25Cくらいをインストールしても良いと思ったりしている今日この頃です。
そもそも、僕の場合ツーキニストですからピチピチになることもありませんし、ロード寄りにカスタムすると不便な事も多いです。実際問題でルック車でも全く問題ないレベルなので、無理をしてロードバイクのような本格的な走りをしなくても良いということに気が付いたので最近はゆっくり走ることを基準にしています。
その方が絶対に安全ですからね。つい先日も坂道を下っていたら逆走の自転車が居てあわててブレーキを掛けてジャックナイフになってしまって冷や汗をかいたところでした。
というような感じで、自転車に乗らない人からすると意味不明な文章になってしまいますが、これがすんなり理解出来るようになれば、あなたも立派なサイクリストになっている証拠かもしれません。






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