Amazonのマーケットプレイス出店者による人気商品のディスカウント販売を装った大規模な詐欺がちょっとした話題になっています。
主にAmazonランキングに入るような売れ筋商品を中心に相場よりもかなり安い価格販売され、注文してもモノが届かないなどの被害が相次いでいるようで、ニュースにもなっています。
Amazon.co.jpに業者や個人が出品できる「マーケットプレイス」で、人気商品を出品しながら購入者に届けない詐欺が横行している。詐欺にあった場合はAmazonに保証を申請すれば代金を返してもらえるが、届け先に指定した住所や氏名などの個人情報は販売者に渡ってしまうので注意が必要だ。
出典:商品が届かない!“Amazonマーケットプレイス詐欺”相次ぐ 激安品に注意|産経ニュース
日頃からネット通販ではAmazonを中心に利用している僕にとっても身近なお話で、ついついAmazonマーケットプレイス詐欺に引っ掛かってしまったようなので、事の顛末を注意喚起がてらまとめてみたいと思います。(現時点ではまだ疑惑)
ゲームや家電がメインかと思っていたんですが、自転車用品なんかも出品されているんですね。
Amazonのマケプレ詐欺に引っ掛かった模様
Amazonを日頃から利用している僕ですから、この詐欺関連が騒ぎになる以前から、怪しい出店者や有り得ない価格の商品が多くなったなと感じてはいました。
例えば上記の商品のように定価が2500円程度(Amazonが販売する価格で1500円前後)のはずのCATEYEの自転車ライトHL-EL140が128円などで売られていると、流石に怪しいと思いますし、出店者の情報を見ても怪しげなショップなのでこのような商品だと、流石に購入することはありません。
そんなことから怪しい出店者を見分けるのなんて簡単だと思っていたんですが・・・
微妙な価格で出品しているモノもある
異常に安い価格だと詐欺だと気付きやすいのですが、近頃は比較的現実味のあるような最安値ギリギリの価格を狙ったような価格が付けられていたりして、価格だけでは詐欺だと判りづらくなっているようです。
詐欺業者の価格 6,251円
例えば、僕が引っ掛かってしまったのはShimanoの片面SPDペダルであるEPDA600ですが、僕が購入した時点での価格が6,251円+送料340円の合計6,591円でした。
Amazon Japan K.G.の価格 6,550円
通常この商品は7,000〜8,000円あたりで推移していたので、その価格からは少し安いという程度の価格でした。
実際問題でこの商品を購入した後にAmazon Japan G.K.が販売していた価格は送料込みで6,550円となっていて、送料を考えればAmazonの方が安い値段で販売されていましたから、現実離れした価格ではないのだと思います。(Amazonの価格は条件によって変動するようで、2017.4.26現在では7,000円前後の相場価格になっています。ちなみに安かったのでAmazonから買い直しました。)
出店者情報からも判断しづらい
Amazonの販売でもなければ、Amazonからの発送でもなかったため、一応、出店者の情報も事前にチェックしておきましたが、僕が購入時点では評価もほぼ100%肯定的で悪いコメントも無かったため大丈夫そうだ、という判断をしてしまいました。
上記の画像では、続々と「出品詐欺です」などの注意を喚起するコメントが追加されています。
どうやら過去に出品していたものの、しばらく放置になっているアカウントなどが乗っ取られるケースも多いようで、このショップも乗っ取られたもののようです。
住所も日本の実在する住所が記載されていたりするので、出店者情報からもなかなか詐欺店舗なのかどうかの判断がしづらい感じですが、怪しい出店者にはても下記のような共通点が多いように思います。
● 発送元がAmazonではない
● 高評価ではあるがコメント古い
● コメントが数年前から止っていたのに最近になって増えている
● 高評価をしているコメントの日本語が怪しい
● 店舗名が意味不明なアルファベットの羅列と番号 例cater752 など
いろいろとおかしい点がある
注文した後もいろいろと不審な点が続きます。
商品ページでの説明では数日後の発送になっていたにも関わらず、すぐに発送情報が届きます。
夜中の購入だったのに発送情報が届いた時点で「おや?」と思うわけですが、さらに発送情報のトラッキング番号と配送業者で「ダメだこりゃ」となります。
日本からの発送のはずが、
発送業者はePacket
お問い合わせ伝票番号:LWxxxxxxxxCN
だったりするのです。
ePacketとは日本郵便の提供する格安な国際郵便サービスで、日本の会社がわざわざこんなサービスで発送することは有り得ません。
お問い合わせ伝票番号も末尾のCNからも判断できるように中国からの発送を意味しています。
一応、Amazonの配送状況の確認画面ではステータスが変化しますが、発送情報が届いてから一日以上経ってもePacketの追跡情報では荷物の情報が反映されません。
大概の場合はデタラメな番号のようです。
Amazonのマケプレ詐欺に引っ掛かった場合の対処法
Amazonマーケットプレイス保証を申請する
Amazonマーケットプレイスで購入したモノに関しては、このような詐欺の問題などもあるため、問題があった場合はAmazonに申請すると返金されるAmazonマーケットプレイス保証というものがあります。
期限や条件などもあるようですが、Amazonのマケプレ詐欺に引っ掛かった場合はAmazonに申請することで金銭的な被害は免れられるはずです。
Amazonマーケットプレイス保証を申請する手順
手順1:出品者に問い合わせをする
Amazonマーケットプレイス保証の説明によると、Amazonマーケットプレイス保証を申請するためには、まず出品者に問い合わせをすることが条件のようです。
問い合わせは「アカウントサービス」>「注文履歴」で該当する商品の右側のボタンの「出品者に連絡する」ボタンから連絡できます。
問い合わせをするとAmazonマーケットプレイス保証を申請することが出来ますが、ひとまず相手からの返事が無いかを待つ必要があり、連絡をしてから2日間は様子を見なくてはいけません。
手順2:マーケットプレイス保証を申請する
出店者に問い合わせをしてから2日間返事が来ない場合、あるいは二日経過した後にはマーケットプレイス保証を申請することができるようになるようです。
申請は注文履歴の該当する商品の右側のボタンの「マーケットプレイス保証を申請する」から出来ます。
申請する為の期限
● 申請可能 届け予定日の最終日から3日後または注文日から30日後
● 申請期限 届け予定日の最終日から90日以内
● 返品商品は商品到着から45日以内に返送
Amazonマーケットプレイス保証の申請期間
とりあえず、マーケットプレイス保証を申請できるようになるのはお届け予定日の最終日から3日後なのでもうしばらく待つ必要があります。
配送予定日から3日を過ぎると、Amazonマーケットプレイス保証の窓口が有効になり申請できるようになります。
Amazonマーケットプレイス保証の申請フォームから申請理由を選択します。
発送日からまだ日数が経っていない場合は、
間違った商品、不具合のある商品、差損された商品が含まれている
しか選択できませんが、数日待つと全てが有効になるので
注文した商品が届いていない
を選択します。
次の設問で詳細を聞かれるので
注文のすべて、または一部が届いていない
を選択します。
申請すると通常は14日以内に調査がされるようで可否が解るようですが、今回の場合は調査が完了する前から返金オプションが利用できるとのことで、Amazonギフト券での返金かクレジットアカウントへの返金かを選択できます。
Amazonギフト券だとすぐにアカウントに入金されるようなので、Amazonギフト券での返金を選択しました。
申請が受け入れられAmazonギフト券での返金となりました。
2時間程度が目安らしいですが数十分後にはAmazonアカウントの残高に振り込まれていました。
これにて一件落着となりましたが、個人情報を取られたという気持ち悪さは拭えませんね。
Amazonのマケプレ詐欺に引っ掛かった場合の対処法まとめ
この一年くらいで中国からの出店者が多くなり、いろいろな商品が増えてきました。
その一方で、どう見ても同じ商品が名前やメーカー違いで販売されていたり、相場から大きく掛け離れた激安商品やコメント欄での怪しい日本語のレビュー、中古品なのに新品の何倍もする価格がついていたりする商品が溢れるようになってきて、非常に不便を感じるようになってきています。
現状でそれらは全て放置されているような状態で、そんな中での今回のマーケットプレイス詐欺は、起こるべくして起こったのかなと思ったりもします。
マーケットプレイス保証が適用されれば、支払ったお金は払い戻しがされるようなので、それほど心配はしていませんが、発送先のなどの個人情報が得体の知れない外国人に渡ってしまったのには不安を感じてしまいます。
これに懲りて今後しばらくはAmazon発送の商品以外から購入するのは控えようと思います。
これって、真面目にやっているマーケットプレイスの出店者にとっても大きなダメージになるんじゃないでしょうかね。
マーケットプレイス保証がダメでもチャージバックすれば良い
ちなみに万が一マーケットプレイス保証が適用されない場合でも、クレジットカード決済の場合、クレジットカード会社は買い手を異常なまでに優遇しているので、返金処理を行なうチャージバックを申請すれば、ほぼ確実に返金されるものと思われます。
僕がかつて海外通販を行なっていた際に、商品を購入して受け取った後にチャージバックをする外国人がタイやインドネシアで多く居ました。
もちろん送った物は返品されませんし、いくら異議を唱えてもクレジットカード会社は購入者を徹底的に保護するため、売り手の意見には耳を貸さず、返金処理を強行してしまいます。
そんな感じでクレジットカード会社が購入者をかなり優遇するため、チャージバック制度を逆手に取ったチャージバック詐欺なるものが存在するくらいですので、Amazonでのマーケットプレイス保証が適用されない場合でもカード会社にチャージバックを相談してみるのが良いでしょう。
また今回の騒動ですが、個人情報の収集が目的という意見が大半のようですが、個人的には糞の役にも立たない個人情報を集めるのもどうも腑に落ちないところもあります。
それよりも一部で説が出ている、Amazonに仕組まれているオート価格変動のプログラムがあって、他に安い商品が出て来るとAmazonが出品している商品も値下がるという機能を狙って通常より価格が安くなったものを買い漁るのが目的なんじゃないかなと思ったりもします。
実際に僕が購入しようとしたPD-A600も詐欺ショップの価格に連動するかのようにいつもよりもかなり安い値段で販売されていましたからね。
マーケットプレイスでの購入は定番のごっつプライスやDOORSだと確実に日本の業者なので安心だと思います。