クロスバイクを買うと、ロードバイクには無いようなモノが付属していたりします。
僕が最初にクロスバイクのESCAPE Airを購入した時に「おや?何だろう?」と思ったのが、後輪のスプロケットの内側に付いているCDサイズの透明な円盤でした。
一般的なロードバイクを見てもそのような円盤は備わっていませんが、クロスバイクやシティサイクルなどには備わっていることがどうやら多いようです。
この円盤の「名前は何なのか?」そして「一体何のために備わっているのか?」さらには「クロスバイクにこの円盤は必要なのか?」についてまとめてみることにします。
クロスバイクの後輪に備わっている透明な円盤はスポークプロテクターと呼ぶ
まずは名前から。
クロスバイクの後輪に備わっている透明な円盤はスポークプロテクターと呼ばれる代物です。
スポークプロテクターはプラスチック製の円盤で、透明、半透明、黒などが主流。
自転車用のパーツとしてシマノ製などがAmazonなどでも販売されていて、その価格は数百円程度となっているようです。
ちなみに英語でもSpoke protectorというのが正式な名称のようですが、パイ皿に似た形状であることから俗にPie plateなどと呼ばれたりもするようです。
スポークプロテクターの役割
スポークプロテクターの役割についてですが、その名前の通りで、スポークをプロテクトするためのモノ。
何故にスポークをプロテクトする必要があるかと言えば、スポークプロテクターが無いと、シフトチェンジした際にチェーンがスプロケットを乗り越えてスプロケットの内側に脱落してしまい、スポークを傷めてしまうようなことが起きたりするんですね。
チェーンが脱落すると、ホイールは回転しているのでそのままガリガリっとチェーンがホイールの中央部に巻き込まれるような感じで食い込んだりすることになります。
その時にスポークが破断してしまったりすることもあるので、そうならないように、チェーンがスプロケットを乗り越えようとするのをストップするためのパーツがスポークプロテクターというわけです。
ちなみにスポークプロテクターは変速機能付きの自転車のみに装備されていて、シングルギアの自転車やチェーンの脱落の心配の無いチェーンカバー付きのママチャリなどには装備されていません。
スポークプロテクターって必要なの?
スポークプロテクターの必要性についてですが、ネットの情報を見ていると、アメリカなどでは装備が義務づけられているなどの情報が見つかります。
その情報を信じると、やっぱりスポークプロテクターは有った方が良いのだろうなと思いますが、MTBR.comなどの自転車サイトのフォーラムでのやりとりを見ていると「フリーハブとスプロケットの間にある円盤は必要なの?」という質問に対して、「無くても良いから取っ払っちまいな!」という意見が大半を占めているので、本当のところは無くても良いモノなのかもしれません。
そんなアメリカはともかくとして、日本の場合はスポークプロテクターの装備についての法律的な決まりは無く、取り外してしまっても問題がありません。
チェーンが脱落しないようにきちんとスポークプロテクターが装備されている方が安全だとは思いますが、スポークプロテクターが必要かどうかを聞かれれば、僕も「無くても良いんじゃないかな」という意見になります。
一般的に変速機能付きの自転車は、整備しないまま乗り続けると次第にワイヤーが伸びたりして少しずつ変速の精度が悪くなってきます。
すると本来はディレーラーの振り幅がローギアで調整されていてそれ以上はシフト出来ないようになっていたものが、次第にズレ始め、スプロケットを乗り越えてしまうようということが起きてしまうのでスポークプロテクターが必要というわけです。
なので、街の自転車をよく観察してみると、変速機能はあるものの、それほど頻繁にメンテナンスをしそうもないシティサイクルや子供用自転車などでスポークプロテクターを装備している自転車が多いのに気が付きます。
クロスバイクもスポーツバイクではありますが、ロードバイクのような本格的なサイクリストが乗るものではなく、どちらかと言えば大衆向けな自転車ですから、スポークプロテクターを装備しておいた方が無難、というような理由で装備されているのかもしれません。
つまり、マメに調整をするのであれば、スポークプロテクターはあまり必要なモノではないと言えるんじゃないかと思います。
そんなわけで、僕もいろいろと整備を自分でするようになったタイミングでスポークプロテクターを外してしまいましたが、特に困ったことも危ない思いもしたことがもありません。
実際問題で停車時からの発進の時にも、いわゆる二速発進をすることが多いですし、坂道でもアウターローと呼ばれるチェーンがタスキ掛け状態になるのを避ける関係で、ローギアに入れる前にフロントをインナーに落としますから街乗りレベルではローギアってあまり使わないんですよね。
ローギアを使わなければチェーンがスポーク側に脱落することもないわけで、やっぱりスポークプロテクターは要らないなという結論になってしまうのです。
スポークプロテクターの外し方
スポークプロテクターの外し方を調べると「割れば良い」などと乱暴な解決策を示している方も多いようですが、当然おすすめの方法ではありません。
一般的な方法で、後輪を外して、スプロケットリムーバー(スプロケット外し)とロックリング締め付け工具があれば、簡単に外すことができます。
スプロケットリムーバー(スプロケット外し)とロックリング締め付け工具は、自転車をメンテナンスをしていく上で頻繁に使用する機会のある工具ですから、この機会に買い揃えておいて損はないでしょう。
最初は力加減も判らず硬くてビビリながらの作業になると思いますが、一度加減が判ってしまえば、どうという作業ではありません。Youtubeなどにも解説動画が沢山ありますので作業の際は参考にしてみると良いでしょう。
BIKE HAND(バイクハンド) YC-501A/YC-126-2A SET シマノ(ロックリング)スプロケット 取り付け/取り外しセット