クロスバイクでより深い前傾姿勢をとれるようにステムを逆付けすることにしました。
ステムを逆付けしたわけですが、そもそもステムは「逆付けして良いものか?」、そして「逆付けすると、どのような変化があるのか?」をまとめてみました。
ステムを逆付けすればハンドルの位置を下げられる
クロスバイクやロードバイクのパーツの一つである、ステムの取り付け方は、ステムがコラムからハンドルに向かって、斜め上に伸びるように取り付けるのが普通です。
しかし、ステムは通常と逆、つまりは天地を入れ替えて逆付けすることできます。
例えば、斜め上に伸びた(ライズした)ステムを逆付すると、ステムは斜め下に向けて伸びるようになります。
この状態でステムにハンドルを取り付けると、ハンドルの位置は必然的に低くなります。
ハンドルの位置が下げられるということは、より深い前傾姿勢がとれるようになり、クロスバイクでもロードバイクのような低姿勢ができると考えたわけです。
ステムの逆付けについて
ステムは逆付けしても良いのか?
ステムの逆付けは、あまり馴染みががないカスタマイズなので、
「ステムを逆付けして良いのか?」
「メーカー非推奨のカスタムではないのか?」
と思う方もいるかもしれません。
答えは逆付けしても構わないということになります。
多くのステムには胴体部分にメーカーロゴがデザインされていたりしますが、そのデザインは上下が逆になっても成り立つようなリバーシブルなデザインになっています。
ステムには天地がなく、逆付けすることも想定されているパーツというわけです。
ステムを逆付けしてみた
逆付け用のステムとしてBazooka(バズーカ) LITE318ステム25 ブラック 120mmを選びました。
このステムを選択したポイントは、ステムのライズ角度が標準的な6°に対して、25°という大きなライズ角になります。
このステムは一般的なロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクに使われるようなステムではなく、自転車の曲芸などで用いられるトライアルバイクなどで主に使われるステムです。
通常はハンドルを高い位置に取り付けるためのライズ角度の大きなステムをあえて逆付けして、普通のステムを逆付けするよりも、さらに深い前傾姿勢を出そうと考えたのです。
ステムのライズ角度については、いろいろと細かく分かれているので、ここでは割愛して話を進めますが、詳しく知りたい方は、下記の記事でまとめているので参考にしてください。
ステムを逆付けした際の見た目の変化
上記の斜視は、ステムを逆付けした後のクロスバイクの横顔です。
Before After
BeforeとAfterの比較画像です。
上向きのステムに見慣れているので、逆付けしたステムには、やはり違和感を感じてしまいますね。
しかし今回のステム交換の目的は、見た目のアップではなく、ハンドル位置を出来るだけ下げてより深い前傾姿勢をとるということなので、その点に関して言えば、正しい方向に変化させることができたと思います。
乗車姿勢がかなり前傾になりました
クロスバイクのステムを逆付けした状態で試走してみました。
最初に乗った印象としては、見た目以上にハンドル位置が下に感じられました。
狙い通りに前傾姿勢を深くすることができましたが、同時に乗り心地も大きく変わり「ちょっとやり過ぎたな・・・」と思うレベルで違いがありました。
それでも違和感を感じたのは最初の15分ほどですぐに前傾姿勢には慣れて「もう少しハンドルの位置を低くしても大丈夫だな・・・」と思えたので試走の段階ではなかなか良い改造・カスタマイズが出来たと感じました。
空気抵抗が減った
ステムを逆付けした結果、空気抵抗に関しては、目論み通り「かなり減った」と実感できるレベルで違いがありました。
ステムを逆付けする前は、上体が起きているため、スピードが出ると空気の壁に向かって身体全面でぶつかりながら走っているような感じだったのですが、ステムを逆付けした後は、空気の壁の中に突入するような感じに変わりました。
ステムを逆付けしたその後
ステムの逆付けで深い前傾姿勢はとれるようになったが・・・
ステムを逆付けした直後の試走では、なかなか良い感じに思えたのですが、その後70km程のサイクリングに出かけてみると、深い前傾姿勢のために常に持ち上げている首が辛くなり、後半の残り20kmくらいはかなり苦痛を伴ったサイクリングになってしまいました。
乗っていて前傾姿勢が辛く感じたりするのは慣れの問題もあると思いますが、今回はそれ以前の問題で、ステムが長くなり、逆付けしたことで、ハンドル位置が低くなっただけでなく、遠くなったことで、無理なポジションになっていることが、乗り心地の悪さの原因になっているかと思います。
いざ乗車してみると乗車姿勢は予想していた状態とは違い、ロードバイクのように骨盤を立てて背中をアーチ状にした前屈みでの前傾姿勢がとれているわけではなく、身体が伸びて突っ伏した状態で自転車に乗らなくてはいけないのです。
要するにポジションが全然出せていないのですね。
短距離であればまだ我慢できる範疇ですが、長距離や長時間のサイクリングでは、腕や首が辛くなるなど問題だらけで快適なサイクリングが出来ない自転車になってしまいました。
そのうち慣れるかもしれないと考え、しばらく乗ってみましたが、乗り心地があまりに悪かったのと、見た目もカッコ良くなかったこともあり、一ヶ月ほどで元のステムに戻しました。
解決策
ハンドルが遠すぎる問題の解決策としては、「もっと短いステムを使用する」、「サドルを前に出す」などで、なるべく手前でハンドルを握れるようにすれば、いくらかましにはなると思います。
ただし、あまりお勧めできるようなカスタマイズではありませんね。
改造・カスタマイズの後はポジションを調整する
ハンドル位置が変わる改造カスタマイズについては、変更後のポジションが変わるところまで考えて計画を立てること、そして、必ず調整を繰り返してベストなポジションを出すことが大切だということを改めて感じました。
クロスバイクでロードバイクなどのような前傾姿勢をとる為には、ステムを長くして前傾姿勢を低くすれば良いというわけではなく、ハンドル位置を下げつつステムを短くして、元のハンドルよりも近付くようにする必要があり、ステムだけを交換すれば良いというような単純なお話ではありませんでした。
そんなわけで、せっかく購入したステムでしたが、使わないままお蔵入りとなり無駄になってしまいました。
しかし、いろいろ体験的に学ぶことができたので、それはそれでよい勉強になったと思います。
こうしたトライ&エラーを繰り返すことも、自転車を改造カスタマイズすることの楽しみの一貫ですから、これはこれで良かったんじゃないかと思います。
次回のチャレンジの時には、失敗した経験を活かして、しっかりと改造後のポジションを意識して計画をしたいと思います。