ENVEやGIANT、CADEX、ZIPPなどが採用する「エンドレスリム」について、その特徴やメリットなどについてまとめています。
フックレスリムとは

通常のホイールのリムには、タイヤを固定するために、タイヤのビード部分をリムの内側に引っ掛けるためのフックが備わっています。
これに対して、フック部分が無い形状になったリムはフックレスリムと呼ばれます。
そもそも、リムにフックが備わっているのは、チューブを使用する前提の構造で、タイヤの脱落を防ぐことが目的だったようです。
チューブレスタイヤではフックレスリムが基本
自転車業界ではチューブを使用したタイヤの構造が一般的でしたが、自動車業界などでは早くからチューブレス化が進んでいて、フックレスリムが基本となっています。
つまりは、フックレスリムは特別に新しい構造というわけではなく、昔からある構造で、チューブレスを前提としたリムになるのです。
自転車業界もチューブレスが一般的になってきたことで、チューブレスに適した構造のフックレスリムも増えてきたというわけですね。
フックレスリム対応のタイヤが必要
フックレスリムに対応したタイヤを使用する必要があります。
フックレスリムに対応しているタイヤについての情報は、GIANTやCADEX、ENVEなどのホームページで公開されています。
参考 使用できるタイヤ|CADEX
参考 使用できるタイヤ|GIANT
例えば、高性能なロードバイク用のタイヤとして有名な「Continental GP5000」と呼ばれるタイヤがありますが、同じGP5000シリーズの中でも、フックレスリムに対応したタイヤと、非対応のタイヤがあります。
フックレスリム対応のContinental GP5000
Continental GP5000 S TRはフックレスリム用ののタイヤです。
ただし、700x25Cサイズは、Continental のリム内幅に関する仕様により、GIANT SLR 42およびSLR 42 Disc Hookless WheelSystemにのみ使用ができます。
フックレスリム対応のContinental GP5000
Continental GP5000 TLはフックレスリムのホイールでは使用できません。
ETRTO 規格準拠のフックレスリムが推奨される

フックレスリムはETRTO 規格(ETRTO: European Tyre and Rim Technical Organization) によって規格が定められていて、各タイヤメーカーはこの規格に準拠した基準でタイヤを製造しています。
なので、基本的にはフックレスに対応したタイヤであれば、フックレスリムに問題なく使用できるはずなのですが、中にはETRTO 規格に準拠していない製品も出回っていたりするようです。
なので、なるべくであれば、フックレスリムのメーカーとして有名なGIANTやENVEなどの有名メーカーのホイールを使用するのが安心ということになります。
推奨空気圧には特に注意
フックレスリムの管理について、どのメーカーでも必ず繰り返し書かれているのが空気圧の管理です。適正な空気圧で使用することが安全性を保ち、性能を最大限に発揮できるとしています。
フックレスリムは基本的にはチューブレスリムとして使用
フックレスリムは基本的にはチューブレスで使用することが前提になっていますが、GIANT社のフックレスリムの場合、GIANTテストプロトコルに合格していれば、チューブの使用もできるようです。
要するにチューブレスレディなリムというわけです。
ちなみに、GIANT社のフックレスリム用のタイヤをフック型リムのホイールで使用することは可能とのことです。まぁあくまで緊急時や例外的な場合というような感じで、チューブレスで使用するのが基本というところにはなると思います。
フックレスリム対応のクリンチャータイヤもある
フックレスリムのホイールには、基本的にはクリンチャータイヤは使用できないと思っておけば間違いはありませんが、中にはフックレスリムに対応したクリンチャータイヤもあります。
IRC ASPITE PRO SUPER LIGHTはクリンチャータイヤながらも、フックレスリムに対応したタイヤです。
フックレスリムのメリット
軽量化できる
フックレスリムはフック型リムと比較すると、フックが無い分、リムの内側が広くなります。そのため、同じ太さのタイヤを使用した場合、リムの内側が広いフックレスリムの方がタイヤの容積が大きくなります。
つまり、同じ太さのタイヤを使用した場合でも、タイヤの容積を考えると、フックレスリムの方が太いタイヤを使用しているのと同じ状態になります。
逆に考えると、フックレスリムでは、一般的な太さのタイヤよりも細いタイヤを使用しても、一般的なタイヤを使用しているのと同じ程度のタイヤ容積を得ることができるのです。
例えば、ロードバイクなどで一般的なタイヤのサイズは700x25Cですが、これとだいたい同じタイヤ容積を700x23Cのタイヤでも得られるというような考え方ができます。
タイヤは細いほど重量は軽くなるので、同じタイヤの体積を得ながらも、軽量化が期待できるというわけです。
まぁ、実際はフックレスリム用のタイヤは25C以上が多いのが現状ではありますが。
また、リムからはフックの部分がなくなった分、重量が軽くなります。
ZIPPのチューブレスリム、303 Firecrest Tubeless Discなどは、フック型リムのホイールと比べて前後で290gも軽量化したという話もあり、見た目ではとても小さな部分ではありますが、それでも大きく変わるものですね。
ハンドリング性の向上
フックレスリムだとタイヤが丸い状態を保ちやすくなるため、転がり抵抗が減って、コーナリングなどでもしっかりとしたグリップを得られるようです。
耐久性の向上
フックレスリムのホイールは基本的にカーボン製というところで、フック型リムよりも、カーボンの構造をより耐久性のある構造にすることができ、耐久性が高くなっているようです。
ちなみに、グラベルロードなどの太いタイヤを使用するジャンルでは、フックレスリムを採用したアルミホイールが見られるようになってきています。
エアロダイナミクス効果が期待できる
フックレスリムは適正なタイヤを使用することで、リムとタイヤの接合部が真っ直ぐに近い形になり、リムとタイヤの境目の空気の流れがより安定することにより、エアロダイナミクス効果が期待できるようになります。
乗り心地が良くなる
フックレスリムになると、タイヤの空気圧はクリンチャーなどと比べて低圧で良くなります。また同じサイズのタイヤを使用すると、フックレスリムの方が容量が大きくなるので、空気量が大きく、振動などが伝わりづらくなるため、乗り心地が良くなります。
製造コストを抑えられる
フックレスリムにすることで製造時の工程を減らしたり、製造エラーを少なくすることができるため、製造コストが下げられるというメリットがあります。
生産が安定すれば価格も下がってくるものと思われ、より一層、フックレスリムの普及に貢献しそうな気がしますね。
フックレスリムのホイールを製造するメーカー
● GIANT
● CADEX
● ZIPP
● ENVE
● MAVIC
● トーケン
● ICAN
高コスパのカーボンホイールメーカーICANでもフックレスリム
中国のカーボンホイールメーカーの中でも評判の高いICANもフックレスリム構造を採用したホイールが販売しています。
● 650B G25グラベルホイール
● 700C G22グラベルホイール
● 00C G24グラベルホイール







