ロードバイク用のホイールは2019年10月現在で11速用が主流です。なので今ロードバイク用のホイールを購入する場合は11速対応のホイールになると思います。
しかし問題となるのが、クロスバイクの場合、ロードバイクのように11速が主流ではありません。クロスバイクは8速や9速が主流になるため、クロスバイクでロード用ホイールを購入する際には互換性の有無が気になると思います。
果たしてクロスバイクで使用されている8速や9速のカセットスプロケットは11速対応のロード用ホイールに使用できるのでしょうか?。
結論から言えば8速/9速用のカセットスプロケットは11速用のホイールにも使用出来ます。
ただ、自転車のホイールには11速用の他に10速用/9速用などの種類があります。加えてカセットスプロケットも8速/9速/10速/11速と種類があり、それぞれに厚みが違うため互換性のある組み合わせと、互換性の無い組み合わせが混在しています。
少しだけややこしいので、できるだけ詳しく解説してみます。。
ホイールのフリーハブの長さとカセットスプロケットの幅で取り付けの可否が決まる
ホイールとカセットスプロケットの取り付けの基本としてホイールハブの長さとスプロケットの幅を確認する必要があります
ホイールにスプロケットを取り付けられるか否かは、カセットスプロケットを取り付ける軸であるホイールハブの長さと、カセットスプロケットの幅で決まります。
ホイールハブの長さが、カセットスプロケットの幅よりも長ければ取り付けができますが、短ければ取り付けができません。
このホイールハブの長さとカセットスプロケットの幅はギア数によって違っているので、ホイールが何速に対応しているかということと、スプロケットのギア数がいくつかによって、取り付けできるものとできないものの判断ができます。
カセットスプロケットの幅
カセットスプロケットの幅は
11速 > 8/9速 >10速
の順に太くなっています。
11速用が最も幅があるのです。ギアの枚数が一番多いのでスプロケットの数も必然的に多くなり幅が増すというわけです。
しかしややこしいのは、ギアの枚数とスプロケットの幅厚が比例しているわけではない点です。8速用と9速用のギアでは同じ幅になっていて、何故か10速用のスプロケットの幅が最も薄くなっています。
一方、ホイールのフリーハブはそれぞれのギア数に対応した長さになっています。つまり11速対応のフリーハブは最も長いですし、8速対応のフリーハブは11足用のフリーハブよりも短くなっています。10速対応のフリーハブは最も短いので10速用のスプロケットにしか取り付けが出来ません。
ホイールとカセットスプロケットの対応表
11速用ホイールに10速のカセットスプロケットを取り付ける
11速用のホイールのフリーハブは最も長いので10速や9速・8速用のスプロケットの取り付けが可能です。
ただし、そのまま取り付けるにはフリーハブが長すぎて不具合が出るため、ホイールとスプロケットの間にはスペーサーを使用しなければいけません。
11速用のホイールに10速のカセットスプロケットを取り付ける場合、11速用のホイールのフリーハブは10速用のホイールのフリーハブと比べて2.85mm長くなっているため、辻褄を合わせるためにスペーサーを使用して対応させるのです。
1mm +1.85mm スペーサーを使用する
11速用のホイールに10速用のカセットスプロケットを使用するためには、ホイールとカセットスプロケットの間に専用の1.85mm幅のスペーサーと1mmスペーサーをセットにして入れる必要があります。
1.85mm+1mm幅のスペーサーを入れることで、都合2.85mmの幅が調整でき、11速用のホイールでも10速用のカセットスプロケットが使用できるようになります。
大抵の場合、1.85mmスペーサーは11速用のホイールを購入した際に一緒に同梱されてきますし、1mmのスペーサーは10速のカセットスプロケットを購入すると同梱されてきます。
※10速用では通常1.85mmのスペーサーの他に1mmのスペーサーを入れなければいけないようですが、CS-4600 Tiagraのスプロケットに関しては10速ではありますが、9速用のカセットスプロケットと同じ厚みがあるため1.85mmのスペーサーだけで良いようです。
11速用ホイールに8速/9速のカセットスプロケットを取り付ける
1.85mm スペーサーを使用する
8速や9速のカセットスプロケットは11速のカセットスプロケットよりも幅が狭いため11速用のホイールに1.85mmのスペーサーを入れることで8速や9速のカセットスプロケットを取り付けられます。
ちなみに8速と9速のカセットスプロケットの幅は同じです。
11速用ホイールは8速、9速、10速のカセットスプロケットに対応
つまり、11速用ホイールにはスペーサーを入れれば8速、9速、10速のカセットスプロケットが全て使用できるということになります。
10速用ホイールに11速のカセットスプロケットは取り付けできない
10速用ホイールに11速のスプロケットは取り付けできない
10速用ホイールを11速のカセットスプロケットを取り付けしようとすると、10速用ホイールのフリーハブの長さは11足用よりも短いため11速用のカセットスプロケットが取り付けられません。
なので、そのあたりを考えずに元々10速だった自転車を11速化してしまうと、元々付いていた10速用ホイールが使えなくなってしまい、新たに11速に対応したホイールを買う必要があります。
10速用ホイール対応の11速カセットスプロケットもある
10速用のホイールに11速のスプロケットを取り付けは基本的にできませんが、TOKENというメーカーが通常の11速用カセットスプロケットよりも幅の狭い11速用カセットスプロケットを販売しています。
そういった一部ユーザー向けのマニアックなスプロケットであれば、本来は取り付けができないはずの10速用ホイールに11速用のスプロケットを取り付けることもできます。
10速用ホイールに8速/9速のカセットスプロケットは取り付けできない
10速用ホイールに8速/9速のカセットスプロケットを取り付けようとしても取り付けできません。8速/9速のカセットスプロケットは10速用カセットスプロケットよりも幅が広いので取り付けることができないのです。
つまり、10速用ホイールに取り付けられるカセットスプロケットは10速しかありません。
8速/9速用ホイールに10速用のカセットスプロケットを取り付ける
1mm スペーサーを使用する
8速/9速用のホイールに10速カセットスプロケットを取り付ける際には1mmのスペーサーを入れれば取り付けられます。
例外としてCS4600 Tiagraに関しては10速ながら8速/9速カセットスプロケットと同じ幅があるためスペーサー無しで大丈夫です。
8速/9速用のホイールに11速のカセットスプロケットは取り付けできない
8速用/9速用のホイールに11速カセットスプロケットは取り付けられません。8速用/9速用のホイールのフリーハブよりも11速カセットスプロケットの方が幅があるためです。
なので8速/9速用のホイールを使用していて11速化するには11速対応のホイールにする必要があり、8/9速用のホイールを流用することはできません。
11速用ホイールに8速/9速/10速のカセットスプロケットを取り付けられるのか?のまとめ
ホイールが11速対応のものであれば8速/9速/10速いずれのカセットスプロケットにも対応しているので、11速対応のホイールであれば8/9速や10速のカセットスプロケットをそのまま流用できるというメリットがあります。
現状として販売されているホイールのほとんどは11速対応なので、ホイールだけ最初に11速対応にしてカセットスプロケットは流用して、あとから11速化するというのもありかと思います。
11速用ホイール
10速カセットスプロケット ◯ 1mm + 1.85mmスペーサー
8速/9速カセットスプロケット ◯ 1.85mmスペーサー
10速用ホイール
11速カセットスプロケット ×
8速/9速カセットスプロケット ×
8速/9速用ホイール
11速カセットスプロケット ×
10速カセットスプロケット ◯ 1mmスペーサー