自転車の改造カスタマイズを自分自身でやろうと思うと自転車用の工具類が必須になります。
六角レンチやドライバーなどの自転車の整備メンテナンスの基本的な工具はもちろんですが、チェーンカッターやペダルレンチなど自転車専用の工具類も必用になります。
工具類を一式揃えようと思うと意外とまとまった出費になりますし、工具が増えればゴチャゴチャさせないために工具箱なども考える必要があります。
そんなわけで必要な工具をその都度買い揃えるバラ買いと、工具セットで一気に揃えるをのとどちらが良いのか?というのが自転車界隈でもよく議論に上がったりもします。
僕の場合もクロスバイクを改造カスタマイズするために色々な工具を揃えていますが、個人的な経験を踏まえて、工具類はバラで買うのかセットで買うのかのどちらが良いかを検討してみたいと思います。
自転車用工具の揃え方
最初は六角レンチを購入しなさい
僕はクロスバイクを購入するまでは自転車や機械類をいじるようなことは全く無かったので、個人的に所有していた工具と言えばプラスドライバーとマイナスドライバーをそれぞれ1本くらいでした。
そんな程度の工具では自転車の整備やカスタマイズが出来るわけもないので、最初の取っ掛かりとしてKTCの六角レンチセットを購入しました。
六角レンチセットさえあればとりあえずの自転車の基本的な整備やメンテナンスはできるからです。例えばサドルの調整やボルト類が緩んできたら増し締めなどが必用になりますから本格的に自転車いじりをしない人でも六角レンチのセットは持っておいた方が良い必須工具です。
六角レンチを選ぶ際のポイント
六角レンチを選ぶ際のポイントは下記の通り。
● ボールポイントタイプが便利
● ロングタイプが使いやすい
● レインボー(カラフルタイプ)だとストレスが少ない
ボールポイントタイプの六角レンチは六角レンチの長いアームの先がボール状になったレンチで、ネジ穴に斜めに挿入してもネジを回せるという特徴があり、メカ部分やブレーキ部分などゴチャゴチャした部分をメンテナンスする場合に便利だと感じることが多いです。
また六角レンチには大小様々な種類がありますが、自宅での整備やメンテナンス用に使用するのであれば長さのある六角レンチを使用するのがおすすめです。長さがあると邪魔なものがあっても差し込めますし、ネジを回す時にも調子が良いです。
そしてレインボーカラーに色分けされた六角レンチは特におすすめです。自転車では4ミリ、5ミリ、6ミリあたりの六角レンチの使用頻度が高いのですが、サイズを判断するのが見た目だけだと難しいく、よく間違えます。
レインボータイプの六角レンチを使うと色でサイズを判断できるので、間違いが圧倒的に少なくなりストレスが少なくて済むのです。使用する前までは「たかが色違いにしてるだけじゃん」などと思っていましたが、実際に使用してみると、レインボーカラーの六角レンチ意外は使用したくないと思うほどです。
レインボータイプの六角レンチと言えばPBと呼ばれるSWISS TOOLSの六角レンチが代表的なメーカーです。
必要な工具を徐々に買い足す
最初は六角レンチのセットを購入し、その後、パンク修理などで必要なタイヤレバーやチェーンカッターなど必要に応じて、その都度買い足していくのが良いと思います。
最初は本格的に改造カスタマイズをするようになるかどうかも判りませんし、まずは基本的な工具だけ購入してみて、必要な工具をその都度その都度買い足しながら様子を見れば良いと思います。本格的な改造カスタマイズをしていくようであれば、工具セットの購入を考えてみるというような流れが良いでしょう。
僕はセットで工具を購入したこともありますが、結果的には自転車用の工具はセットではなくバラで購入した方が良いと思います。
自転車用工具はバラで揃えた方が良いと思う理由
セットで買うと使わない工具も多いし既に持っている工具と重複する
自転車用工具セットの内容にも依りますが、5,000円〜10,000円程度の工具セットを選べば、素人レベルの自転車整備、改造カスタマイズでは十分な工具が揃えられると思います。
必用な工具どころか使わない工具まで工具セットには含まれていたりするので、既にいろいろな工具を購入している場合は工具が重複してしまうことになります。
要するに無駄が発生してしまうのです。いくらセットで安く購入できたとしても無駄が多くては意味がありません。
セットで買うと工具を選べない
工具セットだと工具を選択できません。
同じように見える工具でも、少し長さが変われば使い勝手が違ってきます。お気に入りの工具メーカーの中でさえ様々なグレードがあり、グレードが高いほど一般的には精度も高くなり使い勝手も良くなります。
値段が高くてもグレードの高い工具を購入すると使用する時の作業がやりやすくなるだけでなく、気分良く使えるようになります。結果的にメンテナンスやカスタマイズが楽しくなります。
なので六角レンチのように頻繁に使う工具はちょっと奮発して良いものを購入した方が良いと思います。
一方で滅多に使わない工具もたくさんあります。そのような工具は使い捨て感覚で安物でも良いと思います。
ところが工具セットの場合は基本的に全て同じグレードの工具になるわけです。
僕が購入したバイクハンドの工具セットはあれこれ揃って5,000円程度でしたが、後から購入したSWISS TOOLSの六角レンチはそれ単体で8,000円くらいしました。
要するに5,000円程度の工具セットに入っている工具類はかなりグレードの低い工具と言えるでしょう。安いには安いなりの理由があり、壊れやすかったり精度が悪かったりするなどであまり良いことはありません。
実際に使ってみると解ることですが、同じ工具でもメーカーやグレードが違えば使い勝手は大きく変わります。バラで購入すればそれぞれの用途や頻度に応じて適した工具を選択することができます。
工具セットで必用な工具が全て揃うわけではない
自転車用工具セットを買えば、自転車のメンテナンスや改造カスタマイズに必要な工具はほぼ揃えられると思いますが、それで用事が足りるわけではなく、ワイヤーカッターや木槌など一般的な工具セットには含まれていないけれど必用な工具も意外と多いです。
工具セットはケースに入っていて便利に思えますが、後から追加した工具類は工具セットのケースには入りませんから別の収納を考えなくてはいけなくなります。結局工具セットのケース以外にもケースが必要になるのです。
だったら、バラで購入して全てを一つの収納ケースに入れたほうが良いと思います。実際問題で僕も最初は工具セットを購入しましたが全て別の工具箱に移し替えました。
工具が壊れたり紛失すると憂鬱
工具も消耗品ですから頻繁に使っていると壊れたり使えなくなってしまうこともあります。紛失してしまうこともよくあることです。
工具一式セットの場合ケースにぴったりと収まるように置き場所が決まっていたりするので、たった一つの工具が欠けてしまっても歯抜け状態になり憂鬱な気分になります。
それなりにグレードの高い工具セットの場合は単品売りもされている場合が多いので買い足せばどうにかなるとは思いますが、お手頃価格の自転車用工具セットの場合はそのセット専用に作られた安い工具の寄せ集めである場合も多く、バラで買えないものも多いです。そのため、欠けたセットを埋めることができなかったりします。
また、ケース自体が壊れてしまったりすることもよく有ることで、最終的には工具箱が必要になり、セットで購入した意味が薄れていくことになります。
自転車用工具はセットで買うかバラで買うかのまとめ
必要な工具を頻度に応じて選ぶ
自転車用工具セットを購入しても使用しない工具も沢山あります。また中途半端なグレードの自転車用工具セットを購入すると、工具は沢山入っていても、それぞれのグレードは低い粗悪な工具だったりして使い勝手が悪く、頻繁に使う工具の場合は壊れたり精度が悪くなったりして結局買い直すなんてこともあります。
なので、工具の使用頻度に応じて適した工具を購入した方が無駄が少ないですし使用する際の気分も大きく違います。
特に、頻繁に使用する六角レンチやドライバー、ワイヤーカッターなどの工具に関しては少々高くても有名メーカーの工具を選択した方が良いと思います。高価な工具の場合は精度や使い勝手が大きく違って、大抵の場合は価格に比例して使い勝手が良くなります。
僕自身お手頃価格の工具セットを買いましたが、そのほとんどを今現在使っていません。頻繁に使う工具は限られているので、そのような工具は新たにちゃんとしたものを買い直してそちらを使っています。
何度も書きますが、きちんとした工具の方が圧倒的に使い勝手が良いですし、使用している時の気分も良いですから、後から買い足した工具の方が断然調子が良いのです。
有名な工具メーカー
六角レンチやドライバーで有名なメーカーと言えばPB SWISS TOOLSかWeraなどになるかと思います。これらのメーカーの工具を買っておけばまず間違い無いと思います。
工具は歴史的な背景もあるので、工業の国ドイツや精密機械の国スイスなどのメーカーが多くなります。
工具・ツールの収納(工具箱)について
工具・ツールをバラで買っていると困るのが収納です。工具セットと違って専用の工具箱が無いので自分で用意する必用があります。工具箱も探せばピンキリでいろいろなものが見つかりますが、僕は工具箱としてリングスターの収納ボックスを使用しています。
リングスターは釣り界隈では有名なメーカーで軽くて丈夫でお手頃価格、しかもサイズも豊富でスタッキングもできるのでお勧めです。
樹脂製なので室内で作業をしていてもフローリングを傷つけづらいというのもポイントです。工具箱と言えば金属製のものがプロ用ぽくて格好良いのですが、室内で使用するとフローリングを傷だらけにしてしまう可能性もあるのですよね。
工具セットにこだわるなら高級なものを選ぶ
工具はバラで買った方が良いと言いつつも工具セットには男心をくすぐる不思議な魅力があるのもまた事実です。
僕自身も子供の頃にお父さんの持っている工具セットに憧れていたこともあり「工具セットを持つ」ということは有る意味少年時代の憧れを叶えることでもあり、どうしても工具セットが欲しいと考える人も多いかと思います。
どうしても工具セットにこだわりたいのであれば、中途半端な価格のモノではなく、しっかりとしたプロツールを購入した方が良いと思います。
数万円の工具セットになれば、工具のグレードも高くなりますし、万が一壊れたり紛失したりしても単品で購入できるのでセット内容が欠けてしまう心配がありません。
例えばシマノのPROのセットなどはそれなりのグレードのものが揃っていますし自転車のメンテナンスや改造カスタマイズに必要な基本的な工具が揃っています。何よりも自転車部品メーカーのシマノの製品ですから安心感が段違いです。
シマノのコーポレートカラーのブルーがアクセントカラーで入った工具は見た目もかなり格好良いです。
逆に数千円で買えるような工具セットの場合、安物の工具しか入っていないので安物買いの銭失いになりやすく買わない方が無難です。
以上、自転車用工具はバラ買いかセットで買うべきかについての個人的な考えをまとめてみました。参考になれば幸いです。