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プロカメラマン直伝!自転車写真をカッコ良く撮るためのポイント

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自転車写真の撮影方法とポイント

自転車に乗って遠出したりすると、訪れた現地の風景を背景に自転車の写真を撮りたくなります。

実際、ロードバイクやクロスバイクなどの自転車系のブログなどを見ていると、愛車の写真を撮影している方をたくさん見かけます。

僕自身、自転車の写真をよく撮影しますが、なかなか思ったようにカッコ良く自転車の写真を撮影することができません。

上手く撮影したいと考えていますが、いざ撮影してみるといつもイマイチな写真が出来上がってしまうのです。

そこで、いろいろな自転車メーカーのカタログの写真を見て、それらの写真に共通したポイントを見つけ出して、自転車写真をカッコよく撮るための基本のポイントについて研究したことを、この記事ではまとめています。

さらに今回は、「写真のことはプロカメラマンに聞け!」ということで、実際にプロのカメラマンにお願いして自転車を撮影してもらい、自転車写真をカッコよく撮影するためのポイントやコツについてアドバイスをもらいました。

ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなど自分の自転車をカッコ良く撮影したいと考えている人は是非読んでもらいたい内容になっています

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  1. 自転車写真撮影の基本
    1. 自転車は必ず「右向き」にして撮影する
    2. クランクはシートチューブと角度を揃える
      1. クランクとシートチューブの角度が揃った写真
      2. クランクとシートチューブの角度が揃ってない写真
      3. クランクの角度はチェーンステーの角度と揃えても良い
    3. チェーンはフロントアウターにする
    4. 自転車のホイールは前後でロゴやマークを揃える
      1. バルブの位置は真下で揃える
      2. ホイールのマークとタイヤのマークも前後で揃える
    5. 目線の高さは「自転車のハンドルの高さ」に合わせる
      1. ハンドルの位置に目線の高さがある写真
      2. ハンドルよりも低い位置に目線の高さがある写真
    6. 自転車の水平垂直を意識する
    7. 自転車のパーツをアップで撮影する
    8. 背景を工夫して自転車を撮影する
    9. パースを効かせて奥行きのある自転車写真にする
  2. ポイントを押さえると自転車写真が劇的に変わる
      1. ポイントを意識する前の自転車の写真
      2. ポイントを意識した後の自転車の写真
    1. 素人が撮影した自転車写真の限界
  3. プロカメラマンに自転車写真を依頼した結果
    1. フォトグラファー・篠部雅貴氏(シノベ写真事務所)に相談
    2. プロカメラマンが撮影した自転車写真作例
      1. 作例1:真横からの王道カット
      2. 作例2:逆光×ローアングルで物語を作る
      3. 作例3:合成による表現力
      4. 作例4:光の“時間”を待つ
  4. プロカメラマン直伝!自転車写真カッコ良く撮影する方法
    1. 目線の高さを変えて自転車写真を撮る
      1. アングル上
      2. アングル中
      3. アングル下
      4. 平凡な写真になりそうな時は目線の高さを変えてみる
    2. 広角レンズで自転車写真を撮影する
      1. 広角レンズで撮影すると被写体が小さくなる問題の解決方法
      2. 広角レンズ特有のパースを活かせばダイナミックな写真になる
    3. 逆光を利用してドラマチックな自転車写真にする
      1. 順光と逆光の基礎知識
      2. 逆光で自転車が暗く写ってしまう場合の対処法3つ
        1. カメラ補正機能を利用する
        2. フラッシュ撮影する
        3. メタリックな質感もフラッシュで強調される効果がある
        4. 明るさを自転車に合わせた写真と背景に合わせた写真を合成する
  5. これがプロカメラマンが撮影した自転車写真だ!
  6. 自転車写真をカッコ良く撮る方法 まとめ
    1. プロの写真は、やはり別次元だった
    2. 手間を惜しまないことが、写真の質を上げる
      1. カッコ良い写真を撮影するためには努力が必要
    3. 謝辞

自転車写真撮影の基本

自転車は必ず「右向き」にして撮影する

自転車写真の基本は横向き真正面

クロスバイクやロードバイク、マウンテンバイクなどの自転車写真は「右向き(右頭)で撮影する」のが基本です。

その理由は、クランク部分をしっかり見せるため。

クランクは、自転車のメカ感や力強さを象徴するパーツで、いわば自転車の“顔”とも言える存在です。
このクランクを手前にして、はっきり見えるように撮影しようとすると、自転車は必然的に右向きになります。

実際に、ロードバイクなどの自転車メーカーのカタログや公式サイトを見てみると、メインの写真はほぼ 100%右向き になっているはずです。

これは自転車の写真を撮影するポイントとして基本中の基本なので、必ず右向きにして撮影をするようにしましょう。

余談ですが、自転車を右向きに撮影するのは日本人では違和感を感じる人も多いようです。
これは左側通行が基本になっているからだと思われます。

実際、サイクリングの途中で進行方向のままガードレールなどに自転車を立てかけて撮影しようと思うと、自然と自転車は左向きになってしまうんですよね。

クランクはシートチューブと角度を揃える

クランクとシートチューブの角度が揃った写真

クランクはシートチューブと平行にする

自転車を右向き(右頭)にセットしたら、次に気をつけたいポイントが「クランクの角度とシートチューブの角度を揃える」 ことです。

クランクとシートチューブが同じ角度になることで、ラインが揃うので、直線的なイメージになり、フレームのラインが強調&シンプルに見えて、すっきりとした印象になり、見栄えが良くなります。

ラインが揃うことでフレームの造形が強調され、余計な情報が減って、シンプルですっきりとした見栄えになるのが大きなメリットです。

クランクとシートチューブの角度が揃ってない写真

クランクはシートステーと平行にする

クランクとシートチューブの角度が揃っていないと、チグハグでバランスの悪い写真になってしまいます。

ほんのわずかな違いですが、クランクは非常に目立つパーツなので、写真全体の印象に与える影響は意外と大きいポイントです。
「なんとなくカッコよく見えない」と感じる写真の原因は、このクランク角度にあることも少なくありません。

また、見落としがちですが、ペダルの角度は必ず水平 になるように注意しておきましょう。
せっかくクランクとフレームのラインを揃えても、どこか落ち着かない印象の写真になってしまいます。

クランクの角度はチェーンステーの角度と揃えても良い

チェーンステーと揃えても良い

クランクの角度はシートチューブの他に、チェーンステーの角度と揃えても見た目が良くなります。

いずれにしても、クランクは目立つ部分なので、フレームのいずれかのチューブのラインとクランクの角度を揃えるというのが基本になります。

自転車メーカーのカタログを確認すると、必ずと言って良いほどシートチューブか、チェーンステーとクランクの角度を揃えた状態で撮影されているはずです。

チェーンはフロントアウターにする

チェーンはフロントアウターにする

チェーンはフロントアウターにしておくのも基本です。

フロントの大きなギア(アウター)にチェーンが掛かっていると、チェーンリングに沿ってチェーンがはっきり見えるため、メカニカルな雰囲気が強調され、写真としてよりカッコよく見えます。

インナーギアにチェーンが入っていると、チェーンリングにチェーンが隠れてしまうのです。

自転車のホイールは前後でロゴやマークを揃える

自転車写真において、主役となるパーツはクランクとホイールです。
そのため、ホイール周りにもいくつか押さえておきたい重要なポイントがあります。

バルブの位置は真下で揃える

バルブの位置は真下で揃える

まず意識したいのが、バルブの位置は必ず真下に揃える ということ。

バルブは小さなパーツなので見落としがちですが、前後で位置が違っていたり、真下以外の場所にあると、それだけで写真全体のバランスが崩れたように見えてしまいます。

「バルブの位置は真下」というのも自転車の写真撮影では基本中の基本なので忘れないようにしましょう。

また、ホイールにタイヤを装着する際、パンク位置を分かりやすくするためにバルブ位置とタイヤのロゴ位置を揃えるのが一般的です。

そのため、バルブを真下にすると、タイヤのロゴは自然と 真下または真上 に来るようになり、前後の見た目が揃って、より整った印象になります。

ホイールのマークとタイヤのマークも前後で揃える

ホイールのマークとタイヤのマークも前後で揃える

ホイールやタイヤには、メーカーのロゴやマークがプリントされています。
この ロゴやマークの位置を前後で揃える のも、重要なポイントです。

一般的にバルブ穴の位置とホイールのロゴの位置は同じ場所にあるので、バルブとホイールのロゴの位置は無条件で揃うようになります。

したがって、バルブ位置を真下にすると、ホイールのロゴは上下に来るようになるわけです。

ここで問題になるのはタイヤです。
タイヤを適当に装着してしまうと、前後でタイヤのロゴ位置がバラバラになり、せっかくバルブやホイールのロゴを揃えても、どこかチグハグな印象の写真になってしまいます。

タイヤをホイールに装着させる時にタイヤのマークとホイールのロゴの位置を揃えておくというのが肝心になります。

「タイヤのロゴはホイールのロゴに合わせるべき」と言われる理由は、こうした見た目の美しさにもあるのです。

このあたりは、自転車屋さんでは常識なので、自転車屋さんから納車された状態では間違いなく揃うようにタイヤが装着されていると思いますが、それを知らないで自分でタイヤを交換すると、全くあらぬ場所にタイヤのロゴが来た状態でタイヤを装着してしまうことになってしまいます。

ロードバイクやクロスバイクのホイールのタイヤのマークとバルブ位置は揃えた方がカッコ良い
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目線の高さは「自転車のハンドルの高さ」に合わせる

ハンドルの位置に目線の高さがある写真

目線の高さはハンドルの高さにする

盲点になりやすいのが写真撮影する目線の高さです。

自転車の写真を横から撮影する場合の目線の高さはハンドルの高さが基本です。

つまり、ドロップハンドルの場合だと、真横から撮影すると、手前のハンドルで奥のハンドルが見えなくなるような高さが基本になります。

これは、自転車のパーツの中で最も幅のある部分がハンドルになるので、目線の高さによってはハンドル部分だけ違和感が出てしまうのを防ぐためです。

ハンドルよりも低い位置に目線の高さがある写真

目線の高さで撮影する

上記の写真は目線の高さはハンドルよりも低いブレーキあたりの高さで撮影されています。

そのため奥行きのあるハンドル部分は手前のハンドルと奥のハンドルで二重になってしまっているので、写真としてのバランスが悪くなってしまうのです。

写真はブルホーンハンドルですが、ロードバイクなどのドロップハンドルでも同様になるので、手前のハンドルと奥のハンドルが重なるような高さで撮影するようにしましょう。

自転車の水平垂直を意識する

水平垂直を意識する

自転車写真と言うよりも写真撮影の基本ですが、水平垂直を出して撮影するのも大切です。

水平垂直をきちんと出しただけでも、素人写真ぽさがなくなります。

水平垂直を出すには水準器を使用するのが一番ですが、水準器がない場合は、カメラやスマホの画面のフレームを水平垂直の基準にして、壁ブロックのラインや電柱などまっすぐなものと揃えることで水平垂直を出せると思います。

自転車のパーツをアップで撮影する

パーツをアップで撮影する

自転車全体の写真だけでなく、スプロケットやクランク、ブレーキ、チェーンなど、自転車のメカメカしい部分をクローズアップして撮影するとカッコ良い写真が撮れます。

自転車全体だけでなく、このような部分部分のアップはアクセント的な写真になりますし、自転車の魅力が溢れる写真にすることができます。

背景を工夫して自転車を撮影する

背景を工夫して自転車を撮影する

自転車の背景を工夫することでカッコ良い自転車写真を撮影することができます。

● コンクリートの打ちっぱなし
● レンガ
● 鉄骨
● フェンス
● ガレージシャッター

など、どちらかと言えば洋風・無機質な背景が定番です。

また、「ガードレール」などの道路設備も、自転車という乗り物と相性が良く、使いやすい背景です。

一方で、石垣や板塀、土壁などの和風な背景は、スポーツバイクとはやや相性が悪く、違和感が出やすい印象があります。

パースを効かせて奥行きのある自転車写真にする

パースを効かせて奥行きを出した写真にす

ブロック塀やタイルなど、直線が多い背景や、風景を背景にした撮影では、奥行きを意識することで写真が一段と映えます。

奥行きを出すように意識して、斜め前や斜め後ろから撮影すると「線」がスピード線のような効果が出て、スポーツバイクらしい勢いを感じる写真にすることができます。

真横からだけでなく、斜め前、または斜め後ろから撮影すると、背景の線がスピード線のような効果を生み出し、スポーツバイクらしい疾走感を演出できます。

パースを効かせることで、静止している自転車でも、「走り出しそうな勢い」を感じさせる写真になります。

ポイントを押さえると自転車写真が劇的に変わる

上記のポイントを「意識する前」と「意識した後」の自転車写真がどう変わるのかを理解していただくために、僕が撮影した自転車の写真を掲載しておきます。

ポイントを意識する前の自転車の写真

ポイントを意識する前の自転車の写真

ポイントを意識した後の自転車の写真

ポイントを意識した後の自転車の写真
自転車の写真をカッコ良く撮影するためのポイントを意識する前と、意識した後で比較すると随分違いがあるのが理解していただけるかと思います。

上の写真は全体的にチグハグで、情報が多く、ごちゃごちゃした印象があり、「何を見せたい写真なのか」が分かりづらい状態です。

一方、ポイントを意識した後の写真では、自転車が主役であることがはっきり分かり、全体のバランスも整って見えます。

どちらの写真がカッコ良いかと言われれば、答えは一目瞭然ですよね。

素人が撮影した自転車写真の限界

一生懸命ポイントを意識して自転車の撮影したので「自転車の写真が上手に撮影できるようになった」という実感もありますが、これで満足しているかと言われると全くそういうことはありません。

実際問題として、僕の頭の中でイメージしているカッコ良い自転車写真には遠く及ばない写真ですし、きっと多くの人も「え?これでカッコ良く自転車を撮影したつもりなの?」と思ったものと思います。

僕自身、本当は「もっと、もっと、もーーーーーっと」カッコ良い自転車写真を撮りたいのですが、どこまで行っても素人レベルで、自転車メーカーのホームページにあるようなセンス溢れる写真を撮ることができないのです。

カッコ良い自転車写真と言うには、決定的な何かが足りないのです。

やっぱり素人が撮影できる自転車写真の限界があるような気がします。

そこで僕は考えました。「そうだ、写真を撮るプロ、プロカメラマンならもっとカッコ良い自転車写真を撮れるかもしれない」と。

プロカメラマンに自転車写真を依頼した結果

「プロカメラマンが自転車の写真を撮ったら、どうなるのか?」

それを実際に確かめたくて、
プロカメラマンに自転車写真の撮影をお願いしてみました。

フォトグラファー・篠部雅貴氏(シノベ写真事務所)に相談

フォトグラファーの篠部氏

参考 シノベ写真事務所

今回「どうすればカッコ良い自転車写真が撮れるのか?」という相談をしたのは、東京で活躍されているフォトグラファー、篠部雅貴氏です。

篠部氏は有名タレントの写真を撮影したり、法人専門の出張撮影サービスをしているプロのカメラマンです。

篠部氏にお願いしたのは、企業を相手に写真撮影の講習をしたりもしているので、僕のような素人でも理解しやすいアドバイスをもらえるのではないかと考えたからです。

そして、篠部氏自身が僕と同じGIANT社のクロスバイクであるESCAPE R3の所有者というのが大きな理由です。

ESCAPE R3は、僕が乗っているESCAPE Airと兄弟モデル。
同系統の自転車で、プロが撮るとどれだけ違いが出るのかを、純粋に見てみたかったのです。

相談したところ、快く引き受けてくださり、作例とともに撮影ポイントを解説してもらえることになりました。

プロカメラマンが撮影した自転車写真作例

ここからは、プロカメラマンが撮影した自転車写真を見ながら、その「違い」を具体的に見ていきます。

作例1:真横からの王道カット

カッコ良く自転車写真例Copyright:https://www.shinobe.jp/

まずは自転車写真の基本とも言える真横からの一枚。

完全なノーマル仕様のESCAPE R3なんですが、めっちゃくちゃカッコ良く撮影されていますね。

初っ端から素人とプロカメラマンの力量の差を感じさせてくれる一枚です。

自転車撮影のポイントをしっかりと押さえているのはもちろんですが、そんなことはプロカメラマンにとっては当たり前のことで、それ以上に注目したい部分が背景との色のコントラストと、自転車の置かれている位置かと思います。

ワインレッドのフレームに対し、背景には反対色の爽やかな青系を配置。
これだけで自転車の存在感が際立ちます。

さらに、白い柱の中央に自転車を配置することで、左右対称のシンメトリー構図が生まれ、非常に安定感のある写真になっています。

素人は基本を押さえるだけで精一杯ですが、プロはその先まで計算している。
そんな「余裕」を感じさせる一枚です。

作例2:逆光×ローアングルで物語を作る

カッコ良い自転車写真例Copyright:https://www.shinobe.jp/

フェンスを背景にした、これから冒険が始まりそうな一枚。

斜め後ろからのローアングル+広角レンズにより、フェンスのラインが奥行きを強調し、躍動感のある写真になっています。

逆光で撮影すると、普通は自転車は真っ黒になってしまうのですが、フラッシュを使用することで露出が調整されて自転車は黒つぶれさせずに背景を白く飛ばしています。

結果として、太陽のゴーストやフレアが強調され、キラキラとした写真になり、これから始まる冒険を想起させるようなワクワク感のある写真になっています。

作例3:合成による表現力

カッコ良く自転車写真例Copyright:https://www.shinobe.jp/

まるで海外で撮影したかのようにも見えるフォトジェニックな一枚。

同じ場所から複数枚撮影して露出の違う暗い写真と明るい写真を合成して撮られた自転車写真だそうです。

複数の写真を全く同じ場所から撮影する必要があるので、カメラを固定するために三脚を使用して撮影されているものと思います。

発想が固いと、写真を合成するなんてことまではなかなか考えが及ばないものですが、自転車をカッコ良く見せる為の写真作りとして、発想を柔軟にしつつ、一手間二手間を惜しまない写真作りも、写真撮影においては大切なポイントだと気付かされます。

このあたりは、やはりその場その場の状況を見て撮りたい写真のイメージができる発想の柔軟さや、最適な技法が選択できる引き出しの多さが物を言う部分でもあると思います。

経験と知識が伴った応用力の話なので、素人が真似しても一朝一夕に撮れるものではないですね。

このような写真を撮るのは、日頃から良い写真を撮る方法を考えつつ、経験を積んでいくしかないのかもしれません。

作例4:光の“時間”を待つ

カッコ良く自転車写真例夕暮れCopyright:https://www.shinobe.jp/

夕暮れ時の柔らかい光を意識して撮影したという一枚。

同じ自然光でも、日中の光と夕方の光では全く違うので、夕方までで待って撮影をしたそうです。

時間による光の質の違いを意識して撮影できるのもプロカメラマンらしいところだと思います。

アドバイスを貰うまで光の質について考えたこともなかったのですが、確かに写真を見ると、太陽が写っているわけでもないのに「夕方だな」と感じる写真で、一日の走行をし終えた後に撮影したような雰囲気のある写真になっています。

遠くまで道路が続いているのにも関わらず、誰も写っていないことで、さらにそれが強調されているのもポイントです。

人は日々の暮らしの中で光の質の変化で、時間の経過を感覚的に判断しているところもあると思います、柔らかな光で撮影された写真を見て「夕方」を意識してしまうのはそのためで、その感覚を逆に利用すれば、意図したテーマで写真が撮れるようになるはずです。

撮りたい写真を撮るためには、その時が訪れるまで待つという姿勢があってこその写真ですね。

僕なんかは「現場に付いた時が撮影時!」で、さっさと撮影を終わらせてしまいますからね・・・。やはりカッコ良いイメージ通りの写真を撮影するためには「タイミングを待つ」ということも大切なようです。

プロカメラマン直伝!自転車写真カッコ良く撮影する方法

プロカメラマンの撮影した自転車写真の作例を見てお分かりいただけたと思いますが、プロカメラマンと素人では同じ自転車の写真でも雲泥の差があることを思い知らされました。

これらは機材の違いももちろんあるとは思いますが、経験や知識からくる応用力の違いもあるので、素人がいきなりプロカメラマンが撮影するような自転車写真を撮るのは難しいと思います。

でも、素人でもプロカメラマンのような自転車写真が撮影できるようになる可能性はないわけではないですから、自転車写真をカッコ良く撮影するためのポイントトについてアドバイスをしてもらいました。

目線の高さを変えて自転車写真を撮る

自転車を横から撮影する場合には「目線の高さはハンドルに合わせる」というのが自転車写真の基本ではありますが、自転車を斜め前や斜め後ろから撮影する場合にはローアングルの方がカッコ良く写せるとのこと。

もちろんシチュエーションにもよるでしょうが、確かに自転車メーカーに掲載されている写真を見ても、ローアングルで撮影された写真が圧倒的に多いように思います。

アングル(目線の高さ)の違いによるイメージの違いを理解しやすくするために、わざわざアングル違いで撮影サンプルも提供してくれました。

アングル上

自転車をドラマチックにカッコ良く撮影する方法Copyright:https://www.shinobe.jp/

アングル中

自転車をドラマチックにカッコ良く撮影する方法Copyright:https://www.shinobe.jp/

アングル下

自転車をドラマチックにカッコ良く撮影する方法Copyright:https://www.shinobe.jp/

全く同じ場所、同じ環境、同じ写真の撮り方であるにもかかわらず、自転車のアングルが変わるだけで自転車写真の印象が大きく変わります。

きっと多くの人がローアングルで撮影された自転車の写真の方がカッコ良いと感じたと思いますし、自転車メーカーのホームページで見慣れたアングルだと思います。

ローアングルの写真がカッコ良く見える理由として、空の占める面積が広くなり「抜け」の良い写真になることや、日常の目線の高さとは異なる写真になるため、非日常的な印象の写真になり特別感が出やすいからだと考えられます。

平凡な写真になりそうな時は目線の高さを変えてみる

自転車写真を撮影しようとして平凡な写真になってしまう時は、目線の高さを変えて撮影してみると、ドキリとするような非日常的な写真を撮影することができるかもしれません。

ローアングルだけでなく、高い位置から撮影するハイアングルも非日常的な写真が撮影できるポイントです。

ポイント 目線の高さを変えて変化をつけよう

広角レンズで自転車写真を撮影する

自転車の写真は広角レンズで撮影した方が良いそうです。

広角レンズで撮影すると被写体が小さくなる問題の解決方法

もちろん条件にも依ると思いますが、個人的には「えーそうなの!?」という意外なアドバイスでした。

というのも、広角レンズは風景などを広く写せるので、ビルなどの大きな建物などを写す場合には便利ですが、自転車だと遠く小さくなってしまうという問題があります。

せっかく自転車の写真を撮影しても、肝心の自転車が小さくなってよく分からないようでは意味がありません。

「広角レンズで撮影したら自転車が小さくなりますけど・・・?」
その素朴な疑問の答えは簡単でした。

「自転車に近づけば良い」

要するに、広角レンズを使用して被写体が小さくなるのであれば、撮影者が自転車に近づけば良いのです。

いわゆる「セルフズーム」と呼ばれるようなものですが、被写体に近づけば自転車を大きく写すことができるので被写体が小さくなる問題を解決できます。

広角レンズ特有のパースを活かせばダイナミックな写真になる

「広角レンズで撮影した方が良い」というアドバイスに驚いてしまった別の理由として、一般的に広角レンズは歪み(パース)が出るので、物撮り写真を撮影する際には歪みが出づらい中望遠レンズなどが使用されます。

自転車も物撮り写真のようなものなので、僕の頭の中では自転車も歪みの少ない中望遠レンズを使用した方が良くて、広角レンズは使用しない方が良いと思っていたのです。

しかしその考え方事態が固定概念で堅い考え方だったようです。

広角レンズで撮影すれば当然歪みが出ますが、その歪みを有効に活用して奥行きを表現すれば、ダイナミックで躍動感のある自転車写真にすることができるというわけです。

これは不動産の写真などでよく使われる技法ですが、狭い部屋を広角レンズで撮影することで、広く見せるのと同じ方法になります。

風景写真などでも遠近感が強調されて奥行きのある写真が撮れるのです。

この効果を自転車の写真で応用すれば、自転車と景色のパースが強調され躍動感のある写真が撮影できるというわけですね。

ただし、広角レンズの効果が活かされるのは自転車を斜めから撮影して奥行きを出した場合に限られます。

自転車写真の定番である横向きの写真の場合は、歪みの少ない標準〜中望遠あたりのレンズを使用した方が良いと思われます。

ポイント 広角レンズのパースを活かした奥行きのある写真にチャレンジしよう

逆光を利用してドラマチックな自転車写真にする

「逆光で撮る」こと自体がそもそも僕の頭の中には無かったことですが、順光ではなくあえて逆光を狙って撮影するというのも自転車の写真をカッコ良くするための一つのポイントとのこと。

写真を綺麗に撮る為には順光でなければ・・・とついつい考えてしまいますが、逆光ならではのコントラストの高い非日常的なドラマチックな写真にすることができます。

このあたりの考え方は、目線の高さを日常の目線から変えることで非日常的な写真となるのと同じで、順光ではなくあえて逆光で撮影することで、いつも見ている景色とは違う非日常的な写真表現ができるようになるわけです。

順光と逆光の基礎知識

順光と逆光で自転車写真

順光:カメラの後ろに太陽があるような撮影条件
被写体(自転車)の色が鮮やかに出る反面、写真としては平凡なものになりやすい。

逆光:カメラの正面に太陽があるような撮影条件
ドラマチックな写真になる反面、露出が太陽に合ってしまうので自転車が暗く写る

なるほどなるほど、というところですが、素人的に気になるのは、逆光で撮影すると、被写体が真っ黒になってしまうこと。

記念撮影なんかでもやりがちですが、逆光で撮影してしまうと被写体がシルエットだけになって真っ黒になってしまうなんてことがあります。

プロカメラマンはそのあたりの問題をどうクリアしているのか聞いてみました。

逆光で自転車が暗く写ってしまう場合の対処法3つ

カメラ補正機能を利用する

逆光で撮影した場合、光が直接カメラに入るので、オートで撮影をすると、カメラが「明るい場所」という判断をして太陽の光に露出を併せて画像を暗くしてしまいます。

結果として、被写体の自転車が真っ黒になってしまいます。

そこで、カメラに備わっている補正機能を利用して、意図的に自転車が見える程度まで露出を上げて自転車を明るくするのです。

そうすれば逆光であっても黒いシルエットになることはありません。

ただし、この方法だと、背景が真っ白に飛んでしまいます。

背景が飛ぶと駄目な写真になると思いがちですが、雑然とした背景を消し去ったりできるなどのプラスになる場合もあります。

結局は、その場その場の判断をすることになりますが、背景を残したい場合には別の方法を選択することになります。

フラッシュ撮影する

背景を残しつつ自転車を真っ黒にしないために「フラッシュ」を使用します。

フラッシュを発光させると、太陽の方に露出が合っていても自転車を明るく写すことができます。

フラッシュを使用する場合、プロカメラマンはホットシューに接続するクリップオンタイプの「ストロボ」などを使用することが多いと思います。

しかし、自転車乗りからすると、わざわざそんなものを持ち歩くのはあまり現実的ではありませんが、自転車との距離が近い場合には、カメラに内蔵された小さなフラッシュでも十分対応できるようです。

要するに小さなフラッシュでも光が被写体まで届けば十分ということで、広角レンズで撮影する場合には必然的に被写体に近付くことになるので内蔵フラッシュでも十分と思われます。

メタリックな質感もフラッシュで強調される効果がある

フラッシュを使用することのメリットは、逆光でも被写体を明るく浮き上がらせる効果があるだけではありません。

自転車のようにフレームが金属の場合、フラッシュの強い光が当たることによってメタリック感が表現できるのです。

明るさを自転車に合わせた写真と背景に合わせた写真を合成する

フラッシュを持っていない場合には、露出を変えた明るさの違う写真を撮影して、後から合成するという方法もあります。

カメラを同じ位置に固定するために三脚が必要だったり、合成のためにPhotoshopのような画像編集ソフトが必要になったりするのでハードルは高くなりますが、いろいろな調整ができる分、表現の自由度が高くなるというメリットがあります。

写真を作品と考えた場合に、加工や合成までを含めて考えた撮影をするというのも、カッコ良い自転車写真を撮影する上においては重要なポイントだと思います。

これがプロカメラマンが撮影した自転車写真だ!

自転車カッコ良く撮影する方法Copyright:https://www.shinobe.jp/

最後に今回撮影してもらった自転車写真の中でも、特に印象的な一枚がこれです。

自転車のフレームのメタリックな質感や、効果的な夕日のフレアなど、神々しいまでにカッコ良い自転車写真になっています。

柔らかな自然光と、堅いフラッシュライトで強調されたアルミフレームの金属感の対比も美しいですね。

いろいろとポイントを教わっても、こういう写真はすぐに撮影できるものではないですね。。。(苦笑)

自転車写真をカッコ良く撮る方法 まとめ

プロの写真は、やはり別次元だった

正直なところ、実際に作例が出てくるまでは「同じ自転車なんだし、写真にそんなに大きな違いは出ないだろう」と考えていました。

素人だってそれなりにポイントを押さえればプロっぽい写真が撮影できると思っていたのです。

しかし、結果はまさしく一目瞭然。

プロの撮る写真と、素人の撮る写真とではあまりにクオリティが違いすぎました(笑)

被写体の自転車は同じESCAPEシリーズですし、撮影場所は屋外なので一般的な物撮りのようにライティングテクニックが使えるわけでもありません。

なのに出来上がる写真が全く違ってくるから不思議ですよね。

写真の奥深さを感じさせられます。

ここまで写真の出来上がりに差があると「プロカメラマンの写真技術ってスゴい!」と脱帽するしかありません。

この違いは使用するカメラ機材の違いもありますが、いろいろな経験を積んで、プロとしての写真を日々撮影しているからこその引き出しの多さや応用力、細かい部分までのこだわりがあるからこそ成し遂げられるものであって、ポイントを押さえたからと言って一朝一夕では越えられるものでも追いつけるものでもありませんね。

プロカメラマンに自転車写真をお願いした結果として「カメラ任せにシャッターボタンをただ押すだけでは理想の自転車写真は撮れない」ということが理解できただけでも大きな収穫となったと思います。

手間を惜しまないことが、写真の質を上げる

撮影する物や場所によってレンズやカメラの設定を調整するなどの工夫をすることの大切さを学ぶことができました。

頭の中にある最終的な写真の仕上がりイメージを実現するために、複数のレンズを使い分けたり、三脚やフラッシュなどを使用したり、普通は面倒でやらないことでも、手間を惜しまずに良い写真を撮影することだけを考える。

その努力やこだわりがあるからこそ良い写真が撮れるわけですね。

たとえプロカメラマンでもそれを考えず適当に撮ってしまえば平々凡々な写真になるでしょう。

そのあたりのこだわりは、まさしく「写真」ということで、結果として正直に写ってしまうものだと思います。

カッコ良い写真を撮影するためには努力が必要

僕のような素人が、今回紹介した作例のようなクオリティの写真を撮影するのは実際問題で難しいとは思いますが、教えてもらったことを頭に入れて、今まで以上に工夫をして撮影するようになれば、確実に自転車写真のクオリティを上げられるように思います。

自分の理想とする自転車写真を撮影するために試行錯誤しながら、何度も失敗を繰り返す中で、引き出しも増えて、いろいろな場面で理想的な写真が撮影できるようになるのではないでしょうか。

要するに、ただ写真を思いついたまま撮影するだけではなく、日頃の努力が必要なわけですね(笑)

ここで学んだ知識を活かすためにも、今後はいろいろと意識しながら自転車の写真を撮影してみようと思います。

謝辞

断りとして、プロカメラマンと言っても万能というわけではなく得意とする撮影対象は色々です。

例えば、不動産などの建築写真を得意にしている人もいれば、商品写真を得意としている人もいて、カメラマンそれぞれに得意なフィールドは違ってきます。

撮影する対象が違えば、使用する機材もライティングも技法も異なります。

料理人と言っても、和洋中それぞれに専門が違うように、写真の世界もまたジャンルによって専門が異なるわけです。

なので、プロカメラマンとしての職人の仕事は、ジャンルごとに細分化されて、それぞれの得意分野で棲み分けがされているのが普通です。

ちなみに篠部氏の専門は、人物写真(ポートレート)や商品、料理などの商業写真になります。

とりわけ人物写真を得意としているカメラマンです(素敵な人物写真を撮ります)。

今回お願いしたような自転車のような写真は、篠部氏にとっては日頃撮影しているジャンルとは全く違ったジャンルの写真になるわけで、本来ならば対応が難しい撮影だったかと思います。

にも関わらず、快く依頼を引き受けて、かつクオリティの高い自転車撮影を提供していただいた篠部氏に感謝の意を表して、この記事を締めくくりたいと思います。

ありがとうございました。

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