クロスバイクでより深い前傾姿勢をとれるようにステムを逆付けすることにしました。
ステムを逆付けしたわけですが、そもそもステムは「逆付けして良いものなのか?」、そして「逆付けすることによりどのような変化があったか?」をまとめてみました。
Contents
ステムを逆付けするカスタマイズの目的
より深い前傾姿勢をとるため
クロスバイクやロードバイクのパーツの一つであるステムの基本的な取り付け方は、ステムがコラムからハンドルに向かって斜め上に伸びるように取り付けるのが普通ですが、ステムは天地を入れ替えて逆付けすることできます。
例えば斜め上に伸びた(ライズした)ステムを逆付するとステムは斜め下に向けて伸びるようになります。この状態でステムにハンドルを取り付けると、ハンドルの位置は必然的に低くなり、より深い前傾姿勢がとれるようになるというわけです。
前傾姿勢が深くなったことでロードバイクのような低姿勢ができるので「空気抵抗が減り速度アップにつながれば良いな」という考えで、ステムの逆付けを試みたのでした。
上記の写真は通常のようにステムがライズした状態のクロスバイクです。
ちなみに使用しているステムはFSA OS-190LX 110mmで、ステムの角度(ライズ)は6°です。
クロスバイクのESCAPE Air純正のステムも同じステム角は6°で、クロスバイクに装備されているステムとしては一般的な長さとライズのようです。
ステムの逆付けについて
ステムは逆付けしても良いのか?
ステムの逆付けはあまり馴染みががないカスタマイズなので「ステムを逆付けして良いの?か」「メーカー非推奨のカスタムではないのか?」と思う方もいるかもしれませんが、ステムを逆付けしても特に問題はありません。
多くのステムには胴体部分にメーカーロゴがデザインされていたりしますが、そのデザインは上下が逆になっても成り立つようなリバーシブルなデザインになっています。
要するにステムには天地がなく、逆付けすることも想定されているパーツというわけです。
逆付けするステムのライズ角度は25°を選択
逆付け用のステムとしてBazooka(バズーカ) LITE318ステム25 ブラック 120mmを選びました。
最も注目したいのは、ステムのライズ角度で、FSAの標準的な6°に対して、Bazookaは25°という大きなライズ角になります。
このステムは一般的なロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクに使われるようなステムではなく、曲芸などで用いられる自転車のトライアルバイクなどで主に使われるステムです。
このステムをあえて逆付けをして、普通のステムを逆付けするよりも、さらに深い前傾姿勢が出来るようにするために選択しました。
もちろん一般的なステムのライズ角度である6度のものを使用しても問題はありません。
ステムのライズ角度について
ステムのライズ角度については、いろいろと細かく分かれているので、ここでは割愛して話を進めますが、詳しく知りたい方は、下記の記事でまとめているので参考にしてください。
クロスバイクのステムを逆付けした結果
見た目の変化
ステムを逆付けした後のクロスバイクのESCAPE Airの横顔です。
BeforeとAfterの比較画像です。
上向きのステムに見慣れているので、逆付けしたステムには、やはり違和感を感じてしまいますね。
しかし今回のステム交換の目的は見た目のアップではなくハンドル位置を出来るだけ下げてより深い前傾姿勢をとるということなので、その点に関して言えば、正しい方向に変化させることができたと思います。
乗車姿勢がかなり前傾になりました
クロスバイクのステムを交換して逆付けした状態で試走してみました。
最初に乗った印象としては、見た目以上にハンドル位置が下に感じられました。狙い通りに前傾姿勢を深くすることができましたが、同時に乗り心地も大きく変わり「ちょっとやり過ぎたな・・・」と思うレベルで違いがありました。
それでも違和感を感じたのは最初の15分ほどですぐに前傾姿勢には慣れて「もう少しハンドルの位置を低くしても大丈夫だな・・・」と思えたので試走の段階ではなかなか良い改造・カスタマイズが出来たと感じました。
空気抵抗が減った!
空気抵抗に関しても目論み通りでかなり減ったと実感できるレベルで違いがありました。
ステムを逆付けする前は上体が起きているため、空気の壁に向かって身体全面でぶつかりながら走っているような感じだったのが、ステムを逆付けした後は空気の壁の中に突入するような感じに変わりました。
言葉で説明するのはなかなか難しいですが、逆付けする前は、プールに飛び込む際に腹打ちをしてしまっていたような感じだったのが、逆付けした後は綺麗に飛び込めている感じです。
ステムを逆付けして前傾姿勢を深くした結果 その後
ステムの逆付けで深い前傾姿勢はとれるようになったが・・・
ステムを逆付けした直後の試走ではなかなか良い感じに思えたのですが、その後70km程のサイクリングに出かけてみると、深い前傾姿勢のために常に持ち上げている首が辛くなり、後半の残り20kmくらいはかなり苦痛を伴ったサイクリングになってしまいました。
乗っていて前傾姿勢が辛く感じたりするのは慣れの問題もあると思いますが、今回はそれ以前の問題で、ステムが長くなりハンドル位置が低くなったことで逆付け前と比べてハンドルの位置が随分遠くなりました。
そこまでは狙い通りだったのですが、いざ乗車してみると乗車姿勢は予想していた状態とは違い、ロードバイクのように骨盤を立てて背中をアーチ状にした前屈みでの前傾姿勢がとれているわけではなく、身体が伸びて突っ伏した状態で自転車に乗らなくてはいけないのです。
要するにポジションが全然出せていないのですね。
短距離であればまだ我慢できる範疇ですが、長距離や長時間のサイクリングでは腕や首が辛くなるなど問題だらけで快適なサイクリングが出来ない自転車になってしまいました。
そのうち慣れるかもしれないと考え、この状態でしばらく乗ってみましたが、乗り心地があまりに悪かったのと、見た目もカッコ良くなかったこともあり、一ヶ月ほどで元のステムに戻しました。
解決策
ハンドルが遠すぎる問題の解決策としては、もっと短いステムを使用する、サドルを前に出すなどで、なるべく手前でハンドルを握れるようにすることになります。
改造・カスタマイズの後はポジションを調整する
ハンドル位置が変わる改造カスタマイズについては変更後のポジションがどう変わるかまで考えて計画を立てること、そして、必ず調整を繰り返してベストなポジションを出す大切だということを改めて感じました。
クロスバイクでロードバイクなどのような前傾姿勢をとる為には、ステムを長くして前傾姿勢を低くすれば良いというわけではなく、ハンドル位置を下げつつステムを短くして元のハンドルよりも近付くようにする必要があったと思われます。
せっかく購入したステムは無駄になってしまいましたが、いろいろ体験的に学ぶことができたので、それはそれでよい勉強になったと思います。
こうしたトライ&エラーを繰り返すことも、自転車を改造カスタマイズすることの楽しみの一貫ですから、これはこれで良かったんじゃないかと思います。次回のチャレンジの時にはしっかりと改造後のポジションを意識して計画をしたいと思います。
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