フラットペダルからビンディングペダルへの交換は自転車の改造カスタマイズの中でも違いが分かりやすく人気の高い改造カスタマイズです。
クロスバイクにビンディングペダル
ビンディングペダルはロードバイクに乗る人が使用するイメージがあるかもしれませんが、クロスバイクでもビンディングペダル化している人は多いですし、ロードバイク的な走りを目指すには、おすすめの改造カスタマイズです。
僕のクロスバイクもビンディングペダルに交換しています。最初にお試しの意味もあってSHIMANO PD-M530というリーズナブルな価格のビンディングペダルを使用していましたが、現在ではSPDタイプのビンディングペダルのハイエンドモデルでもあるPD-A600に交換しています。
さて、そんなビンディングペダルですが、最近は「ビンディングペダルをやめてフラットペダルに戻してしまおうか」とを考えたりもしています。
というのも「街乗り用クロスバイクにビンディングペダルは必要か?」という根本的なところに疑問を持ち始めたからです。
確かに長距離を走る際や坂道などではビンディングペダルの恩恵を感じることが多く、より本格的なペダリングなどを習得しようと思うと欠かせないものではあるのですが、街乗りでは不便に感じることも多く、諸手を上げてビンディングペダル万歳!とはならない部分があるからです。
というわけで、ビンディングペダルのメリットとデメリットを考えながら、街乗りクロスバイクにビンディングペダルは必要かどうかを考えてみたいと思います。
クロスバイクをビンディングペダル化するメリット
加速が違う
ビンディングペダルにするとペダルを踏むだけではなく引き足も使用できるため、フラットペダルとは違ってグイグイと伸びる加速ができるようになります。
このような加速力は前を走っている自転車を一気に抜き去る場合などで非常に重宝します。
疲れが違う
ペダルを踏む筋肉だけでなく引き上げる筋肉も使えます。つまり、足全体の筋肉を使えるので筋肉それぞれの負荷が少なくなり疲れづらくなります。
ロングライドでは特に顕著に差が現れるので、ビンディングペダル無しでは走りたくないと思えるほどの必須アイテムになります。
坂道に強くなる
初心者でもビンディングペダルの恩恵を感じることの出来ると思われるポイントは坂道でしょう。フラットペダルで苦労して登っていた坂道もビンディングペダルならギア数段分くらいは軽く感じるくらいに楽に登れるようになります。
ビンディングペダルのペダリングはペダルを踏むというよりは、ペダルを使ってクランクを回転させるイメージなどとよく言われますが、なんとなくそれが理解できるのもきっと坂道だと思います。
ロードバイクを意識したペダリングが出来る
フラットペダルとビンディングペダルではペダリングの方法が異なります。将来的に本格的なロードバイクに乗ろうと思うと、ビンディングペダルは必須ですから、ビンディングペダルを使用した正しいペダリングはなるべく早く習得しておきたいところです。
そこで、クロスバイクにもビンディングペダルを導入することで、クロスバイクでもロードバイクに乗った時を意識したペダリングを身につけられるようになります。
クロスバイクをビンディングペダルにするデメリット
自転車に乗るのが面倒になる
ビンディングペダルにするとビンディングシューズが必要になります。
ビンディングシューズは底面に突起があるので普通の靴のように歩くことができない自転車専用のシューズです。
それを下駄箱から取り出して「さぁ自転車に乗るぞ!」とスイッチを入れる必要があり、フラットペダルの時のような気軽さで自転車にのれなくなります。
普通の靴でもビンディングペダルを踏む事は可能ですがフラットペダルの方が具合が良いです。
ビンディングペダルとフラットペダルの両方で乗りたい人のために片面SPDペダルと呼ばれる、片面のみSPD使用になったフラットペダルもあります。街乗りの気軽さも残しつつ、ビンディングペダルの本格的な走りも出来るという欲張りタイプのビンディングペダルです。
自転車から降りるのが面倒になる
ビンディングシューズは自転車に乗るための靴なので歩くことはほとんど考えられていません。
そのため自転車に乗ってどこかに出かけた際に気になるお店など見つけても、降りるのが面倒だったりして気軽に立ち寄れなくなります。
クロスバイクでよく使われるSPDペダルと呼ばれるビンディングペダルはロードバイクなどで使われることの多いSPD-SLタイプのものと比べるとまだ歩きやすいですが、それでも歩くたびにガリガリと音がして調子が良いものではありません。
SPDシリーズの中でもさらに歩きやすいクリッカーと呼ばれるシューズがシマノから販売されていますが、それですらアスファルトの上を歩けばSPD部分がダメージを受けますし、お店に入ったら入ったで床を傷つけてしまう可能性があるので、いずれのビンディングシューズを履いたとしてもつま先を浮かせてカカトで歩くペンギン歩きをすることになります。
立ちゴケする
立ちゴケはロードバイクに乗る人なら誰でも経験する一種の通過儀礼などと言われたりするように、ビンディングペダルを導入した直後は少なからず立ちゴケしてしまうものだと思います。
慣れればほとんど立ちゴケしなくなりますが、急な飛び出しなど慌てる場面ではうまく外せなかったりすることもあり、ビンディングペダルを使用する以上は立ちゴケしてしまうリスクは常にあります。
また、立ちゴケすることで怪我や骨折をしてしまったという話もよく聞く話ですし自転車自体もダメージを受けることがあります。
僕自身、慣れない時は何度か立ちゴケしてしまったことがありますし、幸い骨折などはしませんでしたが痛い思いをしたことも何度かあり、その恐怖心から今では早めに余裕を持って外せるように準備をしています。
街乗りクロスバイクにビンディングペダルは必要か?
街乗りの条件でのビンディングペダルはストレスが大きい
ビンディングペダルにはメリットとデメリットがありますが、一般的に考えればメリットの部分が大きいです。
ビンディングペダルにすることにより、クロスバイクやロードバイクをよりスポーティーで快適に乗ることができるようになるのです。
デメリットばかりであればとっくに廃れてしまうはずですが、今現在も多くの人がビンディングペダルを使い続けているということは、間違いなくビンディングペダルを使用するメリットの方がデメリットよりも大きいからでしょう。
特に、ロングライドやヒルクライムなどでは圧倒的にビンディングペダルのメリットの方が大きく、ビンディングペダル無しではサイクリングに出かけたくないと思う人多いはずです。
しかし、街乗りとなると少し事情が違ってきます。
街中では信号が多いのでストップ&ゴーを繰り返す
街乗りでは信号が多いのでストップ&ゴーを繰り返します。つまり何度もクリートの着脱を行なわなくてはいけません。これがどんどん面倒になってきます。
クリートをハメたと思ったらまた次の信号ですぐに外さなくてはいけないなんてことは頻繁にあります。それが繰り返されるとどんどんストレスに感じるようになります。
街中は自動車や歩行者も多い
クロスバイクやロードバイクで街中を走ると、意地悪なドライバーに幅寄せされたり、歩行者や自転車の急な飛び出しがあったりで常に危険と隣り合わせです。
街中では自転車や歩行者の予期せぬ行動で危ない思いをすることも珍しくありません。
そのため、常にビンディングペダルであることを意識しておかないと、咄嗟の時にクリートを外せずに立ちゴケなんてことにもなりかねません。
なので僕は街中で交通が混み合っているような状況下では常にクリートを外した状態で走るようにしています。とてもじゃないですが怖くてクリートをハメたままでは走れたものではありません。
街乗りは郊外のサイクリングに比べてかなり過酷
街乗りは郊外のサイクリングに比べてかなり過酷な条件で走行しなくてはいけません。
街中でビンディングペダルで走ることは神経を使いますしストレスが多く、自転車自体を楽しめなくなってしまいます。どう考えてもメリットよりもデメリットの部分の方が大きいと感じてしまうのです。
街乗りクロスバイクにビンディングペダルは必要か?の結論
街乗り自転車のクロスバイクにはビンディングペダルは要らない
僕個人としては街乗り自転車のクロスバイクにはビンディングペダルは要らないという結論です。
街乗りの場合はビンディングペダルにすることで、メリットよりもストレスに感じる場面が多くなってしまい、ビンディングペダルじゃないほうが純粋に自転車を楽しめる感じがします。
頻繁なクリートの付け外しに加えて、歩行者や他の自転車を意識して常に緊張状態のサイクリングは精神的に疲れてしまうのです。
それでもビンディングペダルからフラットペダルに戻さない(戻せない)理由
夜の走行だとデメリットはあまり気にならない
今現在僕が自転車に乗るのは真夜中がほとんどです。ビンディングペダルでストレスを感じることが多い日中に市街地で乗るようなことは年に数度もありません。
夜中のサイクリングは昼間とは違って交通量がかなり少なくなるのに加えて信号も変わるタイミングが長くなりますし、場所によっては点滅式になるなどで頻繁に停車する必要がなくなります。
そのような条件になるとフラットペダルよりもビンディングペダルの方が調子良く感じるようになります。
ペダリングの練習が出来る
ビンディングペダルを付けた状態で上手なペダリングが出来るようになれば、それは将来的にはロードバイク乗った時にもきっと役立ちます。
自分がいざロードバイクを買うその時までに、クロスバイクで練習して正しいペダリングを身につけておければ、将来ロードバイクでビンディングペダルにして乗るようになった時にもスムーズに移行できると思っています。
また、課題がある中で自転車に乗ると自転車に乗る意味が明確になりモチベーションを保ちやすくなるという点もあります。
普通の靴でも乗れる
日中に市街地で自転車に乗る場合はビンディングシューズではなく普通の靴を履いてクロスバイクに乗ります。
クリートの突起に多少の違和感は感じますが、スニーカーなど底面が柔らかい靴の場合はほとんど気になるレベルではありません。むしろ靴底に引っかかりがあるのですり足が使える感じがgoodだったりします。
普通の靴でも乗れるのであれば、フラットペダルに戻す必要もないかな、というところでビンディングペダルを使用し続けています。
街乗りクロスバイクにビンディングペダルは必要かのまとめ
街乗りに関してはデメリットな要素が多いビンディングペダルですが、ビンディングペダル自体は素晴らしいものだというのは間違いがありません。
一度使ってみれば、その快適さからビンディングペダル無しでは乗りたくないと思ってしまうほどです。
しかしながら、やはり条件や目的によってメリットやデメリットはかなり変わってくるものなので、これからビンディングペダルの導入を考えている人はその点をよく考えて検討するのが良いかと思います。
ちなみにペダルの交換自体は簡単に出来るものなので、ロングライドなど必要な時だけビンディングペダルにして、普段はフラットペダルに戻すというのも一つの方法だと思います。
以上、街乗りクロスバイクにビンディングペダルは必要かどうか?についてでした。参考になれば幸いです。
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