サイクルコンピューターと心拍計を使って、心拍トレーニングをする方法です。
心拍トレーニングをはじめると、運動する目的に応じた運動強度を調整することができるので、ダイエットなどスポーツ目的でロードバイクやクロスバイクに乗っている人にとってはおすすめのトレーニング方法です。
Contents
心拍トレーニングとは
心拍トレーニングは運動強度を見える化できる
心拍トレーニングとは、心拍数を基準にして運動強度を調整するトレーニング方法です。
心拍数の限界値である最大心拍数を基準にするので、個人個人の体力に合わせたり脂肪燃焼や筋力増強など目的に応じた運動ができるようになります。
例えば、長距離走が得意な人と苦手な人がいます。
この二人が揃って仲良く同じ距離を同じスピードで走り続けた場合、長距離走が得意な人は余裕で走れたとしても、長距離走が苦手な人は息が上がって苦しい状態になってしまいます。
一昔前の考え方では、速い人を頑張った人、努力した人と評価して、遅い人は努力が足りない人、根性が無い人などと評価したものでした。
しかし、心拍トレーニングでは、速いから良い、遅いから駄目という考え方をしません。
あくまで心拍数を元に算出した運動強度で評価するので、速さは関係なく、同じ運動強度でトレーニング出来ているかを知ることができます。
そうすることで、実は遅い人の方が苦しいトレーニングをおこなっていたなんてことも有り得ますし、体力が無い人は体力増強、体力が有る人はパワー増強など目的に応じたトレーニングをおこなうことができます。
また、運動強度を心拍数で見える化することで、個人個人に応じた運動強度を調整できるので、足の遅い人を無理矢理に走らせて倒れてしまうようなスポーツ事故を防ぐこともできるのです。
個人個人に合わせたトレーニングができる
僕は長距離走が苦手です。
それは学生時代からの悩みでもあり、運動部に所属していた僕が最も嫌いな練習がランニングでした。
どんなに必死に息を切らしながら走っても、長距離走が得意なチームメイトには追いつくことが出来ません。それどころか息も絶え絶えに走っている僕の横を談笑しながら余裕で追い抜いて行くチームメイトもいるわけです。
そしてランニングの遅い僕への評価は「努力が足りない」「根性が無い」というものでしたが、そのような評価に対して僕はいつも疑問を持っていました。
走るのは遅いけれど息も絶え絶えで必死に走っている人と、走るのが早く余裕で笑いながら走っている人と、どっちが限界まで頑張っているのか?という疑問です。
その疑問を解決してくれるのが心拍トレーニングだったのです。
もちろん当時は心拍トレーニングという考え方が無かったので、努力が足りないせい、根性が無いからという評価を甘んじて受け入れるしかありませんでした。
しかし、もしも当時、心拍トレーニングという考え方があれば、きっと評価は別のものだったはずですし、トレーニングや練習はもっと楽しいものと思えたはずだと思うのです。
心拍トレーニングのやり方
心拍トレーニングは、心拍計さえあれば出来てしまいます。
あとは心拍数に合わせて運動強度を調整するだけなので非常に簡単です。
筋力増強や脂肪燃焼など、目的に応じて適度な心拍数が決まっていて、その運動強度の中で運動を行なうことによって、効率的な運動が出来るというわけです。
心拍数と運動強度の目安
最大心拍数の求め方
心拍トレーニングのを始めるためには最大心拍数から運動強度を計算するため、まずは最大心拍数を求めます。
一般的に220から年齢を引いた数が最大心拍数になり、年齢が高くなるほど数字が低くなります。
最大心拍数=220-年齢
例えば42歳の僕の場合は
220-42=178というわけで178が最大心拍数となります。
いろいろな計算方法がありますが、最も簡単に運動強度の目安を計算する方法は下記の計算式で求められます。
目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数
僕の安静時心拍数は78くらいなので
目標心拍数=運動強度×(178-78)+78
が基本的な式になります。
例えば脂肪燃焼を目的とした運動の場合の運動強度は60%~70%(0.6〜0.7)と言われているので
目標心拍数=0.6×(178-78)+78
目標心拍数=0.7×(178-78)+78
という計算となります。
そうすると目標となる心拍数は138〜148くらいを目安に運動することで、脂肪燃焼に効率の良い運動ができるというわけです。
目安となる運動強度のレベルは下記の通り。
これを元に、自分自身の目的に応じた運動強度を心拍数を基に調整することが出来るのです。
心拍計
サイクルコンピューターには心拍計が含まれているものもあります。
サイクルコンピューター自体が心拍計の機能を持っていると、心拍数とケイデンスを同じ画面で確認出来るメリットがあります。
しかし、サイクルコンピューターの心拍計は身体に巻き付けるベルト式のものが多く、あまり気軽さがありません。
僕自身も、サイクリングの度にいちいち心拍計を装着するのは面倒なので、僕自身が心拍トレーニングを実践する際には腕時計タイプの心拍計を使っています。
例えば、僕が使用しているmio alphaと呼ばれる心拍計は、リアルタイムに心拍数を表示するだけでなく、心拍数の目標値を設定しておくことができ、その範囲内であれば青いランプが点滅し、心拍数が上がり過ぎたりした場合は、赤いランプが点滅して警告してくれます。ランプの色で心拍数の情況が把握しやすくて便利な機能が付いています。
最近はスマートフォンアプリと連動させられるものもあり、より細かな情報が記録出来たりして、自転車に乗る時に限らずで日々の健康チェックでも使えて便利な心拍計が沢山見つかります。
ケイデンスが測れるサイクルコンピューターと心拍計で心拍トレーニングが出来る
サイクルコンピューターを買うのであれば、速度や走行距離が表示されるだけでなく、ケイデンスが計測できたり心拍計が付いているものを購入した方が良いと思います。
ケイデンス機能や心拍計から得られる情報は、より効率的なトレーニングを行なうのに重要ですし、それらの情報を得ることこそがサイクルコンピューターの本当の価値なのだと思います。
というのも、速度や走行距離などの情報は最初こそ楽しいのですが、実際にはあまり重要では無い情報ですぐに飽きてしまいます。
もっと効率的に自転車で運動をしたい、もっとちゃんとスポーツとして自転車に取り組みたいなどと考えるようになると、サイクルコンピューターから得たい情報は、速度や走行距離ではなく、ケイデンス(ペダルの回転数)や心拍数などのトレーニングに使える情報になってくるのです。
なので、最低でもサイクルコンピューターに求める機能としてケイデンス機能の備わったものを購入するのが良いと思います。
心拍数とケイデンスを意識しながら走る
クロスバイクやロードバイクに脂肪燃焼やダイエット目的で乗ろうと考えた場合、心拍数は大体120〜140くらいが目安になるかと思います。
まずはその心拍数をしっかりと頭の中に入れておきましょう。
次に、ケイデンスを意識します。
クロスバイクやロードバイクに乗るのに理想的なケイデンスとしては80〜90回転/分くらいが理想的なようですので、そのあたりをキープしながら走るようにします。
この時にギアが軽過ぎると運動強度も低くなってしまいますし、重いギアだと運動強度が高過ぎるようになるので、ベストな運動強度になるようにシフトチェンジして運動負荷を調節して走るということになります。
例えば、坂道などでケイデンス80を維持しようと思うと重たいギアだとすぐに心拍数が上がってしまうので、軽いギアで運動負荷を小さくしてケイデンス80をキープ出来るように運動強度を調整しながら走るというわけです。もちろん心拍数も目標値である130前後をキープする必要があります。
そうして走ることで、ただ闇雲に走るだけではなく、脂肪燃焼に効果的な有酸素運動が出来る範囲で走行できるようになり、より効率的に脂肪を燃焼させることができるようになるのです。
心拍数とケイデンスで走行条件に左右されない走り方ができる
毎日同じ道を走っていても、同じ条件で走れるわけではありません。
追い風が強くて楽チンな日もあれば、向かい風が強くて大変な思いをしながら自転車に乗ることもあります。
また、体調が悪い時もありますし、信号に多く引っ掛かることもあり、同じコースを走ってもその日の体調や情況で走る速度や時間が変わってきます。
速度や時間を基準にしていると、どうしてもその時々の情況や体調によって目安が変わってしまい、良い悪いの判断がしづらくなってしまうのです。
速度や時間だけでは、今日はよく頑張ったのか、それともまともに走れなかったのか知ることができないのです。
ケイデンス機能と心拍計を使った方法だと、道路情況や体調などとは関係なく、その時々でベストな運動強度で走りを調整することができるので、追い風でタイムが遅くても、ケイデンスと心拍数をきちんと守ることが出来ていれば、納得のできるサイクリングだったと言えるようになります。
心拍数を計測しながら走れるということは、体調管理や過度な運動強度を防ぐのにも役立ち、日頃のトレーニングやサイクリングの中身を大きく改善するヒントにもなるのです。
ケイデンスが測れるサイクルコンピューターと心拍計で心拍トレーニングのまとめ
僕が初めて買ったサイクルコンピューターは速度と走行距離しか計測できないものでした。最初はそれでも楽しかったのですが、しばらくクロスバイクに乗っているうちに、次第に飽きてきてしまいました。
そんな自転車がマンネリ化しはじめていたそんな時に手に入ったのが心拍計のmio alphaで、そこで初めて心拍トレーニングの存在を知りました。
興味本位に心拍トレーニングについて調べてみると、運動はみんなが同じメニューをこなすことよりも、個人個人の体力や体調、目的に合わせたメニューを行なうことが大切という考え方にとても共感できるものがありました。
それはまさしく、僕が学生時代の部活動でいつも感じていた、走るのが遅い人=根性が無いなどといった不条理な評価に対しての疑問の答えだったのです。
いざ心拍トレーニングを取り入れてみると、簡単そうで意外と心拍数の維持が難しい部分もありましたが、ただ苦しいだけのトレーニングや運動とは違い、目的意識を持って自転車に乗れるようになりました。
また、速度や速さにこだわっていた時は信号で引っ掛かる度にイライラすることもありましたし、体調が悪い時でも無理をしてしまいがちでしたが、そういったこともから解放され、純粋に自転車を楽しめるようになったと思います。
そんなわけで、これからサイクルコンピューターの購入を検討している人は是非ケイデンス機能付きのサイクルコンピューターを購入してみるのがと良いと思いますし、サイクリングの目的やモチベーションを失いかけている人にとっても、心拍トレーニングはなかなか興味深いものだと思いますので、検討してみるのが良いんじゃないかと思います。
以上、クロスバイクやロードバイクでサイクルコンピューターをのケイデンス機能と心拍計を利用して心拍トレーニングをする方法についてまとめてみました。真面目にでおすすめです。