クロスバイクのハンドルが「遠いな」と感じていたのでステムの長さを短くしてポジションの調整をしてみました。そのついでにステムの長さを変えたり角度を変えたりしてポジションを調整する方法について調べてみたことをまとめてみます。
僕の場合、クロスバイクのハンドルをブルホーン化しているのですが、フラットバーハンドルに比べてハンドルの握り位置が10cmほど前に出てしまうため、フラットバーのときと同じセッティングではハンドル位置がかなり遠くになります。
ハンドル周辺のパーツは換えた瞬間は違和感を感じていても、乗っているうちに馴染んでしまうことも多いので、今回もしばらく乗って様子を見てみましたが、ハンドル位置が遠いという感じは改善されなかったので、ステムの長さを変更してポジションを調整してみることにしました。
記事の内容としてはクロスバイクのハンドルをブルホーンバーに換えた結果、ハンドル位置が遠くなってしまったので「ステムの長さを変更してベストなポジションを探す」という感じでまとめていますが、フラットバーハンドルでポジション調整する場合でも参考になるような内容にしているつもりです。
クロスバイクのハンドルの位置がしっくりない方は読み進めてみると、ベストなハンドル位置を探すヒントになるかもしれません。
クロスバイクのハンドル位置を調整する
クロスバイクのハンドルをブルホーン化するとフラットバーハンドルに比べるとハンドルを握る位置が遠くなります。また、より深い前傾姿勢を得ようとしてコラムスペーサーを入れ替えてハンドル位置を下げた場合にもハンドルが下がった分、ハンドルの握り手の位置が遠くなってしまいます。
ハンドルを握る位置が遠すぎると自然な前傾姿勢ではなく突っ伏したような姿勢になってしまって適正な状態とは言えなくなってしまうので、ハンドル周りの変更を行った場合は適正なポジションを得るためにハンドル位置の調整をする必要があります。
自然な姿勢で前傾姿勢をとれるような適切なポジションが出せればサイクリングはより快適になりますし、疲れづらくなります。なので、ハンドル位置が遠いとか近すぎると感じる場合は、ステムの長さや角度を変更することでハンドルの位置を調整することができます。
ステムの長さや角度を変更してハンドルの位置の調整をする
ステムの長さや角度を変更してハンドル位置を調整できる
ハンドルの位置はステムの長さや角度の異なるステムを使用することで調整できます。
僕の場合だと、フラットバーハンドルを使用していた時は、なるべく前傾姿勢を取りたいと考えて、よりハンドルを遠い位置にセットできるように、110mmのステムから140mmの長めのステムに交換していました。
その後ブルホーン化するにあたって、ハンドルの持ち手の位置が遠くなりすぎてしまったので再びハンドル位置の調整が必要になりました。
ブルホーンバーの基本的な持ち手はドロップハンドルと同じような場所になるのでロードバイク用のフレームであればそれほど影響は出ないものと思いますが、クロスバイクのフレームはロードバイク用に比べるとトップチューブが少し長くなっているので、ハンドルの持ち手の位置が遠くなり過ぎてしまうのです。
そのため、クロスバイクでブルホーンバーを使用する場合には、最初から取り付けられていたステム(110mm)よりも短いステムを使用した方が良いと考えることができます。
とまぁ、こんな感じでステムひとつを換えるにしても、いろいろと考えることは沢山あるわけですね。もちろんステムの長さの調整だけではベストなポジションは出しづらいので、サドルの位置を変更したりの調整も必要になってくるとは思います。基本はあっても正解は無い世界なので、微調整を繰り返してベストを探すことになるかと思います。
僕はひとまず、14cm0mmのステムをやめて最初に装備されていた110mmのステムを使用してみましたが、予想通りでまだ「ハンドル位置が遠い」と感じられたので、より短いステムを交換してポジションの調整を図ることにしたのでした。
ステムを短くするとハンドルがクイックになる
ステムの長さは一般的にはステムは140mm程度が最長です。逆に30mm程度が最短のサイズになると思います。ステムは大抵の場合10mm刻みでサイズが用意されていて、標準的なサイズは100mm~110mmあたりになると思います。
ステムの長さ
● 140mm~ 最長の部類
● 30mm~ 最短の部類
● 100mm~110mm 標準
なのでハンドルの位置を近くするためには短いステムを使用すれば良いようにも思いますが、「ステムの長さを短くするとハンドルが近くなる」ということ以外にも影響が出るので留意しておく必要があります。
例えば、ステムの長さが短くなると、ハンドルを少し動かしただけでもタイヤが回転する角度が大きくなってしまいます。俗に「ハンドルがクイックになる」などと言われたりしますが、同じハンドルの振り幅でもステムが短いほうが大きくタイヤが動いてしまうので、安定性がなくなってしまうのです。
そのため、ハンドルがクイックになると走り出す際にふらつきやすくなったり、少しのハンドルのブレでもタイヤが反応してしまうため安定性が悪くなります。そうすると走行中もハンドルを固定しようとするため疲れやすく乗り心地が悪くなるなどの問題が出るというわけです。
なので、ステム選びのセオリーとしては、80mm以上のステムで検討するのが良いようです。
しかし、今回は実験と検証の意味もあるので、セオリーよりも短いステムを購入しました。
35mmの短いステムを購入
とにもかくにもステムを短くしてハンドルまでの距離を短くしたいという目的を叶えるために購入した短いステムがTIOGAタイオガの35mmのステムです。
110mmのステムから一気に35mmのステムへ変更となります。
本当は10mm刻みでお試しができれば良いのですが、ステムのお試しサービスなんて聞いたことがないですし、全て自分で試すにしても無駄が多いので、最も違いが分かるであろう最短のステムから試すことにしたというわけです。そして見つかったのがこの35mmのステムでした。(30mmというサイズもありましたがデザイン的にジャンルの違う自転車用に思えたので却下しました。)
ステムを交換することでどんな風に乗り心地が変わるのかを確かめたいという、実験という目的があったので、セオリーは無視して、あえて極端に短いステムを使用しています(念の為の言い訳)。
現在使用しているステム(110mm)との比較です。
数字だけ見るとわずか75mmの差ですが2つのステムを並べると長さにかなりの違いがあることが分かります。
ステム交換の手順とポイント
古いステムを取り外す
ステムを交換するには、まず古いステムを取り外します。
ステムを外すには、ハンドルを押さえている部分ののボルトを順番にはずしていきます。
ボルトの取り外しには六角レンチを使用しますが、六角レンチはサイズの違いが色で区別されているものが便利です。
僕はPB SWISS TOOLSのレンボーレンチセットを使用しています。その名の通り虹のようにサイズごとに色分けされている六角レンチです。六角レンチの代名詞的なメーカーでもあり、精度も高くてとても使いやすい六角レンチなのでおすすめです。
ステムからハンドルを外したら、今度はコラム側の作業になります。
まずはコラムキャップのボルトを緩めます。
掃除とグリスアップ
ステムのボルトを緩めたらステムがコラムから抜けるようになります。
ステムを外した後は、コラムや上玉押さえなどのパーツが汚れていると思うのでウェスで拭き取ります。
コラムをグリスアップしておきます。
固着防止と防塵防滴の役割があります。
新しいステムを取り付けます。
短いですね(笑)
この時点ではステムのボルトはまだ締め付けずに仮止めの状態にしておきます。
ステムのボルトはあとできちんと締める
ステムが動く状態にしておかないと、キャップボルトをして目フォークを引き上げようとしてもステムが邪魔をしてフォークを引き上げることができなくなってしまいます。
なのでステムのボルトを締めるのはコラムキャップを装着してキャップボルトを締めた後の作業になります。
ステムのボルトにもグリスアップをしておきましょう。グリスには固着防止やカジリ防止などの役割があります。
コラムキャップを装着してガタが出ないようにネジを締め上げます。
ステムには5N(ニュートン)などとトルク指定が刻印されていると思うので支持に従って強く締めすぎないように気をつけましょう。締めつけ過ぎるとステムやボルトなどが破断したり壊れたりします。
トルク管理にはトルクレンチが便利です。
高級なものほど精度が高くなり使い勝手もよくなりますが、自転車のメンテナンス程度であればそこまでシビアなトルク管理は要求されないんじゃないかとも思うので、自転車用の簡易的なトルクレンチで十分だと思います。
最近はいろいろなメーカーからトルクレンチが販売されていますね。
ステムの向きがきちんとセンターに向かって伸びるように固定してからステムのボルトを締めます。
ステムを固定したら次はハンドルを取り付けます。ハンドルのセンター位置と角度に気をつけながらハンドルを取り付けます。
ステムのボルトを締め方
ご存知の方も多いとは思いますが、ハンドルをステムで固定するためのネジは多くの場合4本使用するのですが、ネジを締める順番は上記のように対角で締めていく必要があります。
ポイントは一つのボルトを一気に締めるのではなく、少し抵抗があるところまで締めたら次のボルトを締めるという感じで順番に少しずつ締めていきます。
ステム交換前と交換後
ステムを交換する前とした後の比較画像です。
笑ってしまうくらいに短くなってしまいました。
ステムの交換方法については本題と少しずれるため簡単な流れだけの説明に留めました。もっと詳しいステムの交換方法について知りたい方は下記の記事で解説しているので参考にしてください。
参考 → ステムの交換方法や注意点を解説します
ステム交換後に実走してきました
ハンドルが遠く感じる問題は解決
短いステムに交換した後に早速実走してきました。
ステムの長さは10mm違えば違いがハッキリ分かるくらいですから70mmも違えばクロスバイクに跨った瞬間からその違いを実感できます。
実際に走ってみると、ハンドルがクイックになった影響なのか、走り出しはフラつく感じでスタート。確かに安定感は少しなくなった感じがします。
しかしながら、最初こそ少しフラフラとしてしまいましたが、慣れてしまえば力加減が分かりますし、走り出せば安定するので特に不便やストレスを感じるレベルのものではなくて安心しました。
それよりも何よりもステムが短くなったおかげで乗車がすごく楽になったというのは、今回の実験での最大の収穫でした。
今まではブルホーンバーの先端を持とうと思うと両腕が伸び切ってしまうような感じになり、体重がどうして前方に偏ってしまい突っ伏した状態になっていました。そうすると腕で支えるようになり、腕、肩、首に負担を感じていたのですが、その負担をほとんど感じなくなり、楽な姿勢を維持できるようになりました。
また、今まで前寄せかつ前方に腰掛けていたサドルに関しても余裕が出来たおかげで良い位置に座れるようになり、いつも感じていた股間への違和感がかなり軽減されました。
要するに、今までかなり無理なポジションで乗っていたというわけで、きちんとポジションを出すということは大切なんだなと改めて感じた次第です。
ステムを短くしたことでなんとなく良い感じになったのでしばらく走りながら様子を見ることにしました。
ステムの角度も考える
今回選択したステムは使用していたステムと同じ角度(と言っても短すぎて角度が付いていないですが)のステムを選択してみました。
ステムの角度がもっと上向きになったステムを使用すればステムの長さを変えなくてもハンドル位置が近くなるので、ある程度適当な長さのステムが見つかれば、その後の微調整はステムの角度を変えて試してみるのも良いだろうと思います。
クロスバイクの改造カスタマイズでは乗っているうちに馴染んでくるとまた変更したくなることも珍しくはないので、少しでも違和感を感じるようであれば、ちょこちょこと微調整を繰り返すのが正しいでしょう。
ステムの角度(アングル)についての情報は下記のページでまとめているので興味のある人は参考にしてください。
長さや角度の違うステムへの変更はドロップハンドル化やブルホーン化した人にもおすすめ
クロスバイクをドロップハンドル化やブルホーン化した場合、ステムの長さが同じだと必然的にフラットバーハンドルの時と比べるとハンドルの位置が遠くなります。
ハンドルの位置が遠くなれば前傾姿勢にりますが、前傾姿勢が深くなれば良いというわけでもなく、きちんと適正なポジションで乗ることが大切です。なので、クロスバイクのハンドルをドロップハンドルやブルホーン化した場合には、最初に使用していたステムよりも短いステムや上向きの角度が付いたステムを選択して様子を見るのが良いでしょう。
ステムの価格もピンきりではありますが、フィッティングのために安いステムをいくつか試して、きちんとポジションが固まれば、有名メーカーやグレードの高いステムに交換するのが無駄がなくておすすめです。
以上、クロスバイクのハンドルが遠く感じる場合は、長さや角度を違うステムを使ってポジションを調整してみる方法でした。
関連記事
クロスバイクのハンドル周りグリップやステムの改造カスタマイズに関する記事は下記にまとめていますので興味のある方は参考にしてみてください。