クロスバイクやロードバイクの走りを劇的に変える改造・カスタマイズの定番と言えばビンディングペダルへの交換です。
ビンディングペダルにするだけで、今までの自転車とは全く違った走りになるため、一度ビンディングペダルを知ってしまうと、元のフラットペダルにはなかなか戻れなくなってしまうほどです。
かく言う僕の愛車であるクロスバイクのESCAPE Airにも当然のようにビンディングペダルを装備しています。
僕が愛用しているビンディングペダルはクロスバイク等での定番であるシマノのSPDと呼ばれるビンディングペダルです。
シマノはビンディングペダルの定番なので、多くの人がシマノのビンディングペダルを装備しているものと思いますが、実はビンディングペダルのメーカーは他にも有り、それぞれに違った特徴を持ったビンディングペダルが存在します。
そこで、ビンディングペダルの代表的なメーカーやビンディングペダルの種類について調べてみることにしました。
Contents
ビンディングペダルとは
まず、ビンディングペダルとはどんなペダルかをおさらいとしてみます。
ビンディングとは英語でBindingと書きます。
Bindingには縛り付けるなどの意味があり、クリートと呼ばれる金具でペダルとシューズを固定するシステムで、ペダルを踏むだけでなく、引き上げる動作でペダルを回せるなど普通のフラットペダルではできないようなペダリングができるようになります。
ペダルを引き上げる際にも足を使えることで、ペダルの回転を効率よく推進力に変えられる他、使用する筋肉の負荷も分散できるため、ロングライドなどではビンディングペダルを使用することで疲労具合が軽減されるなどのメリットがあります。
ビンディングペダルのメーカー
日本でのビンディングペダルメーカーの知名度で言えば、ダントツでシマノだと思いますが、ビンディングペダルを製造しているメーカーは意外と沢山存在します。
● シマノ(日本)
● VPComponents(台湾)
● LOOK(フランス)
● TIME(日本)
● CRANKBROTHERS(アメリカ)
● 三ヶ島(日本)
● MAVIC(フランス)
● XPEDO(アメリカ)
● スピードプレイ(日本)
などが代表的なビンディングペダルのメーカーです。
シマノのビンディングペダル
圧倒的なシェアと安心の日本メーカーの品質で独占状態と言っても過言ではないのがシマノのビンディングペダルです。
シマノのビンディングペダルの種類
シマノにはタイプの違う3つのビンディングペダルがランナップされています。
● SPD-SL 本格ロードバイク用
● SPD ビンディングエントリーモデルでマウンテンバイクなどでも使う
● SPD CLICKE'R クリートの付け外しが容易なビンディングペダル初心者向けの
シマノのビンディングペダル
SPD-SL
● PD-9100(DURA ACE)
● PD-R8000(ULTEGRA)
● PD-7000(105)
● PD-R550(Tiagra)
● PD-R540-LA (Tiagra)
SPD
● PD-ES600 (105)
● PD-A600G (Tiagra)
● PD-A530 (Tiagra)
● PD-A520 (Tiagra)
SPD-SLとSPDの違い
SPD-SL
SPD-SLはロードバイクなどで使われることが多いビンディングペダルで、シューズとペダルを結合する部分のクリートが大きいのが特徴です。
SPD-SLを採用したビンディングシューズはクリートが大きいので自転車から降りた際に普通に歩くとクリートを痛めてしまうことにもなるため、通常はクリートにカバーをして過ごすことになります。
それでも普通に歩くことが出来ず、ペンギンのようにカカトを立てたペンギン歩きをすることになるような感じで、基本的に自転車に乗ることだけを考えられたビンディングシューズです。
大きなクリートで靴底を広い面積で利用することになるので、よりダイレクトに力を伝えられるようになりロスが少なくなるなどのメリットがあります。ビンディングシューズの底の硬さで乗り心地を調整することもできます。
SPD
SPDはSPD-SLと比べてクリートが小さく、見た目も普通の靴に近くなります。
SPD-SLと比べて歩きやすく、普通の靴と同じように歩けるとアピールしていたりしますが、実際にはクリートの金具は地面に当たるので普通の靴のように歩けません。
歩こうと思えば歩けますが、アスファルトの上などを歩けばガリガリとクリートと地面が擦れる嫌な音が出ますし、クリートを痛めてしまいますし、コンビニなどのお店に入れば迷惑がられるのは間違いないのでやめておきましょう。あくまでSPD-SLと比べると歩きやすいという感じで、けして普通の靴のように歩けるわけではありません。
SPDはお手軽で簡単に付け外しが出来るため、ビンディングベダルの初心者でも導入しやすいです。実際にビンディングペダルに慣れる練習用として最初にSPDを使用する人も多いと思います。
● SPD-SLの方がクリートが大きい
● SPD-SLは本格的なロードバイク向き
● SPDは初心者でも扱い易い
● SPDは一応歩ける
スピードプレイのビンディングペダル
Photo via:http://www.speedplay.com/index.cfm?fuseaction=home.zero2014
他社のペダルとは全く違ったビンディングペダルを展開しているのがスピードプレイ(SPEEDPLAY)で、本格的なロードバイクなどで採用される4つのペダルメーカーのうちの1つ。
デンデコ太鼓のような見た目は好き嫌いが分れるでしょうが、角度を強制されず膝に優しい、着脱が楽などの特徴があり、ライダー目線な設計がされているのが最大の特徴で、性能などは高い評価があり人気のペダルメーカーです
スピードプレイのビンディングペダル
● ZERO
● ZERO AERO
● ULTRA LIGHT ACTION
● ZERO PAVÉ
● NANOGRAM ZERO
● SYZR
LOOK ルックのビンディングペダル
言わずと知れたフランスの自転車フレームメーカーが作るビンディングペダルです。個人的にはLOOKはフレームメーカーとしての印象が強いですが、実は現在普及しているロードバイク用のビンディングペダルの基本的な形はLOOKが元祖なのです。
オリジナルブランドとしてKEOシリーズを展開していて、愛用している人も多いです。
見た目がシマノのSPD-SLと似ているので、サイクルショップなどでビンディングペダルを検討する際に混乱してしまったりしますが、シマノとLOOKの間では互換性はありませんので注意してください。
LOOKのビンディングペダル
● KEO ブレードカーボン
● KEO ブレード
● KEO 2 MAX カーボン
● KEO 2 MAX
● KEO クラシック3
TIME タイムのビンディングペダル
フランスのフレームメーカーの作るビンディングペダル。TIMEはフレーム、ハンドル、ステム、サドルまで製造しているので、全てTIMEの製品でコーディネートしているなんていう人も居るのではと思います。
フレームメーカーの技術を活かしてカーボンを使用した軽量モデルが特徴で、TIMEのロードバイク用ビンディングペダルのXPRESSOシリーズの中のXPRESSO 15は133gという驚異の軽量モデルもあります。
他メーカーのハイエンドモデルと比べてもかなり軽量で、軽量ペダルを求めるならTIMEのXPRESSO 15一択となるでしょう。但し、価格は58,000(税抜)で、かなりプロ仕様なペダルです。
性能だけでなくデザインも秀逸でスタイリッシュなフォルムは他メーカーのペダルと比べても頭1つ出た感じがします。
シリーズとしては定番のXPRESSOとRXSシリーズがある他、XPRESSOシリーズには国旗をモチーフにしたデザインのビンディングペダルもあり、かなり物欲をそそられます。
TIMEのビンディングペダル
XPRESSO
● XPRESSO 15
● XPRESSO 12
● XPRESSO 10
● XPRESSO 8
● XPRESSO 4
● XPRESSO 2
● XPRESSO 1
RXS
● RXS CARBON
● RXS SPEED
● RXS FIRST
MAVIC マビックのビンディングペダル
MAVICと言えばキシリウムなどのホイールメーカーとして超有名です。ツール・ド・フランスなどの自転車レースでは、予備ホイールを運ぶ車両がMAVICのラッピングが施されていたりして、ロードバイクやクロスバイクに興味の有る人であれば必ず知っているでしょう。
ビンディングペダルとホイール、それからシューズをすべてMAVICで揃えればコーディネート的に、なかなかインパクトがあるように思います。知る人が見れば「お、なかなかこだわってるねぇ」と思われるような組み合わせになるでしょう。
ちなみにビンディングペダルのデザインを見れば一目瞭然ですが、上記のTIMEと同じです。TIMEのOEM製品としてMAVICが販売しているようです。なので、TIMEのペダルとMAVICのペダルでは互換性があり同じクリートが使用できます。
クランクブラザーズのビンディングペダル
クランクブラザーズ(CRANKBROTHERS)は、オフロード向けのペダルが多いため、ロード用として選択する人は少ないかもしれませんが、金属質でメカメカしいデザインのペダルが、なかなかカッコ良いメーカーです。
クランクブラザーズのビンディングペダルは、独特でスタイリッシュなデザインの評判が良いほか、クリートがシマノのSPDと似ている上に薄型なので、ビンディングシューズのまま歩いてもそれほど気にならないというのが大きな特徴です。
ペダルが小さいeggbeaterエッグビーターと踏み板を備えたcandyキャンディ、もう少し大きな踏み板のあるマレットの23種類がメインのラインナップになります。
キャンディシリーズの場合は、クリート部分の出っ張りも少ないため、普通のシューズでもペダルが踏みやすい点も他のメーカーのビンディングペダルとの違いになると思います。
エンドモデルは定価で6万円を越えてくる高級ペダルですが、公式ページの「一般ペダルとの比較」を読めば脱シマノを考えたくなるかもしれません。シマノのSPDとの比較が行なわれています。
シマノのSPDとの互換性は無い
クランクブラザーズのクリートとシマノのSPDのクリートの形状が似ているため、互換性があるように思われている人も多いようですが、クランクブラザーズとシマノのSPDとの間では互換性はありません。
クランクブラザーズのビンディングペダル
エッグビーター
キャンディ
三ヶ島のビンディングペダル
1943年から創業している日本の老舗自転車パーツ会社。どちらかと言えばビンディングペダルよりもフラットペダルのメーカーとして知られているかもしれませんが、ビンディングペダルも製造していて、オリジナルのUS-SとUS-A、US-Lいうクリートを採用しています。
シマノのSPDと形状も似ていて互換性があり、シマノのSPDシューズを使用している人であればそのまま使用できるようになっています。US-LはSPD-SLと互換。
三ヶ島のビンディングペダル
● Urban Step-in A Ezy Superior
● MM-Cube Ez
● Urban Step-in A
● US-B NUEVO Ezy Superior
● US-L Ezy Superior
アXPEDOのビンディングペダル
Photo via:http://xpedo.com/products/pedals/road/151/thrust-e
アメリカの老舗ペダルメーカーで、独特なデザインのペダルを数多く製造しています。
ビンディングペダルはシマノのSPDと互換性のあるM-forceシリーズとLOOKのKEOと互換性のあると思われるThrstがあります。
EXPEDOのビンディングペダル
M-force
● GFX
● CXR PRO
● CXR
● BALDWIN
● TRAVERSE DUO
● M-FORCE 8
● M-FORCE 4
● M-FORCE 3
● R-FORCE
● MILO
Thrst
● THRUST
● THRUST 8
● THRUST SL
● THRUST NXS
● THRUST NXL
VPComponentsのビンディングペダル
VPComponentsは台湾のペダルメーカーで、本格的なロード用ビンディングペダルは少ないですがトゥークリップタイプのペダルやフラットペダル、薄型ペダル、ペダルが折り畳めるフォールディングペダルなど数多くのモデルが存在します。
ビンディングペダルのクリートはシマノのSPDやLOOKのデルタスタイルと互換性のあるモデルもあります。
ビンディングペダルの互換性ほか
ビンディングペダルはビンディングシューズとセットで使用するもので、基本的にメーカー間での互換性はなく、いずれも使用できるクリートとペダルの組み合わせが決まっていると考えておいた方が間違いが無いと思います。
また同じメーカーでもグレードやブランド違いでクリートに互換性が無い場合もありますし、メーカーが違ってもLOOKのKEOやシマノのSPDなどは互換性のあるものあります。
ビンディングシューズもビンディングペダルも安いものではないので、基本的には最初に買ったメーカーのペダルを使い続けるでしょうから、最初のペダル選びというのはその後の展開も考えて、慎重に選ぶ必要があるのかもしれません。
僕などは、ビンディングペダルを使用したいと考えた時にSPDが何なのかさえほとんど意識していなかったので、サイクルショップに売られていたシマノ製品を躊躇無く選択しましたが、こうしていろいろ調べてみると、クロスバイクで使用する場合には、クランクブラザーズあたりも使い勝手が良さそうでちょっぴり後悔をしています。
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ペダルに関する記事は下記にまとめていますので興味のある方は参考にしてみてください。